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Kリーグが“いじめ問題”に対策…各クラブのユースチームに調査を実施

2021.02.18

[写真]=Getty Images

 韓国で社会問題となっている“学生時代のいじめ”と関連して、Kリーグを主管する韓国プロサッカー連盟も対策に乗り出しているようだ。

 韓国では最近、プロスポーツ選手の過去のいじめ発覚が世論を騒がせている。その発端となった女子バレー韓国代表2選手は、被害者のネット掲示板への書き込みによって中学時代のいじめ加害が発覚後、所属チームから無期限出場停止処分を下され、代表資格も剥奪された。時を同じくして2人の男子プロバレー選手も、ネット掲示板での告発によって過去のいじめ加害を認めている。

 こうした社会情勢を受け、韓国プロサッカー連盟は2月16日、Kリーグ1・2部全22クラブに公文書を送った。選手間での暴力や嫌がらせ、人権侵害の事例があるかを調査し、今後の対策を立てるため、ユースチームにおける現状の把握を要請したのだ。

 また、連盟はトップチームに在籍する選手への調査も要請。各クラブが年4回実施する選手との面談において、学生時代にいじめ加害の事例があるかを質問項目に加えさせた。各クラブはさっそく、2月27日のシーズン開幕までに面談を行い、過去のいじめ加害の有無を確認する予定だ。

 連盟が社会問題と関連した対策を取るのは今回だけではない。昨年には元トライアスロン韓国代表選手が所属チームでのパワハラを苦に自殺した事件を受け、Kリーグ全クラブのユース選手と指導者を対象に国家人権委員会のスポーツ人権ガイドラインと大韓体育会のスポーツ暴力マニュアルを配布。その後、オンラインでのスポーツ人権教育も実施した。

 ほかにも、連盟は2012年5月から運営している「Kリーグ・クリーンセンター」を通じて、八百長などの不正行為防止、選手の人権と関連した相談や申告を受けつけている。

 なお、韓国バレーボール連盟は今回の騒動を受け、今後、学生時代にいじめ加害者となった選手のプロ入りを禁止し、後に虚偽が発覚した場合は永久除名など重い懲戒を科すことを決定している。Kリーグにおいても今後、各クラブで高卒や大卒の選手を獲得する際、過去のいじめ加害の確認が必須となることだろう。

文=ピッチコミュニケーションズ

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