[写真]=Getty Images
“ハズレ”がない唯一のグループかもしれない。全ての試合がワクワクするのだ。そう言い切れるのは、欧州屈指の攻撃サッカーを繰り広げるリヴァプールとナポリのおかげではなく、3名の日本人選手のおかげだ。
ザルツブルクの南野拓実と奥川雅也、そしてヘンクの伊東純也。彼らがアンフィールドやスタディオ・サン・パオロのような世界的なスタジアムで躍動する姿、いやゴールを奪う姿を想像するだけで興奮する。だから、どの試合も楽しみで仕方ないのだ。
上位2位は固いリヴァプールとナポリ
ただ、実力だけを見ればリヴァプールとナポリが突出しており、この2強がチャンピオンズリーグ(CL)・グループステージで敗退することは考え辛い。特に王者リヴァプールは安泰だろう。そう言い切れるほど戦力が充実している。
ヨーロッパを震え上がらせたロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、モハメド・サラーの強力3トップは健在だ。そしてDFとして史上初めてUEFA最優秀選手に輝いたフィルジル・ファン・ダイクが統率する守備にも隙がない。マンチェスター・Cとの国内リーグのつば迫り合いを意識しながらでも、グループステージは難なく突破するだろう。そして3年連続となるCL決勝進出も決して夢ではない。
一方でナポリは、昨シーズンもリヴァプールと同組に入り、対戦成績は1勝1敗。直接対決は五分の成績だったが、パリ・サンジェルマンも同居したため3位に甘んじた。しかし今季の顔ぶれならば2位以上は確保できるだろう。
攻撃面は、年を重ねるごとに切れ味が増すFWロレンツォ・インシーニェを中心に、今季はPSVからメキシコ代表のFWイルビング・ロサノも加入した。これで攻撃のスピードと選択肢が一段と増すだろう。そこにギリシャ代表DFコスタス・マノラスまで加わり、攻守のバランスまで強化された。
CL初挑戦の日本人選手たち
この2強に、わずかとはいえ割って入る可能性があるとすればザルツブルクだ。彼らは本当に長い道のりだった。幾度となく挑戦し、その度に予選で跳ね返されてきた。そして、ようやくCLグループステージの舞台に立つことができるのだ。彼らがCL本戦に出場するのは、初挑戦の1994-95シーズン以来のこととなる。
当然、注目すべきは日本人2名と韓国代表FWファン・ヒチャンといったアジア人なのだが、そこはリヴァプールのマネやナビ・ケイタなどが所属したクラブである。19歳のマリ代表FWセク・コイタのようなアフリカの才能からも目が離せない。そして彼らには、どうしてもナポリに負けられない理由がある。昨季のヨーロッパリーグ・ラウンド16で、ナポリに2戦合計3-4で敗れており、その時の借りを返さなくてはいけないのだ。
苦しい戦いが予想されるのは、これが3度目のCLグループステージ挑戦となるヘンクだ。過去2度はいずれもグループ最下位での敗退を余儀なくされており、今回も同じ運命を辿る可能性が高い。当然、攻撃の要になるのは日本代表の伊東純也である。彼の突破力がどこまで通用するのか、特にリヴァプール戦では、左サイドバックを務めるアンドリュー・ロバートソンとのマッチアップから目が離せない。他にも“ルーマニアの英雄”ゲオルゲ・ハジの息子で新加入のMFヤニス・ハジ(20歳)も楽しみ選手だし、得点源のFWムブワナ・サマッタはタンザニア史上初のCLデビューを飾ることになるので注目だ。
グループステージ初戦では、日本人対決にして、生き残りをかけたサバイバルマッチ、「ザルツブルク対ヘンク」が組まれている。ひとまず、これに勝った方が2強への挑戦権を得るのだろう。リヴァプールとナポリの“当確”は変わらないと思うが、日本のサムライが欧州の名だたる2チームにどこまで太刀打ちできるのか、そこだけでも楽しみなグループだ。
※選手情報、出場試合数、試合結果などは9月14日時点のものです。
(記事/Footmedia)
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