「GEKIRON~激論~」のコーナーにおいて、番組MCを務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がリヴァプール対マンチェスター・C戦のファーストレグを分析した。
イングランド勢同士の対戦となったこの試合では、12分にモハメド・サラー、20分にアレックス・オックスレイド・チェンバレン、31分にサディオ・マネと、リヴァプールが前半のうちに3ゴールを奪い、完封勝利。セカンドレグに向けて大きなリードを奪った。岩政はリヴァプールの1点目から2点目にかけての両チームのプレーに注目した。
まずはリヴァプールの先制点だが、マンチェスター・CのCKの流れから、レロイ・サネが入れた縦パスをリヴァプールが奪ってカウンターに転じ、最後は前線でロベルト・フィルミーノの粘りからサラーが決めた。縦パスをカットしたシーンについて、岩政はこのように解説した。
「サネの縦パスは軽率でした。(攻撃が)うまくいっていたために少し崩しに行ったんですけど、かなり軽率だったなと。というのも、(リヴァプール側は)ラインが上がっていて、プレスもハマっていた。(その状況で)リヴァプールの得意なカウンターを出させてしまうようなパスを出してしまいました」
続いてはリヴァプールがカウンターを仕掛けて、マンチェスター・Cのゴール前に迫る場面。
「それによってカウンターが発動していくんですけど、シティも当然リヴァプールの得意なカウンターは警戒していて、センターバック、ボランチが帰ってきて、枚数自体はそろっていてしっかり戻ることができていたんですね」
しかしリヴァプールは先制に成功した。相手ゴール前でフィルミーノが粘り、サラーのゴールにつなげる場面はこうだ。
「相手に対するカウンター対策は徹底して試合に入ってきていたんだろうなというのはあるんですけど、ボールを一度クリアされそうになりながら取り返したリヴァプールのゲーゲンプレスがうまく得点につながりました」
続いて岩政が注目したのは、先制された直後のマンチェスター・Cのプレー。先制された場面と同じようにカウンターで相手ゴールに迫った。このプレーでは、再びサネがキーマンとなった。
「セットプレーのクリアからシティのカウンターに入ります。全く同じようなシーンですね。フリーでシュートを打つんですけど、(シュートを打った)サネは先ほどパスミスをした選手なんですね。彼は素晴らしい選手なんですけど、たぶん先ほどのパスミスが少し頭にあって、少し強引にシュートまでいってしまった。シティのほうが悪い立ち上がりをしたわけではなかったんですけど、この2つのプレーによって大きく流れが変わってしまいました」
リヴァプールが2点目を奪った場面では、チームの攻撃戦術について解説した。
「基本的にサッカーは、自分たちがボールを保持して攻めていくものなんですけど、リヴァプールの攻撃というのは、相手にボールを取られることも想定しているんですね。つまり、(ボールを持って)突っ込んでいって、相手に取られてもあまり気にせず、そのまま奪い返しにいくのが彼らの戦術なんです。実際に取られてしまっても、また取り返す。取られて取って、取られて取ってを繰り返していく。そして(チェンバレンの)素晴らしいゴールが生まれる。リヴァプールは先制点の後の10分間で、ホームのサポーターの雰囲気も含めて一気に自分たちの土俵に持っていって、そして試合のほとんどを決めてしまいました」
リヴァプールが大量リードを奪ったことで敗退の危機にさらされているマンチェスター・Cだが、岩政は「少し不気味」と語った。
「シティはダブルボランチ、トップ下2人の布陣で相手のプレスをはがし、サイドに展開してサネが持ち込むというのを前半から徹底してやっていました。停滞感を持たず、ブレることなくやれていたので、セカンドレグに向けて少し不気味な感じは残しました」
セカンドレグは10日にキックオフを迎える。
4月13日(金)21時から放送される『スカサカ!ライブ』では、J1第7節鹿島アントラーズ対名古屋グランパスのプレビューやUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝セカンドレグレビュー、そして岩政大樹がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く」では~川口能活篇~前編を放送する予定となっている。
By サッカーキング編集部
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