ハーバード大を蹴ってプロ選手に…FA杯でマンCを沈めたFWの驚くべき経歴

バンフォード

FA杯でマンCからゴールを挙げ大金星の立役者となったバンフォード [写真]=Getty Images

 FAカップ4回戦、プレミア王者マンチェスター・Cを相手にアウェーで2-0の勝利を飾り、世界中を驚かせた2部ミドルズブラ。この試合で先制ゴールを決め、2点目を生み出すきっかけにもなった21歳のFWパトリック・バンフォードが注目を集めている。

 ノッティンガム・フォレストの下部組織で育ったバンフォードは、2012年夏にチェルシーへと引き抜かれ、過去2シーズンはMKドンズ、ダービー・カウンティーにローン移籍。その間に各年代のイングランド代表にも名を連ね、今シーズンはミドルズブラにローン移籍して武者修行に励んでいる気鋭の若手ストライカーだ。

 それだけでも十分に才能を感じさせるが、バンフォードが注目を集める真の理由はここからだ。英紙『デイリー・メール』によれば、彼はフットボール以外にも多才な能力を備えた“スーパーエリート”なのだという。

 ノッティンガム・フォレストのユースアカデミーで育ったバンフォードは、英国のパブリックスクール(13~18歳の子供が通うエリート私立校)に通い、高校時代も成績優秀な生徒として有名だった。17歳の頃には、アメリカのハーバード大学から特待生としてビジネスや語学を学ばないかとオファーを受けたこともあった。

 しかし、あくまで「第一志望はフットボーラー」だった彼にとって、大学進学は“滑り止め”の進路にすぎなかった。無事ノッティンガム・Fと契約を交わすことになり、ハーバード大の誘いを蹴ったという逸話の持ち主なのだ。ドイツ語、フランス語も「日常会話程度ならOK」。現在はスペイン語の習得を「to DOリストに入れている」というインテリぶりだけでも驚きだが、彼の魅力はそれだけに留まらない。

 バンフォードはさらに、芸術的な才能も持ち合わせている。音楽が大好きな彼は、ピアノ、バイオリン、サックスと様々な楽器を演奏することができるという。そして、現在はボン・ジョヴィに憧れてオフにはギターの練習を欠かさないのだとか。ちなみに、ミドルズブラを勝利に導いたFAカップの前にエティハド・スタジアムを訪れたのはボン・ジョヴィのライブだったというのだから、そのロック愛は本物だ。

 数々の才能を持ちながら、「一番はフットボール」という姿勢はブレないバンフォード。チェルシーでの公式戦出場はまだなく、ローンから復帰してもジエゴ・コスタ、ディディエ・ドログバ、ロイク・レミといったライバルたちと定位置を争うのは簡単ではない。だが、ミドルズブラで今季ここまで公式戦10ゴールと急成長を見せている若者が、スタンフォード・ブリッジで喝采を浴びる日もそう遠くはないかもしれない。

(記事/Footmedia)

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