GKプロヴェデルがラツィオを敗北から救う [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)・グループE第1節が19日に行われ、ラツィオ(イタリア)とアトレティコ・マドリード(スペイン)が対戦した。
2020-21シーズン以来3年ぶりのCL出場権を掴み取ったラツィオは、今季ここまでセリエAで1勝3敗と苦しいスタートを強いられている。今夏のマーケットで加入した鎌田大地は昨季もフランクフルト(ドイツ)でCLに参戦しており、個人として2シーズン連続のCLに挑戦する。対するアトレティコ・マドリードは11シーズン連続のCL出場。昨季はグループステージ敗退の憂き目を見ており、今季は欧州の舞台で巻き返しを狙うシーズンだ。
今季のCLの初陣に向けて、ラツィオを率いるマウリツィオ・サッリ監督は鎌田、ルイス・アルベルト、チーロ・インモービレらの主力を先発として送り出した。一方、選手時代に在籍していた古巣との対決に臨むディエゴ・シメオネ監督は、マルコス・ジョレンテ、アントワーヌ・グリーズマン、アルバロ・モラタらをスターティングメンバーにチョイスしている。
試合は立ち上がりからアトレティコ・マドリードがボールを保持する時間が続いたが、10分を過ぎた頃からラツィオが自陣からの丁寧なビルドアップで押し込んでいく時間が続く。12分にはL・アルベルトからの斜めのパスを鎌田がフリックし、インモービレが落とすと、鎌田がミドルシュート。右足で狙った低弾道の一撃はGKヤン・オブラクにキャッチされた。
その後は徐々にラツィオがゴールに迫るシーンを作っていく。25分、敵陣左サイドでフリーキックを獲得すると、距離のある位置だったがマッティア・ザッカーニが直接狙う。強烈な一撃は枠を捉えたが、GKオブラクが弾き出した。続く28分にはアダム・マルシッチからのアーリークロスをL・アルベルトがダイレクトで狙ったものの、強烈なボレーシュートはわずかにゴール右へ外れている。
対するアトレティコ・マドリードは29分、敵陣に押し込んだ状態でステファン・サヴィッチが右サイドへロングボールを供給。反応したナウエル・モリーナが切り返してマイナス方向へ繋ぐと、走り込んできたパブロ・バリオスが右足を振り抜く。強烈なミドルシュートは鎌田に当たってコースが変わり、そのままゴール方向へ。GKイヴァン・プロヴェデルは反応できず、アトレティコ・マドリードが先手を取った。
37分にはラツィオにアクシデント。直前のプレーでモリーナからのスライディングタックルを受けたルカ・ペッレグリーニがプレー続行不可能となり、マヌエル・ラッツァーリとの交代を強いられた。その後もラツィオがボールを保持する時間が続いたが、前半はこれ以上スコアが動かず、アトレティコ・マドリードの1点リードでハーフタイムに突入している。
後半に入ると立ち上がりの50分、右サイドに流れたグリーズマンからサウール・ニゲスを経由し、最後はアクセル・ヴィツェルがミドルシュートを狙うも、ここはGKプロヴェデルにセーブされる。その後はラツィオが攻撃する時間が続き、55分にはGKオブラクからのフィードが短くなったところをフェリペ・アンデルソンがカット。頭で繋ぐと、ボックス内で待っていたインモービレにチャンスが到来したが、ここはGKオブラクが自らのセーブで難を逃れた。
66分にはアトレティコ・マドリードがセットプレーからチャンスを作る。グリーズマンが左足で上げた浮き球のクロスボールは跳ね返されたものの、こぼれ球を拾ったモラタが右足でシュート。だが、ディフレクションした一撃はポストを叩き、アトレティコ・マドリードはリードを広げることができなかった。
時間の経過とともに両チームチャンスの数を増やしていく。71分にはペナルティエリア左で右からの折り返しを受けたサムエウ・リーノがボレーシュートを放ったが、ここは飛び出してきたGKプロヴェデルがビッグセーブ。ホームチームのラツィオは72分、左サイド開いた位置から内側へ持ち運んだザッカーニが縦への突破から左足を振るも、ここはGKオブラクが弾き出している。
このまま試合終了かと思われた後半アディショナルタイム、ラツィオが遂にゴールをこじ開けた。ラストプレーと思われた左コーナーキックは跳ね返されたが、クリアボールを拾ったカタルディがマイナス方向へ繋ぎ、L・アルベルトが右足でクロスボールを放り込む。このボールに反応したのは、ラストプレーのコーナーキックのため攻撃に参加していたGKプロヴェデル。ストライカーのような動きでクロスボールに反応すると、ヘディングシュートでゴールネットを揺らした。“守護神”の一撃で、ラツィオが土壇場で試合を振り出しに戻した。
試合はこのままタイムアップ。ラツィオは最後の最後で勝ち点「1」をもぎ取った一方、アトレティコ・マドリードにとっては痛恨の逃げ切り失敗となった。鎌田は62分までプレーし、マテオ・ゲンドゥージとの交代でピッチを去っている。
次節は10月4日に行われ、ラツィオは敵地で古橋亨梧や前田大然ら5名の日本人選手が在籍しているセルティック(スコットランド)と、アトレティコ・マドリードは上田綺世が所属するフェイエノールト(オランダ)と、それぞれ対戦する。
【スコア】
ラツィオ 1-1 アトレティコ・マドリード
【得点者】
0-1 29分 パブロ・バリオス(アトレティコ・マドリード)
1-1 90+5分 イヴァン・プロヴェデル(ラツィオ)
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By サッカーキング編集部
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