10代ベストイレブンに名を連ねた選手たち [写真]=Getty Images
若い才能が次々と台頭している近年のサッカー界。10代にしてビッグクラブに引き抜かれ、大舞台で活躍する選手も珍しくはない。
では、仮に10代の選手たちのみでベストイレブンを作ったらどのような顔ぶれになるのだろうか。イギリス誌『Four Four Two』がデータサイト『transfermarkt』の市場価値を参考に10代のベストイレブンを選出しているので見てみよう。
[写真]=Getty Images
◼︎GK
ガブリエル・スロニナ(19歳/チェルシー/アメリカ代表)
守護神を務めるのはアメリカの若きGKガブリエル・スロニナだ。昨年夏、チェルシーがシカゴ・ファイアーから1000万ドル(約14億円)で獲得したGKは、今年5月に開催されたU-20ワールドカップに出場し、チームのベスト8進出に貢献。全5試合に出場すると、ベスト16までの4試合連続でクリーンシートという堅守を誇った。
現在の市場価値は900万ユーロ(約14億円)で、10代のGKとしては世界最高額となっている。未だチェルシーではトップチームでの出場機会がないが、今年1月にはアメリカA代表のGKとしては最年少となる18歳でデビューを果たした。
■右サイドバック
リコ・ルイス(18歳/マンチェスター・C/U-21イングランド代表)
右サイドバック(SB)は、ここ1年で急成長を遂げたリコ・ルイスだ。推定市場価値2000万ユーロ(約31億円)の18歳は、昨年8月に17歳でマンチェスター・Cでのトップチームデビューを果たすと、昨シーズンはプレミアリーグ14試合で起用され、クラブの“トレブル”達成という歴史的快挙に貢献した。昨年11月にはチャンピオンズリーグ(CL)のセビージャ戦でプロキャリア初ゴールをマーク。「17歳346日」での得点は、マンチェスター・CにとってCLでの最年少ゴール記録となっている。
■センターバック
アントニオ・シウヴァ(19歳/ベンフィカ/ポルトガル代表)
ジョルジョ・スカルヴィーニ(19歳/アタランタ/イタリア代表)
センターバック(CB)の一角にはタレント製造工場として知られるベンフィカのアントニオ・シウヴァが入った。19歳の生え抜き選手は、2021-22シーズンにUEFAユースリーグを制覇し、そのままトップチームに昇格すると、すぐさまレギュラーに定着。187㎝の恵まれた体躯から激しいタックルを繰り出すだけでなく、足元の技術にも定評がある。昨年のFIFAワールドカップカタール2022では、19歳にしてポルトガル代表メンバーに選出され、グループステージ第3戦の韓国戦でフル出場を果たした。市場価値は4500万ユーロ(約70億円)と言われており、次世代の「世界最高CB」の大本命だ。
もう一人のCBはカルチョの国のスター候補生だ。アタランタの下部組織で育った19歳のジョルジョ・スカルヴィーニは、2021年10月に17歳でセリエAデビューを果たすと、そこから出場機会を増やし、昨シーズンはレギュラーに完全定着。194㎝の長身を活かした守備でフィジカル面にも定評がある。昨年6月にはA代表デビューも飾っており、その市場価値は4000万ユーロ(約63億円)。これは全年代を含めてもイタリア人選手の中で現在5位の価値となっている!
■左サイドバック
アレハンドロ・バルデ(19歳/バルセロナ/スペイン代表)
名門バルセロナのカンテラ出身の左SBは、同世代を代表する世界的プレーヤーだ。ギニアビサウ人の父を持つバルデは、類稀な身体能力で左サイドを疾走。8歳から所属するバルセロナでは、2021年9月に17歳にしてトップチームデビューを果たした。昨シーズンからはスペイン代表DFジョルディ・アルバを押しのけてレギュラーの座を確保すると、FIFAワールドカップカタール2022のメンバーにも追加招集。そして全4試合に起用され、グループステージ最終戦の日本戦ではスタメン出場した。
2021年にバルセロナと契約を更改した際には、契約解除金が5億ユーロ(約780億円)に設定されたとか。『transfermarkt』による市場価値は5000万ユーロ(約78億円)で、10代の選手の中では2位の評価額となっている。
■守備的MF
ロメオ・ラヴィア(19歳/サウサンプトン/ベルギー代表)
今回のリストで唯一、国内2部リーグに所属しながら選ばれたのは19歳のMFロメオ・ラヴィアだ。ベルギーの名門アンデルレヒトの下部組織を経て、2020年にマンチェスター・Cに引き抜かれたラヴィアは、昨年夏に出場機会を求めてサウサンプトンに加入。すると同クラブで定位置を確保し、プレミアリーグで29試合に出場するなど、降格の憂き目に遭ったチームで存在感を放った。
激しいプレスでボールを奪取し、ポゼッション時には10代とは思えないほどの落ち着きを見せる。ベルギー代表では今年3月にデビューを果たしており、今オフにはリヴァプールやチェルシーなど様々なビッグクラブが獲得に興味を示すヨーロッパ屈指の“人気銘柄”となっている。推定の市場価値は3200万ユーロ(約50億円)だ。
■セントラルMF
ガビ(18歳/バルセロナ/スペイン代表)
10代の選手で最も市場価値が高いのが、バルセロナが誇る生え抜きのセントラルMFだ。18歳のガビの現在の価値は9000万ユーロ(約140億円)。これは10代の選手では最高額で、全年代を含めても12位の評価額となっている。早熟の天才MFは、2021年の夏に17歳にしてトップチームデビューを果たすと、そこからわずか2シーズンで既に公式戦96試合に出場。ここまで5ゴール13アシストを記録している。
スペイン代表としては2021年10月に同国における史上最年少の「17歳62日」でA代表デビュー。当然、昨年のFIFAワールドカップカタール2022のメンバーにも選出され、全4試合でスタメン出場を果たした。グループステージ第1戦のコスタリカ戦では、豪快なボレーシュートでネットも揺らしている。
なお、昨年のゴールデンボーイ(21歳以下の欧州ベストプレーヤー)に選ばれたガビに、バルセロナは10億ユーロ(約1500億円)の契約解除金を設定しているという。
■攻撃的MF
ラヤン・シェルキ(19歳/リヨン/U-21フランス代表)
リヨンが輩出した最新のタレントも今回のリストに含まれた。それが19歳のラヤン・シェルキだ。アルジェリア系の両親のもと、リヨンで生まれ育ったシェルキは、2019年10月に16歳にしてトップチームデビュー。その後、クラブ史上最年少となる「16歳140日」で初ゴールを記録すると、昨シーズンはリーグ・アンで34試合に出場し4ゴール6アシストをマークした。U-21フランス代表として今夏のU-21欧州選手権に出場し、2ゴールをマークした。推定の市場価値は3000万ユーロ(約47億円)となっている。
プレミアリーグの複数クラブが獲得を画策しているというが、果たしてリヨンの若き才能は今後どのようなキャリアを歩むのだろうか。
■右ウイング
アンジェロ(18歳/チェルシー/U-20ブラジル代表)
15歳にしてブラジルの名門サントスでデビューを果たした左利きのウィンガーは、同クラブで公式戦通算129試合に出場した後、今夏に1300万ポンド(約20億円)でチェルシーに引き抜かれた。欧州初挑戦となる今シーズン、どこまでチェルシーで出番を貰えるか注目だ。
■左ウイング
アレハンドロ・ガルナチョ(19歳/マンチェスター・U/アルゼンチン代表)
2020年にアトレティコ・マドリードの下部組織からマンチェスター・Uに加入したウィンガーは、昨年4月にトップチームデビューを果たすと、昨シーズンは公式戦34試合に出場し5ゴールを記録した。1対1の仕掛けに絶対の自信を持つアタッカーは、昨年11月のフルアム戦で後半アディショナルタイムに貴重な決勝ゴールをマーク。これが記念すべきプレミアリーグでの自身初ゴールだった。
代表チームでは今年6月にアルゼンチン代表デビューを果たし、憧れのリオネル・メッシ(現:インテル・マイアミ)とも一緒にプレーした。
■FW
ヴィトール・ロッキ(18歳/アトレチコ・パラナエンセ/ブラジル代表)
この豪華なメンバーでワントップを務めるのはサッカー王国ブラジルの新星だ。昨年4月にクルゼイロからアトレチコ・パラナエンセに加入したストライカーは、ブラジル選手権で16試合8ゴールと大活躍。すぐに欧州のビッグクラブの目に留まり、今年7月にバルセロナが移籍金4000万ユーロ(約63億円)で契約に漕ぎつけた。1年間はブラジルに残ってプレーし、来夏正式にバルセロナに合流する予定だ。
ブラジルの若きストライカーは今年3月に既にA代表デビューを飾っており、バルセロナではポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキの後継者と見られているが、サイドでもプレーできる万能アタッカーだ。
(記事/Footmedia)
By Footmedia
「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。