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手が届かなかった“欧州王者”…CL優勝を逃した10人のレジェンドたち

2019.05.28

[写真]=Getty Images

 2018-19シーズンのチャンピオンズリーグCL)決勝が6月1日に迫っている。サッカー選手であれば誰もが憧れる欧州制覇。しかし、その栄光を掴みとれるのは一握りの選手であり、輝かしいキャリアを歩んできたとしても頂点に立てるわけではない。

 そこで今回は、サッカー界で数々の伝説を作りながら、なぜか“ビッグイヤー”に見放されてきた名手を10名紹介する。

写真=ゲッティイメージズ

ミヒャエル・バラック(元ドイツ代表MF)


CLに出場したクラブ:カイザースラウテルン、レヴァークーゼン、バイエルン、チェルシー

ドイツ史上最高のサッカー選手の一人として名を残すバラックだが、ビッグイヤーとはなぜか縁がなかった。2001-02シーズンには、レヴァークーゼンのエースとしてCL決勝進出を果たしたものの、レアル・マドリードに敗れて準優勝。ジネディーヌ・ジダンによる伝説のボレーが戴冠を阻んだ。その6年後には、チェルシーの一員として再びCLファイナルの舞台に立ったものの、PK戦の末に敗れて2位に甘んじた。プレミアリーグやブンデスリーガでの優勝経験はあるものの、“シルバーコレクター”という不名誉な異名を拭い去ることはできなかった。

パトリック・ヴィエラ(元フランス代表MF)


CLに出場したクラブ:アーセナル、ユヴェントス、インテル

フランス代表では、1998年のワールドカップと2000年のユーロで優勝を経験。アーセナルでは、2003-04シーズンにプレミアリーグ無敗優勝、インテルではセリエA4連覇を成し遂げるなど、2011年に現役を退くまで様々なタイトルを獲得した。しかし、CLだけは優勝に手が届かず。2000年にはアーセナルの中心選手としてUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)の決勝まで勝ち上がったものの、PK戦でネットを揺らせなかったうえ、ガラタサライに敗れて優勝を逃した。

パヴェル・ネドヴェド(元チェコ代表MF)


CLに出場したクラブ:スパルタ・プラハ、ラツィオ、ユヴェントス

現在、ユヴェントスの副会長を務めるネドヴェドもビッグイヤーに縁がなかった名手の一人。同クラブで出場した2002-03シーズンのCLでは決勝進出を果たしたものの、準決勝のレアル・マドリード戦で累積2枚目となるイエローカードを貰ったため、ファイナルは出場停止で出られなかった。チームもオールド・トラッフォードでミランに敗戦。その年の終わりにはバロンドールを受賞したが、「僕はこの賞を、喜んでCLのタイトルと取り替える」とコメントした。

リリアン・テュラム(元フランス代表DF)


CLに出場したクラブ:モナコ、パルマ、ユヴェントス、バルセロナ

フランス代表の歴代最多出場記録を保持するテュラムは、ネドヴェドが出場できなかった2002-03シーズンのCL決勝に右サイドバックとして先発。しかし、PK戦でミランに敗れてビッグイヤーを獲得することはできなかった。その5年後には、バルセロナの一員として準決勝でマンチェスター・Uと対戦。しかし、フランク・ライカールト監督に出番を与えられず、チームは敗退した。当時22歳だった1993-94シーズンにも、アーセン・ヴェンゲル監督の率いたモナコで4強進出を果たしてはいるが、頂点に立つ夢は叶わなかった。

ルート・ファン・ニステルローイ(元オランダ代表FW)


CLに出場したクラブ:PSV、マンチェスター・U、レアル・マドリード

マンチェスター・Uに所属していた当時、3度(2001-02、2002-03、2004-05シーズン)にわたって“CL得点王”に輝いたが、欧州制覇を成し遂げることはできなかった。CL通算56ゴールは、優勝経験がない選手のなかで最も多い記録となっている。CLでの自己最高成績は2001-02シーズンのベスト4。このときにはバラック擁するレヴァークーゼンに準決勝で敗れ去った。

ロナウド(元ブラジル代表FW)


CLに出場したクラブ:インテル、レアル・マドリード

ユヴェントスに所属するポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドは、これまでに5度のCL優勝を経験しているが、“元祖ロナウド”こと元ブラジル代表FWロナウドは一度もビッグイヤーを手にしないまま現役を引退した。2002-03シーズン、「銀河系軍団」と呼ばれたレアル・マドリードでベスト4進出を果たしたのが自己最高成績。現役生活で悔いが残ることとして、CLで優勝できなかったことを挙げており、「CLで優勝できなかったことを考えると心が落ち着かない。間違いなく、誰もが手にしたいと思うトロフィーだからね」とコメントしている。

エルナン・クレスポ(元アルゼンチン代表FW)


CLに出場したクラブ:パルマ、ラツィオ、インテル、チェルシー、ミラン

2002年の日韓ワールドカップにも出場した名ストライカーは、インテルとチェルシーで2年連続ベスト4に終わったあと、2004-05シーズンにミランと共に念願のCL決勝進出を果たす。トルコのイスタンブールで行われた決勝戦では、自身の2ゴールにより前半を終えてミランが3-0とリード。誰もが勝負の行方に決着がついたと思ったが、後半に入ってリヴァプールの猛反撃を受け、まさかの大逆転負けを喫した。あのときの悲劇は一生忘れられないだろう。

フランチェスコ・トッティ(元イタリア代表FW)


CLに出場したクラブ:ローマ

ローマの“イル・プリンチペ(王子様)”としてクラブ一筋を貫き、2000-01シーズンにはセリエAで優勝。またイタリア・サッカー界の象徴として、2006年にはワールドカップ優勝を果たした。しかし、CLでの最高成績は、2006-07シーズンと2007-08シーズンのベスト8。輝かしいキャリアを思えば物足りなさは否めない。しかし、2014年11月に38歳と59日(当時)でゴールを挙げて、CLの最年長得点記録を更新。今もこの記録は破られていない。

ズラタン・イブラヒモヴィッチ(元スウェーデン代表FW)


CLに出場したクラブ:アヤックス、ユヴェントス、インテル、バルセロナ、ミラン、パリ・サンジェルマン、マンチェスター・U

2001-02シーズンにアヤックスでエールディヴィジ優勝を成し遂げてから2018年にマンチェスター・Uを退団するまで、キャリア17年間で14度のリーグ優勝を経験。マンチェスター・Uを除くすべてのクラブで国内王者に輝き、“優勝請負人”と称された。しかし、CLでは決勝まで勝ち進んだこともなく、得点王のタイトルとも無縁だった。37歳となった今はアメリカを拠点に現役生活を続けているが、この先ヨーロッパに戻ってきて、再度、欧州制覇を目指すことはあるのか注目される。

ジャンルイジ・ブッフォン(元イタリア代表GK)


CLに出場したクラブ:パルマ、ユヴェントス、パリ・サンジェルマン

サッカーの歴史上、最も偉大なGKの一人であるブッフォンほど、ビッグイヤーに“飢えている”選手はいないかもしれない。2002-03シーズン、2014-15シーズンとCL決勝進出を果たしたが、ミラン、バルセロナに敗れて準優勝。さらに2016-17シーズンも、決勝でレアル・マドリードに敗れて“3度目の正直”とはならなかった。パリ・サンジェルマンに移籍した今季はベスト16で大逆転負けを喫するなど、サッカーの神様は試練を与え続けている。

(記事/Footmedia

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