[写真]=Getty Images
本日2月18日に開幕するJリーグに続き、翌19日には韓国Kリーグが1・2部ともに開幕戦を迎える。
ワールドカップイヤーの今季はKリーグ史上最速の開幕となり、FIFAワールドカップ・カタール2022の本大会が始まる11月前までに、1部で全38節、2部で全40節、さらには昇降格プレーオフを含めた全日程を終了させる予定となっている。
そんな今季のKリーグでプレーする日本人選手は計9人。プレーオフ組を含むAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場4チームには、すべて日本人選手が在籍している。それだけに彼らの韓国での活躍が気になるサッカーファンも多いはずだ。
そこで今回は、2022年シーズンのKリーグを戦う9人の日本人選手を紹介しよう。
◉邦本宜裕(MF/全北現代モータース)
今季で韓国進出5年目の邦本は、今や日本人Kリーガーを代表する一人になった。2020年から在籍する全北現代では主力に定着し、昨季は25試合4ゴール5アシストでチームのKリーグ史上初となる5連覇に貢献。自身も年間ベストイレブン候補に選出された。
Kリーグでの登録名は「クニモト」で、背番号は17番。全北現代キャプテンの元韓国代表DFホン・ジョンホは今季のキーマンに邦本を挙げ、「十分にシーズンMVP受賞の資格がある」と太鼓判を押す。横浜F・マリノスとグループステージで激突するACL、前人未到の6連覇がかかるKリーグ、そして韓国FAカップを加えた“3冠”達成には邦本の活躍が欠かせない。ちなみに、全北現代のファンからは「クニ」の愛称で愛されている。
◉天野純(MF/蔚山現代)
元Jリーガーのホン・ミョンボ監督率いる蔚山現代が、今季入閣した池田誠剛コーチの強い推薦により、横浜F・マリノスからレンタル移籍で獲得。シャルケにレンタル移籍した韓国代表MFイ・ドンギョン、済州ユナイテッドに移籍した元韓国代表MFユン・ビッカラムに代わる中盤の即戦力として期待されており、天野自身も「蔚山現代で活躍したい確固たるモチベーションがある」と活躍を誓う。
加入発表映像では、天野がユニホーム姿でひとり地元の海岸で海風に当たるなか、往年の名曲『ブルー・ライト・ヨコハマ』がBGMで流れるという韓国らしいユニークな歓迎もあった。登録名は「アマノ ジュン」で背番号は8番。チームメイトには、2018年に横浜FMで共闘した元韓国代表FWユン・イルロクがいる。
◉鈴木圭太(MF/大邱FC)
昨季まで在籍した西翼が契約満了で退団し、彼に続く日本人選手として大邱FCが獲得した24歳。高校卒業後の2016年にモンテネグロへ渡り、2021年まで6年間プレー。昨年7月にはUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)の1次予選ラウンドにも出場した。左サイドを主戦場としつつも、中盤でプレーすることもできる。
登録名は「ケイタ」で、背番号は18番。大邱FCがACLでプレーオフを突破すれば浦和レッズと同組に入るだけに、日韓のサッカーファンにどれだけ自身の存在をアピールできるかに注目したい。現地ではファンから「圭太」の韓国語読み「ギュテ」と呼ばれ、すでに愛されている。
◉小林祐希(MF/江原FC)
東京ヴェルディ、ジュビロ磐田を経てオランダ、ベルギー、カタールと渡り歩き、昨夏にソウルイーランドFC移籍で韓国に進出。ただ、昨季はわずかリーグ戦8試合の出場にとどまり、シーズン終了後に契約解除となりチームを離れた。以降、去就が不透明となっていたが、開幕前日の18日に江原FC加入が発表された。
ソウルイーランド時代に「ユウキ」だった登録名は「コバヤシ」に変更。背番号は21番をつける。チームを率いるのは、現役時代にジェフユナイテッド市原・千葉、京都サンガF.C.、磐田にも在籍した元韓国代表ストライカーのチェ・ヨンス監督だ。
◉石田雅俊(MF/大田ハナシチズン)
昨季は1部の江原FCで開幕を迎え、夏に2部の大田へレンタル。すると、後半戦だけで13試合9ゴール1アシストの大活躍を見せ、1・2部合わせ日本人選手初となるKリーグ年間ベストイレブンに選ばれた。
ただ、昇降格プレーオフではレンタル元の江原FCに敗れ、大田を1部に昇格させることができず。シーズン終了後、「来年は約束を守る」というコメントと併せて、大田への完全移籍が発表された。登録名は「マサ」で、背番号は7番。昨季に試合後インタビューで自らの韓国語で伝えた「自分はサッカー人生の敗者。昇格に人生を懸けます」という“名言”は、今も韓国サッカーファンの間で語り草となっている。
◉佐藤優平(MF/全南ドラゴンズ)
日本では横浜FM、アルビレックス新潟、モンテディオ山形と渡り歩き、昨季まで在籍した東京ヴェルディではリーグ戦131試合16ゴールを記録。そして今回、2部チームながら前年度FAカップ王者としてACLに出場する全南が、佐藤の豊富な経験を買い、初の日本人選手としてチームに迎え入れた。
登録名は「ユウヘイ」で、背番号は24番。全南は「攻守でキープレーヤーとなれる選手。若く経験の足りない全南の選手の助けになる」と、佐藤に即戦力としての活躍を期待している。なお、全南はACLグループステージで日本勢との対戦がない。
◉磐瀬剛(MF/安山グリナース)
前出の石田とは市立船橋高校時代の同期で、Jリーグでは京都サンガF.C.、FC岐阜、ザスパクサツ群馬に在籍。昨季に石田の勧めでKリーグに進出し、石田の古巣である2部の安山に加入した。
海外初挑戦となった昨季はリーグ戦26試合に出場、プロ初ゴールを決めるなど安定したパフォーマンスを披露。今年1月に安山との再契約が発表され、韓国2年目を戦うことになった。登録名は「イワセ」で、背番号は12番。磐瀬曰く「海外生活で様々な環境、習慣、文化を学ぶことは人間として成長するうえで大事なこと」
◉西翼(MF/ソウルイーランドFC)
2021年シーズン限りで退団した大邱FCではリーグ戦通算80試合に出場し、ACLではサンフレッチェ広島、川崎フロンターレ、名古屋グランパスといった日本勢と対戦。今季は「自分の加入を切実に望んでくれた」という2部のソウルイーランドへ移籍し、チームの目標である1部初昇格に挑む。
登録名は「ツバサ」で、背番号は44番。開幕前に行われた韓国メディアとのインタビューでは、「海外生活を長く続けてきたが、日本でプレーしたいと思ったことはない。様々なチームでプレーすることはモチベーションにつながる。自分はそういった挑戦を楽しみたい」と明かしている。
◉丸岡満(MF/金浦FC)
セレッソ大阪ユース出身でドルトムントにも在籍経験のある丸岡も今年で26歳。昨年4月にタイのBGパトゥム・ユナイテッドを退団以降は無所属が続いていたが、今季からは韓国2部を新天地に選んだ。登録名は「マルオカ」で、背番号は7番。
金浦FCは2013年の創設から昨季までセミプロのK3リーグ(3部相当)に所属し、今季からプロの2部に11チーム目として参入が認められた新興チーム。指揮官はかつてKリーグからJリーグに初めて進出した韓国人選手として、1997~1998年にセレッソ大阪でプレーしたコ・ジョンウン。丸岡には「強靭な体力とパワーを蓄えてこそKリーグで成功できる。自分のスタイルだけに固執しては生き残れない」と発破をかけている。
文=姜 亨起(ピッチコミュニケーションズ)