レギュラー解説委員を務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)が、3月14日に行われたUEFAチャンピオンズリーグのラウンド16セカンドレグ、バルセロナ対チェルシーの一戦を分析した。
チェルシーのホームで行われたファーストレグは1-1の引き分けに終わり、チェルシーとしては勝利を目指さなければ準々決勝進出の可能性が潰える試合だったが、開始わずか3分に細かいパス交換からリオネル・メッシがゴールを奪い、バルセロナが先制する。20分にはカウンターで抜け出したメッシのラストパスからウスマン・デンベレが追加点を奪い、63分には再びメッシ。自身のCL通算100ゴール目を奪い、3-0で快勝したバルセロナが2戦合計4-1で準々決勝に駒を進めた。
メッシのハイパフォーマンスが目立ったこの試合だったが、岩政はデンベレが2点目を決めたシーンの直前に見えた、両チームのDFの“スライディング”に着目し、「ここが勝負を分けた」と分析した。
岩政はDF目線から、スライディングについて「派手で良いプレーに見えるんですけど、“最後の手段”なんですよね」と紹介。その上で、実際にどのような違いが見られたのかを解説した。
デンベレのゴールの直前に、まずチェルシーがチャンスを作った。セスク・ファブレガスのロングパスにエデン・アザールが右サイドに抜け出し、カットインからシュートを放ったが、ここはバルセロナのDFサミュエル・ユムティティがブロックした。岩政の見解はこうだ。
「アザールのシュートをユムティティがスライディングでブロックしたんですが、ボールが当たる瞬間はスライディングしていないんですよ。最後の形がスライディングになっているだけで、ギリギリの瞬間までシュートかどうかを見極めた上でブロックして、その流れでスライディングしているんです。ですから、本人は最後の瞬間まで、スライディングするかどうか決めていないんですね」
そしてこのブロックで大きく跳ね返ったボールをメッシが拾い、カウンターからデンベレのゴールにつなげたのだが、メッシがボールを持って加速するところで、アンドレアス・クリステンセンのスライディングをかわすシーンがあった。岩政はこの場面に注目している。
「逆に、チェルシーのセンターバックの選手(クリステンセン)なんですけど、メッシがボールを触る前に、先に倒れちゃっているんですね。自分が先に触れると思ったんでしょうけど、対応としては少し雑だったかなと。ここで、もし足をそろえて対応していれば、もし抜かれたとしても、走って後ろから追い掛けるような場面を作れて、ゴール前での守備の枚数が足りなかったということはなかった状況なんですね。スライディング一度倒れてしまうと起き上がるのに時間が掛かるので、どうしても遅れてしまいます。ここが勝負を分けたというか、両チームのDFの対応を見ると、バルセロナのDF(ユムティティ)のほうが慎重だったのが見えましたね」
難敵チェルシーを下したバルセロナは、準々決勝ではローマと対戦することが決まっている。
第50回の節目の放送となる3月23日(金)放送の『スカサカ!ライブ』は無料放送回となり、通常の21時からではなく、23時半からスタート。番組はリニューアルされ、これまでレギュラー解説委員を務めていた岩政が番組MCを務めることになる。番組直前まで行われる日本対マリの徹底分析や、「今まさに聞く」ケルン大迫勇也篇~前編を放送する予定となっている。
By サッカーキング編集部
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