Jリーグサッカーキング2017年11月号は鹿島アントラーズを大特集! “常勝継承”のためにさらなるタイトル獲得を目指して戦うアントラーズの強さの秘密に迫ります。
9月23日(土・祝)の発売に先駆け、ここでは本誌に掲載しきれなかった曽ケ端準選手×クォン スンテ選手対談のこぼれ話を特別にお届けします。
Jリーグサッカーキング11月号[鹿島アントラーズ特集]~常勝継承~
インタビュー・文=池田博一
写真=兼子愼一郎
■大舞台では緊張するタイプ?
曽ケ端 大舞台というと、直近では昨年のFIFAクラブワールドカップがありましたけど、日本での開催でしたからね。決勝も満員ではありましたけど、アウェイのサポーターが大挙したわけではなかったですし、ピッチの周りに陸上トラックがあるスタジアム(横浜国際総合競技場)だったのでそこまで圧力がかかったわけでもなかった。
緊張したといえば、日本代表のデビュー戦(キリンチャレンジカップ2001、イタリア戦)は緊張しましたね。いきなり出番が回ってきたんです。試合当日、午前中の練習で(川口)能活さん(現SC相模原)がケガをして、急遽出ることになった。心の準備もなくバタバタという状況だったんですけど……。振り返れば、(準備の)時間がなかったことが逆に良かったのかもしれないですね。
スンテ 僕も韓国代表のデビュー戦(2018 FIFAワールドカップ ロシア大会アジア2次予選)が一番緊張しました。相手がラオスだったんです。一方的な試合展開で、最初の80分間はまったくボールに触れなかった。それなのに、残り10分間でバックパスが3回来て、なんと、すべてミスをしてしまいまして(苦笑)。その2次予選はラオス戦の前まで韓国代表が無失点で勝ち続けている状況だったので、すごくプレッシャーでした。結局失点にはつながらなかったんですが、味方にパスがつながらなくて、「ああ、これで代表はなくなったな」と(笑)。
――ミスは引きずるほうですか?
スンテ 一度ミスしたらダメですね。最後の10分間は常に足がブルブル震えていましたよ(笑)。
曽ケ端 いつくらいのとき?
スンテ 31歳くらいですかね。本当に最近です。
曽ケ端 今のプレーを見ていると、そういう感じには見えないけどね。
スンテ その試合が終わった後に親善試合でカナダと戦ったんですが、キャプテンマークを巻くことになって。2-0と無失点で勝つことができたんです。本当に良かった……。
曽ケ端 直後にまたキャプテンとして使ってもらうっていうのは、力は分かっているという証拠。“しっかりやれよ”ってことだろうね。ミスは誰でも引きずるものだよ。GKのミスは失点に直結するものだから、なかなか難しいものだよね。
――試合直後の取材時に見せる「ミスしたときこそ、聞きに来てほしい」という曽ケ端選手の姿勢にはいつも感心します。ミスが失点に直結するポジションで、メンタル的にもすごくツラい状況のはずですよね。
曽ケ端 それこそ失点につながっているということは、負けや引き分けの可能性が高い試合ですから。取材ゾーンでは、ものすごく顔に出ていて、記者の人たちも話しかけづらいのかもしれないですけどね(苦笑)。
スンテ (笑)。でもGKというのは、一番難しいポジションだなと思いますよ。
■GKの難しいところは?
曽ケ端 GKは、すべてのプレーが失点につながる可能性がある。簡単なプレーでも難しいプレーでもそう。さっきスンテも話していたけど、圧倒的に攻めている展開であっても、唯一の単純なシュートやバックパスなど、ワンプレーが失点につながるかもしれない。そのプレッシャーを常に背負いながらプレーしている。その難しさはずっとあるものですね。
スンテ 僕はサッカーってプレーをすればするほど、本当に難しいなと思うんです。やはりGKを長くやっているので、ある程度の状況は頭に入っています。でも、いろいろな状況があるからこそ、選択が難しくなってくるというか……。ビッグセーブでチームを救うこともありますけど、一番難しいのは、自分が守れる範囲で当たり前にプレーすること。人間なので、やっぱりカッコよくビッグセーブしようという考えもあると思うので。その意味でも簡単なプレーが一番難しいですね。
曽ケ端 俺もそう思うわ。
スンテ でも、それができないんですよ。
曽ケ端 そのために練習を積み重ねる。いかに簡単なボールに対する練習を積み重ねるかなんだよね。
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