今季のCLベスト8が出揃った [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦が終わり、ベスト8が出揃った。
“欧州8強”に名乗りを上げたのは、トッテナム(イングランド)、マンチェスター・U(イングランド)、マンチェスター・C(イングランド)、リヴァプール(イングランド)、アヤックス(オランダ)、ポルト(ポルトガル)、ユヴェントス(イタリア)、バルセロナ(スペイン)の8クラブ。
イングランド勢は4クラブが勝ち上がり、2008-09シーズン以来となる偉業を達成。一方、ここ5シーズン連続でCLのタイトルを独占してきたスペイン勢は、バルセロナが唯一の“生存者”となった。またドイツ勢は、バイエルン、ドルトムント、シャルケがラウンド16で揃って敗退。ベスト8に1クラブも勝ち進めないのは、2005-06シーズン以来13年ぶりとなった。イングランド勢の強さが際立つ結果となり、欧州の覇権がリーガ・エスパニョーラからプレミアリーグに移りつつあるようだ。
では、21世紀以降(2000-01シーズン以降)、CLベスト8に最も多くのクラブを輩出する国(リーグ)はどこなのか。また、同ラウンド進出回数が最も多いクラブはどこなのか。以下、ランキング形式で紹介する。
■CLベスト8進出回数 <国別ランキング>
1位:スペイン(リーガ・エスパニョーラ) のべ41クラブ
2位:イングランド(プレミアリーグ) のべ38クラブ
3位:イタリア(セリエA) のべ22クラブ
4位:ドイツ(ブンデスリーガ) のべ20クラブ
5位:フランス(リーグ・アン) のべ13クラブ
6位:ポルトガル(プリメイラ・リーガ) のべ7クラブ
7位:オランダ(エールディヴィジ) のべ4クラブ
8位:トルコ(スュペル・リグ) のべ3クラブ
9位:ロシア(ロシア・プレミアリーグ) 1クラブ
10位:ウクライナ(ウクライナ・プレミアリーグ) 1クラブ
11位:ギリシャ(ギリシャ・スーパーリーグ) 1クラブ
12位:キプロス(キプロス・ファーストディビジョン) 1クラブ
21世紀以降、CLベスト8に1つ以上のクラブを輩出しているのは12カ国あった。1位スペインから5位フランスまでは、直近5シーズンのUEFA大会の成績によって算出される“UEFAカントリーランキング”のトップ5と全く同じ並び。いわゆる“欧州5大リーグ”が上位を独占している格好となった。もっとも、スペイン勢とイングランド勢の占有率は52%を記録。シーズンによって勝ち上がるクラブ数にバラツキはあるものの、平均すると、ベスト8のうちの4つの枠は両国のクラブが占拠している計算になる。であるならば、“欧州2大リーグ”という見方もできるかもしれない。
なお、直近5シーズンに限定した場合のランキングは以下のとおり。
1位:スペイン のべ13クラブ
2位:イングランド のべ8クラブ
3位:ドイツ のべ6クラブ
4位:イタリア のべ5クラブ
5位:フランス のべ4クラブ
6位:ポルトガル のべ3クラブ
7位:オランダ のべ1クラブ
ここでもトップに立ったのはスペインで、イングランドが2位となっている。順位が入れ替わったのは、ドイツとイタリアの3位と4位だけ。その他は上記ランキングと全く同じだ。ただし、“欧州5大リーグ”の占有率は90%を記録しており、上位リーグによる寡占化が進んでいることが分かる。
■CLベスト8進出回数 <クラブ別ランキング>
▼1位:15回
バルセロナ
▼2位:13回
バイエルン
▼3位:12回
レアル・マドリード
▼4位:10回
マンチェスター・U
▼5位:8回
チェルシー、ユヴェントス
▼7位:7回
リヴァプール
▼8位:6回
ミラン、アーセナル
▼10位:5回
インテル
▼11位:4回
ポルト、アトレティコ・マドリード、リヨン、パリ・サンジェルマン
▼15位:3回
マンチェスター・C、ドルトムント、モナコ、ベンフィカ、ローマ、デポルティーボ、バレンシア
▼22位:2回
トッテナム、アヤックス、シャルケ、ビジャレアル、PSV、ガラタサライ
▼28位:1回
レヴァークーゼン、マラガ、アポエル、ボルドー、パナシナイコス、セビージャ、ヴォルフスブルク、レスター、マルセイユ、シャフタール、CSKAモスクワ、フェネルバフチェ、リーズ
21世紀以降、CLベスト8に勝ち進んだ経験を持つクラブは40を数えた。トップに輝いたのはバルセロナで、2000-01シーズンから今季までの計19シーズンのうち15シーズンで“欧州8強”の地位を手に入れている。ちなみに、同クラブは13日のリヨン戦に勝利し、12年連続のベスト8入りを達成。今世紀におけるCL優勝回数は4回と、レアル・マドリードの最多5回に及ばないが、最も安定して好成績を残しているクラブと言える。
その他、CLベスト8進出回数が2ケタに達したのは、バイエルン(13回)、レアル・マドリード(12回)、マンチェスター・U(10回)の3クラブ。バルセロナを含めた彼らが、21世紀における“CL四天王”とでも言えるだろうか。
なお、直近5シーズンに限定した場合のランキングは以下のとおり。
▼1位:5回
バルセロナ
▼2位:4回
ユヴェントス、レアル・マドリード、バイエルン
▼5位:3回
マンチェスター・C、アトレティコ・マドリード
▼7位:2回
リヴァプール、ポルト、パリ・サンジェルマン、モナコ
▼11位:1回
マンチェスター・U、トッテナム、アヤックス、セビージャ、レスター、ドルトムント、ヴォルフスブルク、ローマ、ベンフィカ
ここ5シーズン連続でCLベスト8入りを果たしているのは、バルセロナだけ。その可能性があったレアル・マドリードとバイエルンは今回、ベスト16で涙を呑んだ。また、上記ランキングで5位に入ったユヴェントスとチェルシーも明暗が分かれた。前者がここ5シーズンで4度の8強進出を果たしているのに対して、後者は2013-14シーズンのベスト4進出を最後にベスト16の壁を乗り越えることができていない。チェルシーは今季、ヨーロッパリーグに参戦中だが、再び欧州最高峰の舞台に戻ってこられるのか注目が集まる。
なお、<国別ランキング>でもその傾向が見てとれたように、近年のCLは一部の勢力による寡占化が進んでいる。ここ5年間をトータルで見ると、ベスト8の中にバルセロナ、ユヴェントス、レアル・マドリード、バイエルン、マンチェスター・C、アトレティコ・マドリードの6クラブが占めた割合は57.5%に及ぶ。彼らはCLベスト8の“常連クラブ”と言え、ここ6シーズンの欧州王者もこの中から生まれている。ただ今大会に限れば、ベスト8に勝ち残ったのは、バルセロナ、ユヴェントス、マンチェスター・Cの3クラブだけであり、これまでとは一味違ったクライマックスを迎えることになるかもしれない。
(記事/Footmedia)
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