「日本人対決」、「初の100ゴール」……4月に成し遂げられた過去の偉業（チャンピオンズリーグ編）

　新型コロナウイルスの感染拡大により、サッカー界でも多くの活動が中断を余儀なくされている。ただ、本来であれば、4月は欧州主要リーグのシーズンクライマックスにあたる。優勝争いが佳境を迎え、各国で様々な記録が樹立される時期だ。

　欧州最高峰の戦いが繰り広げられるチャンピオンズリーグ（CL）でも、4月には数多くの記録が生まれてきた。今回はその中から、記憶にも残る偉業を5つ紹介しよう。

◆初の日本人対決

　今から9年前。2011年の4月には、CLの舞台で初の日本人対決が実現した。長友佑都を擁するインテルと内田篤人を擁するシャルケが準々決勝で対戦。日本代表サイドバック同士のマッチアップとしても大きな注目を集めた。

　シャルケは5日に行われたアウェイでのファーストレグで5－2の大勝を飾ると、13日に行われたホームでのセカンドレグも2－1で勝利。内田は両試合ともにフル出場を果たし、クラブ史上初の欧州4強進出に貢献した。一方の長友は、第1戦は途中出場、第2戦はフル出場を果たしたが、前年にクラブ史上初の3冠を達成していたインテルは2戦合計3－7で敗れ、連覇の夢が潰えた。

　いずれにせよ、日本サッカーを代表する選手同士が欧州最高峰の舞台で激突したことは、後世に語り継がれていくことだろう。

◆クロップがペップに3勝

　ユルゲン・クロップとジョゼップ・グアルディオラ。現代サッカーをけん引する2人の名将は、これまでに幾度となく対戦してきたが、2017－18シーズンは“クロップの圧勝”と言っても過言ではない1年だった。

　両指揮官はそれぞれのホームゲームを制したプレミアリーグに加えて、CL準々決勝でも激突。すると、本拠地アンフィールドでのファーストレグを3－0で勝利したリヴァプールが、敵地でのセカンドレグも2－1と逆転勝利。この瞬間、クロップはグアルディオラから1シーズンに“3勝”を挙げた初めての指揮官となった。2018年4月10日のことである。その後も名勝負を繰り広げる両指揮官は、昨年11月にLMA（リーグ監督協会）の殿堂入りを果たした。

◆予選2回戦から4強進出

　昨年4月、CL初の快挙を達成したのがアヤックスだ。彼らは予選2回戦から登場すると、グループステージ、そして決勝トーナメントへと駒を進め、ベスト4進出を果たした。予選2回戦から準決勝進出は大会史上初の快挙だった。

　CLだけで、実に18試合を消化。これはリーグ戦の半分以上にあたる（エールディヴィジは全34試合制）。またグループステージではドイツ王者のバイエルン、決勝トーナメント1回戦では欧州王者のレアル・マドリード、そして準々決勝ではイタリア王者のユヴェントスを撃破するなど、王者キラーぶりを発揮した。アウェイゴールの差でトッテナムに敗れて決勝進出を逃したものの、ヤングスターたちが欧州最高峰の舞台で旋風を巻き起こした。

◆史上初の100ゴール

　サッカー界の記録を次々に塗り替えてきたクリスティアーノ・ロナウドが、CL史上初となる通算100ゴールを達成したのも4月だ。

　2017年の4月18日、当時レアル・マドリードに所属していたC・ロナウドは、準々決勝セカンドレグのバイエルン戦でハットトリックを達成。大会史上初めて、通算得点数を3桁に乗せた。ちなみにCL初ゴールを記録したのも4月。マンチェスター・Uに在籍していた2007年4月10日、ローマとの準々決勝セカンドレグでCL初得点を含む2ゴールを決めた。

　快挙を達成した後も勢いを緩めることなくゴールを積み重ねており、現在の得点数は「128」。2位のリオネル・メッシに14ゴール差をつけてトップに立っている。

◆鉄人ミルナーも

　C・ロナウドは1大会における最多得点記録も保持しており、2013－14シーズンに17ゴールを奪った。では、アシスト王は誰なのか――。1大会のアシスト記録を保持するのは、リヴァプールのジェイムズ・ミルナーである。

　2018年4月24日、準決勝ファーストレグでローマと対戦すると、シーズン9つ目となるアシストを記録。2003－04シーズンに現行フォーマットが採用されて以降、ウェイン・ルーニーとネイマールが保持していた8アシストという大会記録を塗り替えた。

　なおミルナーは、プレミアリーグで通算84アシストをマーク。これは歴代8位の数字であり、現役選手の中では、マンチェスター・Cのダビド・シルバ（89アシスト）に次ぐ記録となっている。

（記事／Footmedia）