史上初の連覇を達成したレアルマドリーのクロース [写真]=VI Images via Getty Images
レアル・マドリードは、3日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝でユヴェントスを4-1で下し、2年連続となる通算12度目の優勝を果たした。この結果、同クラブは史上初のCL連覇を達成。準決勝までわずか3失点と堅守を誇っていたイタリア王者を圧倒することができた理由について、スペイン紙『アス』は5つの理由を挙げている。
■クリスティアーノ・ロナウドの圧倒的存在感
レアル・マドリードが1956年から1960年にかけて欧州チャンピンズカップ5連覇を達成した時代には、元アルゼンチン代表FWの故アルフレッド・ディ・ステファノ氏という絶対的なリーダーがいた。今のチームでその役割を果たすのは、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドである。今大会、準々決勝以降の5試合で10ゴールをマーク。ユヴェントスとの決勝でも、すでにレジェンドの域に到達しているイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンから2ゴールを奪い、個人としても史上初の5年連続CL得点王に輝いた。驚くべきことに、それでもまだ向上心は尽きないのだ。
■ケイロル・ナバスのセービング
レアル・マドリード在籍3年目となった今シーズンは、ファンからの批判も強まるなど難しい時間を過ごした。しかし、終盤戦になって調子を取り戻すと、ユヴェントスとの決勝戦ではボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFミラレム・ピャニッチの鋭いシュートを右手一本でセーブ。試合の流れを相手に渡さなかった。あのブッフォンとの“GK対決”に勝利したのも、苦しんだ1年間のご褒美だったとも言える。新たなGKの補強が噂されるなかで存在感を発揮し、今では不要論もほぼ一蹴した。
■耐久力と爆発力
今シーズンのチームには、逆風に立たされても慌てることなく、それを乗り越える力強さが備わっていた。象徴的だったのは、アトレティコ・マドリードとの準決勝セカンドレグ。ファーストレグを3-0で勝利していたチームは、試合開始から猛攻を受けて1点差まで詰め寄られる。しかし、最悪の状況を迎えてもなお、レアル・マドリードの選手たちの自信に揺るぎはなく、チームとしての一体感にもブレが生じなかった。また、公式戦65試合連続得点という驚異的な記録を達成。データ会社『Opta』によると、シーズン全試合で得点を記録したのは、スペイン1部のチームで初めてのことだという。
■ジネディーヌ・ジダン監督がハーフタイムに行った戦術調整
1-1で迎えたハーフタイム。ジネディーヌ・ジダン監督は戦術を微修正する。フランス人指揮官は、もっと中盤でボールを保持して、チーム全体で相手ゴールに迫っていくことを要求。クロアチア代表MFルカ・モドリッチ、ドイツ代表MFトニ・クロース、スペイン代表MFイスコの3選手の距離を近づけることでボール回しを容易にし、左右のサイドバックのオーバーラップを促した。また、ブラジル代表MFカゼミーロも“フリーマン”としてサポート役に徹することができ、堅守を誇るユヴェントスの組織を破壊した。
■両サイドバックの攻撃参加
スペイン代表DFダニエル・カルバハルとブラジル代表DFマルセロの攻撃参加とアシストによって、堅守を誇るイタリア王者の組織は崩壊。両サイドバックが試合をオープンにし、そして勝負に決着をつけた。前半には、クロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチのマークがわずかに緩んだ隙にカルバハルが右サイドを駆け上がり、C・ロナウドの先制点を演出。さらに後半に入ると、マルセロが同胞であるダニエウ・アウヴェスとの“スピード勝負”を制す。左サイドからも攻勢を強めたことで、90分にはスペイン代表MFマルコ・アセンシオがマルセロからの折り返しに合わせて4点目を奪った。なお、データ会社『Opta』によると、欧州5大リーグのDFで今シーズン最も多くのアシストを記録したのは、マルセロ(13アシスト)とカルバハル(11アシスト)だったという。CL決勝という大舞台でも、両翼の存在感は絶大だった。
(記事/Footmedia)
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