※写真は2020年時のトップチームのもの [写真]=Getty Images
今季のACLは“育成の成果”を示す場
■試合日程(日本時間)
6月24日(木) 19:00 対 セレッソ大阪
6月27日(日) 19:00 対 ポートFC
6月30日(水) 23:00 対 傑志
7月3日(土) 23:00 対 傑志
7月6日(火) 19:00 対 セレッソ大阪
7月9日(金) 23:00 対 ポートFC
これほどまでに不透明な中国勢のプレビューを書くのは初めてだ。まずはそう断っておきたい。
広州FCは延期された今季のAFCチャンピオンズリーグのグループステージに、30人のリザーブ選手とアカデミーに所属する選手を登録した。最年長は22歳で、ほかの多くは10代の選手たちだ。グループJが集中開催されるタイでは、ファビオ・カンナバーロ監督ではなく、35歳のアナリスト、刘智宇が代わりに指揮を執ることになる。
現地紙『広州日報』によると、クラブはアロイージオを遠征メンバーに加えることを検討したものの、結局、去りゆくパウリーニョの代役として、このブラジル人アタッカーをファーストチームに帯同させ、再開する中国スーパーリーグ(CSL)に備えている。
パンデミックの影響により、今季のACLグループステージ東地区は6月下旬から、タイとウズベキスタンで集中開催されることになった。グループJは6月24日から7月9日まで行われるため、6月21日から再開されるCSLと日程が重なり、さらに中国政府は外国からの入国者に最大21日の隔離期間を設けている。つまり、ACLとCSLを同じチームで戦うことは不可能となり、クラブは国内リーグを優先したのだ。
昨季、広州を含むCSL勢は、コロナ禍の移動の難しさからACLへの参加を負担と感じ、それを公言していた。だが中国協会は、AFCとの関係悪化を懸念し、CSLクラブが不参加とした場合は、「厳罰の対象となる」と警告。結果的に、途中からドーハで集中開催されたグループステージで敗退した後、帰国便の欠航が相次ぎ、チームは2週間もホテルでの待機を強いられた。この苦い経験も相まって、今季はユースチームを送ることにしたようだ。
今季CSLではここまで2勝1分け1敗の8位につけているが、ACLではさらなる苦戦が予想される。セレッソ大阪はもちろん、傑志(香港)やポートFC(タイ)にも勝利はおろか、勝ち点1でも取れれば良しとすべきだろう。逆に言えば、中国の10年以上にわたる育成の成果を見せる舞台となる可能性も秘めている。
【KEY PLAYER】MF 30 ヤン・ドゥージャン
熱狂的なサポーターでも、このユースチームに所属する選手を知る者は少ないはずだ。
強いて挙げるなら、16歳のヤン・ドゥージャン(杨德江)か。地元出身の守備的MFは、昨年のAFC Uー16選手権予選(本大会はパンデミックの影響で中止に)で中国代表のキャプテンを務め、首位通過に大きく貢献。
今季のCSLでは第3節の深圳FC戦で40歳のレジェンド、チェン・チー(郑智)と交代してリーグデビューを飾り、2ー0の勝利を味わった。中国のトップレベルの10代の若手が、アジアの強豪にどこまで通用するか、見ものだ。
文=Ming Zhao(趙明)
翻訳=井川洋一
By サッカーキング編集部
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