[写真]=Getty Images
今シーズン、メッシの44試合を上回るチーム最多の公式戦46試合に出場。この数字だけでも、バルベルデ監督からの信頼度の高さがうかがえる。 昨シーズンまでは“MSN”を最大限に生かすというチーム事情もあり、守備に奔走。「チームが第一」というラキティッチはその役割を全うしたが、リーグ戦12得点12アシストを記録したセビージャでのラストシーズンのように、本来は攻撃能力に特長を持つ。物足りなさがあったのは否めない。
転機となったのは、4-4-2が導入されたことだった。プレーエリアを右サイドから中央に移したことで、ボールに関与する回数が増加。得点とアシストの数は昨シーズンより少ないものの、パス成功率は90パーセント以上を誇り、ピッチ上での存在感を増した。また、S・ブスケツが欠場した試合では代役として“ピボーテ”もこなし、エル・パイース紙が「トータルMF」と称したように、攻守のリンクマンとして不可欠なピースであり続けた。「とても重要な選手で、常にバランスを与えてくれる。そのうえ天秤のようでいて、得点、戦術理解、ハードワークのすべてを持ち合わせている。彼がいるのは贅沢なことだ」。指揮官は賛辞を惜しまない。
今シーズンもスポットライトを浴びたのは数えるほど。だが、チームが安定飛行を続けられるのは“背番号4”の存在があったからに他ならない。本人にとっても、バルセロナに加入して最も充実したシーズンのはずだ。