元FC東京のワンチョペはコスタリカ代表のコーチを務める [写真]=Getty Images
ブラジル・ワールドカップのベスト16でギリシャ代表と対戦し、コスタリカ代表はPK戦の末、史上初のベスト8進出を果たした。
後半途中にDFオスカル・ドゥアルテが退場し、以降は延長を含む約1時間を10人で戦ったにも関わらず、コスタリカはPK戦で5人のキッカー全員が成功を収め、勝利を手にした。
前日のブラジル対チリを見てもわかるように、PK戦は、どんな名手でも失敗は避けられない。だが、疲労困憊の中でコスタリカが勝利を収めた背景には、現代表のアシスタントコーチを務めるパウロ・ワンチョペの貢献があった。
ワンチョペは、かつてマンチェスター・シティーや、JリーグのFC東京でもプレーした元コスタリカ代表の英雄的ストライカー。現在は代表コーチとして主に攻撃面の指導を担当している。
コスタリカのニュースサイト『Crhoy.com』によれば、PK戦のキッカーについても、事前練習ですべて彼が決めていたという。さらに、彼の豊富な経験に基づくアドバイスが功を奏し、選手たちは疲労と重圧の中でも冷静に、自信を持ってPKに臨むことができたのだという。
ホルヘ・ルイス・ピント監督も、ギリシャ戦後のインタビューでこうコメントしている。
「(PK戦の前に)私は選手たちに、自信と冷静さを持つよう伝えた。PK戦にどう臨むかは、パウロ・ワンチョペと事前に決めていたからね。誰がキッカーを務めるのか、そしてどういう順番で蹴るのか。すべて試合前に準備できていた」
ただ、同国の一般紙『アルディア』によると、本番では一カ所だけ変更があったようだ。それは2番目のキッカーを務めたキャプテンのブライアン・ルイス。彼は筋肉系のケガを抱えていたためキッカーに選ばれていなかったが、自ら志願してPKに臨んだそうだ。
「最初はPKキッカーのリストに入ってなかったんだ。でも、パウロ(ワンチョペ)に蹴りたいと志願したんだ」
ルイスを含め、全キッカーがPKを成功させたコスタリカ。その背景には、“元Jリーガー”の入念な準備と指導があった。
(記事/Footmedia)