[写真]=Getty Images
2021年シーズンの韓国Kリーグ1(1部)で予想外のクラブが躍進を続けている。その中心にいるのは、往年のJリーガーたちだ。
現時点で第26節までを終えたKリーグ1。首位を走るのは蔚山現代で、2試合未消化の全北現代モータースが5ポイント差で2位につけているが、3、4位には意外なクラブが浮上している。
それは今季のAFCチャンピオンズリーグ出場組である浦項スティーラースや大邱FCでも、リーグ優勝経験のある水原三星ブルーウィングスやFCソウルでもない。3位には昇格組の水原FC、4位には万年下位クラブの仁川ユナイテッドがつけているのだ。
5年ぶり2度目の1部を戦う水原FCは、前半戦こそ最下位に沈んだ時期があったものの、カタール・ワールドカップ アジア2次予選とACLによる中断期間以降には蔚山現代と全北現代に勝利。水原三星との“水原ダービー”も3ー0と完勝するなど、上位を次々と下す“キラー”ぶりを見せている。
一方、仁川は2013年の昇降格制度導入以降、毎年のように残留争いを戦いながら一度も降格経験がなく、“残留王”の異名を持つ。直近5年の順位推移は12チーム中10位→9位→9位→10位→11位と、下位が定位置ながらしぶとく1部に残り続けている。水原FC同様、再開以降から好調が続いており、直近7試合で5勝1分け1敗としている。
注目すべきは、両クラブの躍進の要因に元Jリーガーの活躍があることだ。
水原FCでは、35歳FWヤン・ドンヒョン(元セレッソ大阪、アビスパ福岡)がチーム2位の6ゴールをマーク。ほかにも、キャプテンのDFチョン・ドンホ(元横浜F・マリノス、ガイナーレ鳥取)をはじめ37歳GKユ・ヒョン(元栃木SC)や34歳DFパク・チュホ(元水戸ホーリーホック、鹿島アントラーズ、ジュビロ磐田)らがチームの中軸を担う。
仁川では、現在まで18試合2アシストを記録中のDFオ・ジェソク(元ガンバ大阪、FC東京、名古屋グランパス)の存在感が目立つ。4月には試合中に負った鼻骨骨折、角膜出血でクラブと監督から手術を勧められるも、自ら出場を志願し2週間で戦列復帰。先発フル出場した復帰戦では1アシストの活躍で勝利に導くなど、闘志あふれるプレーでチームをけん引している。
オ・ジェソク以外ではFWキム・ヒョン(元栃木)がここまで4ゴールと奮起。DFキム・チャンス(元柏レイソル)は昨季終了後に無所属となり、一時は現役引退も噂されたが、今夏に6カ月の短期契約で仁川に加入以降はベテランらしい安定感でチームを支えている。
シーズン終了まで好調を維持できれば、両クラブは史上初となるACL出場権獲得も見えてくる。次戦、水原FCは28日に全北現代、仁川は29日に蔚山現代と、いずれもアウェーで上位と激突する。仮にこの試合で勝ち星を挙げるようなことがあれば、いよいよその実力は本物と言っていいだろう。
文=ピッチコミュニケーションズ
By サッカーキング編集部
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