本田圭佑が絶好調だ。セリエA第7節ヴェローナ戦では2得点を決め、これで開幕7試合6ゴール。リーグ得点ランクのトップタイにつける活躍ぶりは、まさにミランのエースと呼ぶに相応しい。
そんな本田も、昨シーズンは大いに適応に苦しんだ。今年1月のミラン加入から数カ月は、本田よりもむしろ、同時期にQPRからレンタル加入したモロッコ代表MFアデル・ターラブトが評価を集めていた。
そんなターラブトは今夏、ミランへの完全移籍も噂されたが、最終的にプレミアへ復帰したQPRにレンタルバック。本田が2ゴールを決めたのと同じ19日、そのQPRはホームでリヴァプールと対戦したが、ピッチにも、ベンチにもターラブトの姿はなかった。
試合後、ある記者がQPRのハリー・レドナップ監督に記者が「ターラブトは負傷しているのか?」と尋ねた。答えは「ノー」。だが同時に、レドナップはこう怒りをあらわにした。
「残念なことに、フットボールができるフィットネスではない」
「彼は先日、リザーブの試合でプレーした。だが、私の方がよっぽど走れるくらいだった。私はトライする意欲を持った選手を選ぶ。そういう選手は毎日働き、練習し、しっかりとした振る舞いをするものだ。彼がそうなれば、試合に出ることになるだろう」
「練習の意欲がなく、3ストーン(約12kg)もオーバーウェイトの選手をかばうことはできない。高い給料をもらって練習できない選手なんてね」
今季ここまで、ターラブトがプレミアのピッチに立ったのは途中出場の2試合だけ。足首を痛めていた時期もあったが、出場機会激減の最たる理由は開幕前から指揮官が指摘し続けてきたコンディショニング不足であり、その改善が一向に見られない。そのため、元々は彼の天才的なひらめきと推進力を買っていたレドナップも、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまった。
昨シーズンの活躍を評価していたミランは、夏の時点では彼の再獲得に乗り気だったと言われている。QPRが高額な移籍金を求めたため完全移籍は実現しなかったが、その後もミランとのリンクは続いており、9月末の時点で、英紙『ミラー』や『デイリーメール』は冬の移籍マーケットで“再加入”する可能性を報じていた。しかし、ピッチに立てないターラブトに対し、もはや「ミランは興味を持っていない」とレドナップは断言する。
昨シーズンは本田のライバルだった。今シーズンも、1月にアジアカップでチームを離脱する本田の代役候補として期待された。しかし、意識や振る舞いを改めない限り、モロッコの気まぐれなドリブラーが再び“ロッソネロ(赤と黒)”のシャツに袖を通すことはなさそうだ。
(記事/Footmedia)