チャンピオンズリーグ(CL)決勝が6日に行なわれ、ユヴェントスとバルセロナが対戦した。
ドイツ・ベルリンのオリンピアシュタディオンを舞台に今シーズンのヨーロッパ王者を決める一戦。国内のリーグ戦とカップ戦を制した両チームが、ともに8度目となるCL決勝で、3冠をかけて激突する。19年ぶり通算3回目の制覇に挑むイタリア王者のユヴェントス。一方、スペイン王者のバルセロナは、4年ぶり通算5回目の優勝を狙う。
ユヴェントスは、セリエAで得点王は逃したものの、20ゴールを記録したFWカルロス・テベスと、CL準決勝で古巣レアル・マドリード相手に2試合ともゴールを奪い、勝負強さ見せたアルバロ・モラタが先発出場で2トップを組む。だが、守備の要であるDFジョルジョ・キエッリーニは負傷で欠場。昨年夏のブラジル・ワールドカップで噛み付かれたバルセロナのFWルイス・スアレスとの対峙はお預けとなったが、人種差別発言を受けたDFパトリス・エヴラはスタメンで、“因縁対決”が実現している。
対して、バルセロナは、公式戦で合計120得点を記録し驚異的な爆発力を有する南米出身の“MSN”トリオ、FWリオネル・メッシ、スアレス、FWネイマールが先発出場。5月30日のコパ・デル・レイ決勝で負傷したMFアンドレス・イニエスタは、決勝での出場が心配されたが、スタメンに名を連ねている。また、この決勝を後に17年間プレーしてきたMFシャビの退団が決まっているため、CLのトロフィー“ビッグイヤー”を掲げ、3冠という最高の花道で送り出したいところ。
ユヴェントスのキックオフで幕が開けた試合は、開始わずか4分にバルセロナが先制する。ネイマールからのスルーパスでペナルティエリア内左に抜けだしたイニエスタが、中央へ折り返すと、イヴァン・ラキティッチが合わせてゴールネットを揺らした。バルセロナが貴重な先制点を獲得。
反撃したいユヴェントスは8分、切り返しでDF1人をかわしてエリア内右に抜け出したモラタがバックパス。エリア手前からアルトゥーロ・ビダルが右足を振り抜くが、シュートはわずかにクロスバー上に外れた。バルセロナは13分、エリア内右の深いところからスアレスが折り返すと、ダニエウ・アウヴェスがダイレクトでシュート。だがこれは、GKジャンルイジ・ブッフォンが左手1本で防いた。
ユヴェントスは24分、モラタがエリア内中央で左足を振り抜くが、シュートは枠を捉えられない。バルセロナは29分、スアレスが自らエリア内に侵入しシュートを放つが、わずかに枠の左。さらに40分には、こぼれ球に反応したスアレスが右足を振り抜くが、ブッフォンにセーブされた。43分にユヴェントスは、エリア手前中央からクラウディオ・マルキージオがミドルシュートを放つが、GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンの正面。前半は、バルセロナが主導権を握り、1点リードで折り返す。
後半に入って48分、カウンターを仕掛けたバルセロナは、ラキティッチのパスから、スアレスがエリア内左で右足アウトサイドでのダイレクトシュートを放つが、ブッフォンにセーブされる。すると55分、マルキージオのヒールパスでステファン・リヒトシュタイナーがエリア内右に抜け出し折り返す。中央でテベスが反転して放ったシュートはテア・シュテーゲンに阻まれるが、こぼれ球をファーサイドのモラタが押し込んで、ユヴェントスが同点に追いついた。
同点ゴールで勢いを取り戻したユヴェントスは63分、エリア手前でテベスが右足を振り抜くが、クロスバー上に外れた。65分にもポール・ポグバがミドルシュートを放つが、テア・シュテーゲンにキャッチされた。だが68分、バルセロナが勝ち越しに成功する。メッシがドリブルからエリア手前左で左足を振り抜くが、シュートはブッフォンに弾かれる。そのこぼれ球にいち早く反応したスアレスが、押し込んでゴールを奪った。
さらにバルセロナは71分、ジョルディ・アルバからのクロスに、ゴール前でネイマールがヘディングで合わせてゴールを奪ったかに思われたが、シュート後に手に当たっており、ノーゴールとなった。バルセロナは78分、イニエスタに代えて、ラストゲームとなるシャビをピッチに送り出した。
一方のユヴェントスは79分、左CKからポグバが頭で合わせるが、シュートはクロスバーの上。直後にビダルを下げてロベルト・ペレイラを投入した。87分、モラタからのパスでペレイラがエリア内中央に抜け出すも、ボールがわずかに流れてシュートまで持ち込めず、テア・シュテーゲンにキャッチされた。89分には、マルキージオがミドルシュートを放つと、枠の右隅を突くが、テア・シュテーゲンに弾き出された。
後半アディショナルタイム入ると終了直前に、ネイマールがダメ押しのゴールを決めて、勝負あり。直後にタイムアップを迎え、ヨーロッパ王者を決める戦いは、バルセロナが3-1で制し、4年ぶり5回目の優勝。バルセロナが2009年以来、史上初となる2度目の3冠を達成した。
【スコア】
ユヴェントス 1-3 バルセロナ
【得点者】
0-1 4分 イヴァン・ラキティッチ(バルセロナ)
1-1 55分 アルバロ・モラタ(ユヴェントス)
1-2 68分 ルイス・スアレス(バルセロナ)
1-3 90分+7分 ネイマール(バルセロナ)