夢半ばで敗れたものの、彼らはCLで大きなインパクトを残した [写真]=Getty Images
今季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)も、いよいよ決勝戦を残すのみとなった。ビッグイヤーを懸けて激突するのは、トッテナムとリヴァプール。アトレティコ・マドリードの本拠地『エスタディオ・メトロポリターノ』が舞台となる決戦は、6月1日(日本時間28時)にキックオフを迎える。
トッテナムとリヴァプールが決勝に勝ち進む一方で、ハイレベルな戦いを続けながらもCLに別れを告げたクラブや、戦力では他クラブに劣るものの、驚きの粘りを見せたクラブたちの存在も忘れるわけにはいかない。本記事では、今季のCLで印象的な活躍を披露した“グッドルーザー”たちを紹介する。
ツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア)
《グループステージ成績》
△ 0-0 ナポリ(H)
● 1-6 パリ・サンジェルマン(A)
● 0-4 リヴァプール(A)
〇 2-0 リヴァプール(H)
● 1-3 ナポリ(A)
● 1-4 パリ・サンジェルマン(H)
⇒1勝1分4敗 グループC・4位
日本では「レッドスター・ベオグラード」という呼び方でお馴染みのツルヴェナ・ズヴェズダ。パリ・サンジェルマン、リヴァプール、ナポリと同居したグループステージでは苦しい戦いを強いられ敗退を余儀なくされたが、ホームでのリヴァプール戦では輝きに満ちたプレーを披露した。ミラン・パヴコフが2ゴールを奪取すると、サディオ・マネやモハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノら強力なアタッカーにゴールを割らせず、2-0と勝利を収めた。
敵将・ユルゲン・クロップはツルヴェナ・ズヴェズダを手放しで称賛。「私たちは(完敗を)認めなければならないよ。おめでとう、レッドスター。彼らは3ポイントを勝ち取った」とコメントを残している。
ヤングボーイズ(スイス)
《グループステージ成績》
● 0-3 マンチェスター・U(H)
● 0-3 ユヴェントス(A)
△ 1-1 バレンシア(H)
● 1-3 バレンシア(A)
● 0-1 マンチェスター・U(A)
〇 2-1 ユヴェントス(H)
⇒1勝1分4敗 グループH・4位
スイスの首都ベルンを本拠地とするヤングボーイズは、今季クラブ史上初めてCLの舞台に足を踏み入れた。黄色と黒のユニフォームが印象的なこのクラブは、グループステージでユヴェントス、マンチェスター・U、バレンシアら強豪と同組に。2連敗で迎えた第3戦のホーム・バレンシア戦を1-1で引き分け、初の勝ち点を獲得した。
彼らが最も輝いたのは、グループステージ敗退が決まった後の最終節・ユヴェントス戦だった。ギョーム・オアロが2ゴールを挙げると、イタリア王者の反撃を1点に抑え、歴史的な勝利を収めたのだ。ユヴェントスがメンバーをほとんど落とさず、グループステージ首位通過を懸けてテンション高く試合に臨んできたことを考えると、ヤングボーイズの勝利はより価値が上がることだろう。
マンチェスター・C(イングランド)
《グループステージ成績》
● 1-2 リヨン(H)
〇 2-1 ホッフェンハイム(A)
〇 3-0 シャフタール(A)
〇 6-0 シャフタール(H)
△ 2-2 リヨン(A)
〇 2-1 ホッフェンハイム(H)
⇒4勝1分1敗 グループF・1位
《ラウンド16》
○ 3-2 シャルケ(A)
○ 7-0 シャルケ(H)
⇒2戦合計 10-2で準々決勝進出
《準々決勝》
● 0-1 トッテナム(A)
○ 4-3 トッテナム(H)
⇒2戦合計 4-4(アウェイゴール差)で準々決勝敗退
名将ジョゼップ・グアルディオラに率いられたマンチェスター・Cは、グループステージ初戦のリヨン戦こそ黒星が付いたものの、以降は一度も敗れることなく4勝1分1敗で首位通過を決めた。
ラウンド16ではシャルケを相手に2戦合計10-2と大勝。ラヒーム・スターリングとレロイ・サネがサイドを切り刻み、ベルナルド・シルヴァが華麗なテクニックを見せ、セルヒオ・アグエロが冷徹にネットを揺らした。「今年の“ザ・シチズンズ”はCL優勝も夢ではない」と、多くの人が期待と関心を寄せたことだろう。
トッテナムとの同国対決となった準々決勝は、アウェイゴールが差を分けた。マンチェスター・Cは敵地での1st legでゴールネットを揺らせず、逆に本拠地『エティハド・スタジアム』では3失点を喫した。トータルスコアでトッテナムを上回れば問題はなかったが、2戦合計スコアは4-4。僅かな差で準決勝進出を逃した。
とはいえ、水色のユニフォームを身に纏った選手たちが、攻撃的かつスピーディなサッカーで私たちを魅力してくれたことは間違いない。
アヤックス(オランダ)
《グループステージ成績》
〇 3-0 AEKアテネ(H)
△ 1-1 バイエルン(A)
〇 1-0 ベンフィカ(H)
△ 1-1 ベンフィカ(A)
〇 2-0 AEKアテネ(A)
△ 3-3 バイエルン(H)
⇒3勝3分0敗 グループE・2位
《ラウンド16》
● 1-2 レアル・マドリード(H)
○ 4-1 レアル・マドリード(A)
⇒2戦合計 5-3で準々決勝進出
《準々決勝》
△ 1-1 ユヴェントス(H)
○ 2-1 ユヴェントス(A)
⇒2戦合計 3-2で準々決勝進出
《準決勝》
〇 1-0 トッテナム(A)
● 2-3 トッテナム(H)
⇒2戦合計 3-3(アウェイゴール差)で準決勝敗退
今季のCLを大いに盛り上げたのは、オランダの名門アヤックスだった。アンドレ・オナナやマタイス・デ・リフト、フレンキー・デ・ヨングやドニー・ファン・デ・ベークら有望な若手に、デイリー・ブリントやラセ・シェーネ、ハキム・ツィエクやドゥシャン・タディッチら経験ある選手たちが見事に融合。そして、バイエルンで研鑽を積み、ジョゼップ・グアルディオラの哲学を吸収したエリック・テン・ハーグが、指揮官として個性豊かな選手たちの長所を引き出してきた。
グループステージを3勝3分の無敗で突破したアヤックスは、ラウンド16で大きなサプライズを提供する。CLで前人未到の3連覇を達成していたレアル・マドリードを、2戦合計スコア5-3で破ってみせたのだ。
アヤックスの快進撃は続く。準々決勝ではクリスティアーノ・ロナウド擁するユヴェントスと対戦。『ヨハン・クライフ・アレナ』での1st legを1-1で終えると、敵地での2nd legでファン・デ・ベークとデ・リフトがネットを揺らし、2-1と勝利を飾る。2戦合計スコア3-2と僅差の勝負を制し、準決勝に進出した。
決勝進出を懸けた戦いの相手は、トッテナム。1st legではまたもファン・デ・ベークが貴重なアウェイゴールを奪取し、1-0で接戦を制した。
だが、2nd legに落とし穴が待っていた。前半のうちに2ゴールを奪い、トータルスコアで3-0と大きなリードを得たにもかかわらず、後半にルーカス・モウラにハットトリックを許してしまう。2戦合計スコアは3-3と並んだが、アウェイゴールの差で準決勝敗退が決定。23年ぶりのCL決勝進出の夢は、儚く消えた。
試合終了後、アヤックスイレブンはピッチに崩れ落ち、まさかの結末に呆然とその場に佇んだ。しかし、彼らが体現した攻撃的なスタイルと清々しい戦いぶりは、人々の胸にたしかに刻まれたことだろう。
文=松本武水
写真=Getty Images
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