スタジオゲストだったサッカー元日本代表、柱谷幸一氏が、6日に行われたUEFAチャンピオンズリーグのラウンド16セカンドレグ、パリ・サンジェルマン対レアル・マドリードの一戦を分析した。
PSGは大エースのネイマールが右足第5中足骨骨折で欠場となり、代役としてアンヘル・ディ・マリアが出場。アンカーの位置には経験豊富なチアゴ・モッタを入れた。一方のレアル・マドリードは7試合連続得点中のクリスティアーノ・ロナウドとカリム・ベンゼマの2トップで臨んだが、両チームの布陣について柱谷氏はこう解説した。
「レアル・マドリードはファーストレグを3-1で勝っているので、アウェーのセカンドレグは失点しないことが第一。4-4-2でスペースを消して相手の攻撃を寸断し、ボールを奪ってからカウンターを狙う、という考え方だったと思います。PSGは(マルコ)ヴェッラッティの後方でボールを動かせる展開ができるんじゃないかということで、配球のうまいモッタをアンカーで使ったんじゃないかと思います」
試合は51分にルーカス・バスケスのクロスからC・ロナウドがヘディングで先制点を決める。追いつきたいPSGは66分にヴェッラッティが2枚目のイエローカードで退場処分になったが、71分にはハビエル・パストーレのダイビングヘッドのこぼれ球をエディンソン・カバーニが押し込み同点に追いつく。しかし80分、レアル・マドリードはカゼミーロのシュートがDFに当たってループ気味になり、そのままゴールに吸い込まれる形で追加点を奪い、これが決勝ゴールに。この試合を2-1、2戦合計5-2として準々決勝進出を決めた。
柱谷氏はポイントになったシーンとしてC・ロナウドの先制ゴールを挙げた。この場面ではマルコ・アセンシオが自陣内でダニエウ・アウヴェスからボールを奪って一気にカウンターを仕掛け、追走してきたL・バスケスがスルーパスを受けてクロスを上げ、逆サイドで待ち受けるC・ロナウドがヘディングシュートを決めている。柱谷氏はこの時のL・バスケスの動きを絶賛した。
「最初のシーンなんですけど、ここ(自陣ミドルサードやや右寄りの位置)に最終的にクロスを上げたL・バスケスがいて、ここ(センターサークル付近)でアセンシオがボールを奪って運ぶんですが、一番はやはりL・バスケスがここからランニングをして、逆サイドのスペースに出てきたことですね。数的優位を作りに来たのが一つのポイントだと思います。(アセンシオが)一度深い位置まで入った後、ボールに対して(PSGのDFが)1人来ていて、ベンゼマを1人見ていて、逆サイドから来たL・バスケスに対してはマークがつき切れていないんですよね。そのためL・バスケスが、(PSGのDFがボールに)食いついた裏のスペースを見事に狙って出て行くことができました」
「最終的にはクロスが入ってゴールになるんですが、もう一つは攻撃的にならざるを得ないPSGのサイドバックが、本来はここのポジション(C・ロナウドをマークするポジション)を取らなければいけないんですが、戻り切れていないところをC・ロナウドがスペースを見つけて、ヘディングで決めました。カウンターを狙っていたレアル・マドリードが、ボールを奪った瞬間に相手の背後を突きに行って、カウンター気味に決めたゴール。もちろんクロスの質の高さはありますが、思いどおりの先制点だったんじゃないかと思います」
3月16日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、JリーグYBCルヴァンカップ第2節ハイライトやJ1第4節サンフレッチェ広島対ジュビロ磐田戦のプレビューなどを放送する予定となっている。
By サッカーキング編集部
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