バイエルン指揮官、古巣レアルのPSG撃破を予想「勝ち進むのは彼ら」

ユップ・ハインケス監督

レアル・マドリードの指揮経験があるバイエルンのユップ・ハインケス監督 [写真]=Getty Images

 バイエルンのユップ・ハインケス監督が、古巣であるレアル・マドリードの現況について自身の見解を示した。

 昨シーズンは、チャンピオンズリーグ(CL)では史上初の連覇を達成し、リーガ・エスパニョーラでも5シーズン振りに王者に輝いたレアル・マドリード。しかし、今シーズンは、CLではトッテナムに次ぐ2位でグループステージ突破したものの、リーガでは首位バルセロナから19ポイント差の4位に沈んでいる。

 1997-98シーズンにレアル・マドリードを率い、32年振りのCL制覇をもたらした経験を持つハインケス監督は、古巣の不振は昨シーズンの反動にあると見ているという。

「これは私見だが、レアル・マドリードがリーガで低調な時期を過ごしているのは、ごく普通のことだ。チャンピオンズリーグを連覇したうえ、スペインでも王者になった次のシーズンとなれば、なおさらだろう」

 ハインケス監督はまた、昨年夏の移籍市場でスペイン代表FWアルバロ・モラタ、ポルトガル代表DFペペ、コロンビア代表MFハメス・ロドリゲスが揃って退団したことにより、絶妙に保たれていたチームのバランスが崩れたことを指摘した。

「レアル・マドリードはそのうえ、昨年夏には3人の好選手がチームを後にした。モラタ、ペペ、ハメスのことだ。クラブとしては、おそらく年俸総額を抑えたかったのだろう。偉大な選手を獲得することはせず、若い選手が穴を埋めてくれると考えた。だが、重要なのはベテランと若手がちょうど良く混ざり合うことだ。経験豊富な選手とハングリー精神豊富な選手の調和が求められる」

 リーガでは連覇が絶望的な状況にあるうえ、コパ・デル・レイでも準々決勝で敗退したため、残すタイトルは事実上CLのみとなっているレアル・マドリード。だが、決勝トーナメント1回戦では、リーグ・アンで首位の強豪パリ・サンジェルマン(PSG)との対戦が待ち受けている。それでも、ハインケス監督は古巣がPSGを撃破すると予想した。

「レアル・マドリードをCLから切り捨ててはならない。彼らにはPSGよりも多くの経験がある。それも遥かに多くだ。それゆえ、勝ち進むのは彼らだと思っている」

 ハインケス監督がレアル・マドリードの勝ち抜けを支持する背景には、国内では低迷していても国外では好成績を収めるというクラブの特徴を、身をもって知っているからだという。

「レアル・マドリードはヨーロッパの戦いに合った好チームを有している。我々がCLで王者に返り咲いた1998年は、リーガでは4位に終わった。彼らは決して過小評価してはならない。そのことを私は自身の経験から分かっている」

 今シーズン、序盤戦で解任されたカルロ・アンチェロッティ監督の後任として、5シーズン振りにバイエルンに復帰すると、チームを劇的に立て直したハインケス監督。かつて指揮を執った名将からお墨付きをもらったレアル・マドリードが、PSGを倒して前人未到の大会3連覇へと向かうのか。14日に本拠地サンティアゴ・ベルナベウで行われるファーストレグに、まずは注目したい。

文=北村敦

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