100万人突破をアピールする「TEAM BEYOND」のメンバー
パラスポーツの普及と支援を目的としたイベント「BEYOND STADIUM(ビヨンド・スタジアム)」が1月26日に青山学院記念会館(東京都渋谷区)で開催され、東京都が2020年に向けてブラインドサッカーなど、パラスポーツをアピールした。
「BEYOND STADIUM」は、東京都が発足させたパラスポーツの応援プロジェクト「TEAM BEYOND(チーム・ビヨンド)」の一環として行われたもの。「TEAM BEYOND」にはイベント主催者である小池百合子・東京都知事を筆頭に、各界著名人やアスリート、企業から個人まで様々なメンバーが名を連ねている。
オープニングで小池知事は、「ダイバーシティ・東京を示す機会であるパラリンピックで成功することが2020の大会全体の成功につながる」と言明し、「TEAM BEYOND」のメンバーが100万人を超えたことを報告。お笑いコンビのアンガールズ、スポーツジャーナリストの中西哲生さんら駆けつけた他のメンバーと共に、さらなる人数拡大と支援を訴えた。
また、知事はブラインドサッカーについても言及。「がんばれーって観客が声を出すと、ボールがどこにあるのか聞こえなくなってしまいます。この機会に応援の仕方も覚えていただき、このスポーツの素晴らしさを知っていただきたい。そしてアスリートの皆さんを応援していこう、という気運を高めていきたい」と意気込んだ。
ブラインドサッカーの試合前にはアンガールズの田中卓志さんと元Jリーガーの中西さんがアイマスクを着用しながらのドリブルとシュートにチャレンジ。相方である山根良顕さんの適切なガイドもあって田中さんが見事にネットを揺らした一方で、田中さんのガイドでシュートを放った中西さんはこれをポストに当ててしまい、田中さんが中西さんをたしなめるという、通常のサッカーとの勝手の違いを物語る一幕があった。
試合は「松戸・乃木坂ユナイテッド」と「free bird mejirodai(フリーバード・メジロダイ)」という2つのクラブチーム間で勝敗が争われ、「free bird mejirodai」が鳥居健人選手や北郷宗大選手らの個人技を生かした攻撃的サッカーを展開。鳥居選手がドリブル突破から2ゴールを奪い、佐々木康裕選手と寺西一選手という2人の日本代表を擁する強豪に2-0で勝利した。
客席からは声を出すことが禁止されていたものの、事前にレクチャーのあったとおりに観客はタオルマフラーを回しながら応援し、ゴールが決まると「ワァー」と歓声を爆発させた。試合中は選手たちの声だけが飛び交い、全力疾走やスライディングといった勇気あるプレーの数々や、激しいボディコンタクト、シュートインパクトの音がズシリと重く鳴り響くなど、観客は想像以上の迫力や緊張感に驚いた様子だった。
中西さんはブラインド・サッカーについて、「制限があるからこそ、いろんな発見がある。齋藤学選手(川崎フロンターレ)は、ブラインドサッカーでの体験を通じて、ドリブルの姿勢を変えたそうです。パラスポーツのすごいところは、ハンデがあると思わずに、みんなが工夫しながら、スポーツを進化させているところ。それはまさに、普段の生活のなかに必要なことでもあります」とその魅力を語った。
そのほか、ボッチャの競技ではリオ・パラリンピック銀メダリストの廣瀬隆喜選手らアスリートによる白熱した試合が繰り広げられた。イベント途中には歌手の小浦杏奈さんやAKB48チーム8の6名による歌唱パフォーマンスも披露され、「TEAM BEYOND」のメンバーから公募で選ばれた約600人の観覧者を盛り上げた。
2020年8月25日に開幕を迎える東京パラリンピックまであと940日。「TEAM BEYOND」の今後の活動に注目していきたい。
By サッカーキング編集部
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