3月11日深夜、日本テレビの『UEFAチャンピオンズリーグハイライト』が放送。元日本代表DFの都並敏史氏が、3月8日、9日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2nd legのチェルシー対パリSGを解説した。
3大会連続の対戦となったチェルシー対パリSGは、2戦合計スコア4-2でパリSGがベスト8進出。都並氏はパリSGが敵地で2-1で勝利した2nd legについて「パリSGはチェルシーをよく研究、分析していた」は断言。「見応えのある一戦だった」と振り返った。
ワールドタクティクスのコーナーでは「チェルシーの出鼻をくじいた勇気あるブラン采配」と題して、アウェー戦で攻撃的な姿勢を貫いたパリSGの攻撃を高評価。パリSGは試合序盤から両サイドバックがハーフラインより高い位置を取り、チェルシーの両翼エデン・エザールとペドロ・ロドリゲスが自陣まで戻らざるをえない状況を作り、中盤中央に大きなスペースに生み出す。そのスペースにパリSGの3トップの一角、アンヘル・ディ・マリアやルーカス・モウラが下がり、中盤で数的有利な状況を作り出していた。
パリSGの右サイドバック、マルキーニョスは攻め上がりはするものの、敵陣深くまで進入することなくサイドで対峙するアザールのマークを引き付けることに専念。本来、守備のセオリーでは中央のスペースでパスを受けるディ・マリアには、サイドバックの選手が対応しなければならない。しかし、アザールが最終ラインまで下がって守備を助けることをしないため、左サイドバックのケネディは仕掛けることができず中途半端なポジション取りとなり、サイドのスペースをパリSGに何度も狙われていた。
パリSGのアドリアン・ラビオが前半16分に決めたゴールは、まさに典型的なシーン。ディ・マリアが中央でパスを受けると、センターFWのズラタン・イブラヒモヴィッチがアザールの裏のスペースに抜け出してクロスをおくり先制点を奪う。「前半だけで4、5度、同じ形があり、チェルシーは攻撃することができなくなっていた」と都並氏は分析した。
パリSGはホームの1st legを2-1で勝利。しかし、チェルシーにアウェーゴールを取られ、2nd legを0-1で落とすと敗退の可能性があった。そのリスクがありながら「分析に分析を重ねて、前半からリスクを懸けて攻撃的に仕掛けることを選択」した点について「勇気ある采配」と、都並氏は評している。
『UEFAチャンピオンズリーグハイライト』は、BS日テレで3月14日(月)24時から、「日テレ無料」での見逃し配信は3月12日(土)15時から一週間限定で視聴可能となっている。次回の放送は、3月18日(金)深夜に放送予定。