[写真]=Getty Images
現地時間11日に行われるチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグでは、パリ・サンジェルマンがドルトムントをホームに迎え撃つ。
2月18日に行われた1stレグでは、ドルトムントが先勝。ホームで2-1の勝利を収めた。果たして、パリ・サンジェルマンの逆転はあるのか。ここでは、欧州サッカー連盟(UEFA)の公式サイト『UEFA.com』の情報をもとに、知っておきたい8つのトピックを紹介する。
1. 9シーズンぶりの対戦
欧州カップ戦で両チームが相まみえるのは、9シーズンぶり2度目のこと。2010-11シーズンのヨーロッパリーグ・グループステージで同組だったときには、それぞれのホームで試合を行い、いずれもドローに終わっていた。それゆえ、3度目の対戦となった今回の1stレグで、初めて決着がついたことになる。4度目の対戦を制するのは、果たしてどちらか。
2. 打ち合い必至!?
パリ・サンジェルマンとドルトムントの一戦は、今大会の決勝トーナメント1回戦で最も得点が期待できるカードだ。今シーズンのリーグ戦における平均得点は、パリ・サンジェルマンが「2.78」(27試合75得点)、ドルトムントが「2.72」(25試合68得点)となっており、その合計値「5.50」は他のどのカードよりも高い。1stレグで得点を挙げたノルウェー代表FWアーリング・ハーランドとブラジル代表FWネイマールはもちろん、イングランド代表FWジェイドン・サンチョやフランス代表FWキリアン・エンバペも虎視眈々とゴールを狙っており、打ち合いが期待できそうだ。
3. 昨季は両チームともラウンド16で敗退
両チームともに昨シーズンのCLは決勝トーナメント1回戦で敗退。パリ・サンジェルマンはマンチェスター・ユナイテッドに敗れ、ドルトムントはトッテナムに完敗と、イングランド勢に苦杯をなめた。パリ・サンジェルマンにとっては、3大会連続の決勝トーナメント1回戦敗退。しかも、2016-17シーズンのバルセロナ戦と同じように、大逆転負けを喫しての敗退だった。選手たちにトラウマが残っているかどうかは定かではないが、決勝トーナメント1回戦は“鬼門”と言っていい。なお、欧州カップ戦で決勝トーナメント1回戦を戦った過去8回のうち、ベスト8に勝ち上がれたのは4回。突破率は50パーセントとなっている。負の連鎖を断ち切ることはできるだろうか。
4. ドイツ勢を得意とするPSG
1stレグを落としたものの、パリ・サンジェルマンはドイツ勢を得意としている。決勝トーナメントでの戦いとなると、最近では2008-09シーズンのUEFAカップ(現EL)ラウンド32でヴォルフスブルク、そして2013-14シーズンのCL決勝トーナメント1回戦でレヴァークーゼンと対戦し、両大会で勝ち抜けに成功。またドイツ勢を相手にしたホームゲームは、過去7試合で6勝1分けと負けがない。2017年9月には、バイエルンをホームに迎えて3-0の勝利を収めた。今回も相性の良さを発揮したいところだ。
5. 1stレグ「1-2」は不吉なスコア?
欧州カップ戦で、パリ・サンジェルマンがアウェイでの1stレグに敗れたのは過去8回。その後、逆転での勝ち抜けに成功したのは5回を数える。ただし、直近の2回は敗退を余儀なくされており、2017-18シーズンのCL決勝トーナメント1回戦では、レアル・マドリードを相手に1-3、1-2と2連敗を喫して大会から姿を消した。なお、今回は「1-2」のスコアで1stレグを落としたが、これも不吉な数字だ。アウェイでの1stレグを同スコアで落とした場合、次ラウンドへの突破を決めたことがない。1992-93シーズンのUEFAカップ(現EL)準決勝ではユヴェントス、2010-11シーズンのELラウンド16ではベンフィカを相手に逆転とはならなかった。このジンクスを断ち切ることができるだろうか。
6. 内弁慶のドルトムント
ドルトムントはホームでの1stレグに先勝したが、まだ安心はできない。彼らは“内弁慶チーム”だからだ。今シーズン、ここまでで敗戦を喫したのはすべてアウェイゲーム(7敗)。ホームでは無敗を誇るが、敵地に赴くとその強さを発揮できていない。欧州カップ戦においてもその傾向は変わらず、アウェイゲームは最近15試合でわずか3勝(4分け8敗)。CL決勝トーナメントのアウェイゲームは現在5連敗中だ。ただし、1点リードしている状況でこの2ndレグを迎えることから、様々な戦い方が想定できる。アウェイゴールを狙いにいくのか、それとも失点回避を優先するのか。ルシアン・ファブレ監督の采配に注目が集まる。
7. トゥヘルはドルトムントが苦手
パリ・サンジェルマンも、トーマス・トゥヘル監督がキーパーソンとなりそうだ。今カードは2017年まで率いた古巣との対戦になるが、実はトゥヘル監督はドルトムントを苦手としている。敵将として戦った過去11試合の成績は1勝2分け8敗。10試合以上の対戦歴がある相手の中では、最も勝率が低い。唯一の勝利は、マインツの監督として臨んだ2010年4月の試合にまでさかのぼる。ちなみに、バイエルンに対しては過去5勝をマーク。うち3勝はマインツの監督時代に記録したもので、相性はそれほど悪くなかった。“天敵”である古巣から勝利をもぎ取ることはできるだろうか。
8. 予想オッズは?
日本時間11日正午時点で、英国大手ブックメーカーの『ウィリアム・ヒル』はパリ・サンジェルマンの勝利に「1.83倍」、ドルトムントの勝利に「3.75倍」、ドローに「4.2倍」というオッズをつけている。やはりホームチームが優勢と見られているが、準々決勝への勝ち抜けオッズを見ると立場は逆転。パリ・サンジェルマンは「2倍」、ドルトムントは「1.8倍」と、ドルトムント勝ち抜けの可能性が高いと予想されている。この試合は新型コロナウイルスの影響で無観客での開催になることが決まっており、パリ・サンジェルマンが本来手にするはずのアドバンテージがないことも考慮されているのかもしれない。独特の雰囲気の中でプレーするだけに真の実力が問われることになりそうだ。
(記事/Footmedia)
By Footmedia