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イブラヒモヴィッチが極貧時代を告白「IKEAのベッドを父と運んだ」

2014.10.07

イブラヒモヴィッチは英紙のインタビューで幼少時代のエピソードを語った [写真]=Getty Images

 6日、英紙『ガーディアン』に、ズラタン・イブラヒモヴィッチの独占インタビューが掲載された。パリ・サンジェルマンのエースはそこで、父親との思い出を語っている。

 父はボスニア人で、母はクロアチア人。ズラタンはスウェーデンのマルメにある移民の町ローセンゴードで育ったが、暮らしは貧しく、少年時代はいわゆる“町の不良少年”だった。

「ローセンゴードの不良少年が、どうやって今の位置に辿り着いたかって? 当時は誰もそんなことができるなんて思っていなかった。誰もが、オレをただのビッグマウスだって見下していたし、クレイジーだと言われていた。だが、そうではなかった。今では誰もが前言を撤回している。それこそ、オレにとって本当の“トロフィー”なのさ」

 父セフィクは旧ユーゴスラビア内戦のトラウマを引きずって酒浸りだった。だが、彼にとってはかけがえのない家族だった。ある日、ズラタンのために、父がなけなしのお金を使ってベッドを買ってくれたことがあった。だが、IKEAから自宅までベッドを運ぶ配送料が支払えなかったのだという。

「オレたちは2人でベッドを家まで運んだよ。いい思い出さ。母と過ごした時間もあったが、ほとんどが父との時間だった。あるときは、父が給料を全部使って、オレをトレーニングキャンプに送り出してくれたこともあった。家賃だって支払えないのにね!」

 その他にも、ロングインタビューの内容は多岐にわたる。17歳でアーセナルのアーセン・ヴェンゲルから受けたトライアルの誘いを断った理由が「自分を証明してみろと言われるのが嫌いだった」からだというエピソード。「ストライカーにとって最も実力を試されるリーグ」であるセリエAについて。また、ペップ・グアルディオラ監督との間に確執があったバルセロナ時代に関しては、「ベストチームだったが、学校みたいに誰もが監督の言うことばかり聞いていた」と違和感を感じていたこと。インテル時代に出会ったジョゼ・モウリーニョが「出会った中で最も知的な監督」であるという見解や、さらには82年ぶりに代表最多ゴール記録を塗り替えたばかりのスウェーデン代表についても語っている。

 そして、かつて自叙伝で少年時代に“自転車泥棒”の常習だったことを明らかにしているイブラには、「あなたの息子が自転車を盗んだらどうしますか?」という質問も。

「徹底的に罰を与えるだろうね。たしかに、オレは過去にそれをやった。でも、当時の自分はコントロールされていなかった。自分の意志でそれをやったが、正しいことではなかった。今のオレにとっては、規律と尊敬が何より大事なんだ。18歳になったら、息子たちは好きなことをやっていい。だが、それまではうちの屋根の下にいるんだ。オレのルールに従ってもらうよ。時々、息子たちがオレのことをズラタンって呼ぶんだ。でも、オレはそれが好きじゃない。“パパ”と呼ばないといけない。家ではズラタンでありたくない。ひとりの父親でいたいからね」

 10月3日で33歳の誕生日を迎えた“悪童”は、いまや6歳と8歳の息子を持つ2児の父。まだ手にしていないチャンピオンズリーグのトロフィーを獲得し、母国のキャプテンとしてユーロ2016に出場するまで彼の冒険は終わらないが、貧困から這い上がり、数々のタイトルを獲得してきたイブラヒモヴィッチはすっかり大人の男になった。

「もし自分にちょっとでも可能性があると思うのなら、その人は成功することができる。オレはそんな人たちの見本になりたい。オレは環境に恵まれてこなかった。だから、不遇や不運を感じている人にこう伝えたい。自分を信じろ。可能性は常にある。すべでは自分次第。それがメッセージだ」

(記事/Footmedia

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