[写真]=Getty Images
FIFAワールドカップ・カタール2022の組み合わせ抽選会の結果、韓国代表はポルトガル代表、ウルグアイ代表、ガーナ代表と同じグループHに入った。
本大会では11月24日にウルグアイ、同月28日にガーナ、12月2日にポルトガルの順で対戦。試合はいずれもアル・ラーヤンのエデュケーション・シティ・スタジアムで開催される予定だ。
直近2大会でグループステージ敗退に終わっている韓国は、2010年南アフリカ大会以来3大会ぶりの決勝トーナメント進出を目指す。そこで今回は、韓国が今大会で戦う3カ国との対戦相性や因縁を紹介しよう。
■vsウルグアイ代表
初戦で激突するウルグアイとは、W杯で過去に2度対戦したことがある。
初顔合わせは1990年イタリア大会のグループステージで、当時は後半ロスタイムの失点で0ー1と敗北。2度目の対戦は2010年南アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦で、まだ23歳と若かりし頃のFWルイス・スアレスに2得点を許し、1ー2で敗れた。
そもそも、韓国はW杯で南米勢に通算5試合1分け4敗と一度も勝てていない。ウルグアイ以外ではアルゼンチンに2戦全敗しており、唯一の引き分けも1994年アメリカ大会グループステージでのボリビア戦で記録したものだ。
ただ、韓国は直近の対戦でウルグアイに勝利した経験がある。パウロ・ベント現監督体制の2018年10月、ホームで行われた国際親善試合で、それまで通算1分け6敗としていた相手を2ー1で下し、史上初の白星を収めた。
それだけに、サッカー関係者の間では現代表に期待する声も多い。南アフリカ大会で韓国を率いたホ・ジョンム元監督は「12年前に敗れた“恨”(ハン)をカタールで晴らしてほしい」とし、元韓国代表MFイ・チョンヨンも「積極的な守備をすればいい結果が生まれるはず」とエールを送っていた。
■vsガーナ代表
第2節で戦うガーナとはW杯で初対戦。国際Aマッチにおける通算成績は3勝3敗とイーブンだが、2000年代以降に行われた国際親善試合では韓国が4試合1勝3敗と負け越している。
最後の対戦は2014年ブラジル大会直前に実施した国際親善試合。元Jリーガーのホン・ミョンボ監督に率いられた韓国は当時、FWジョルダン・アイェウのハットトリック含む1ー4とショッキングな完敗を喫していた。
韓国のW杯におけるアフリカ勢との対戦成績は1勝1分け1敗。直近では2014年ブラジル大会のグループステージで、元日本代表指揮官で現在はモロッコ代表を指揮するヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いるアルジェリアに2ー4と敗れた。
FIFAランキングでは29位の韓国が60位のガーナを上回る。韓国メディアの間ではガーナを「1勝を取るべき相手」「グループ最弱」と評価する見方もあるが、侮れない相手であることは間違いないだろう。
■vsポルトガル代表
ポルトガルは今回のグループステージで韓国と最も因縁の深い相手だ。両国は国際Aマッチで過去一度しか対戦経験がないが、その1試合にあらゆる因縁とつながりがある。
そのたった一度の対戦とは、2002年日韓大会でのグループステージ最終戦。当時は両国ともに決勝トーナメント進出の可能性を残した状態で激突すると、MFパク・チソンのゴールで1ー0と勝利した韓国が決勝トーナメントに進出。退場者2人を出したポルトガルはグループ敗退に終わった。
そして、当時の韓国戦に出場し、この試合をもってポルトガル代表を引退したのが、現在の韓国を率いるベント監督だ。2010~2014年にポルトガル代表を率い、ユーロ2012や2014年ブラジルW杯も経験したベント監督は今回、対戦相手として母国と相まみえる。
また、ベント監督の後任として現在のポルトガルを率いるフェルナンド・サントス監督は、かつてスポルティングで指揮を執った頃、当時キャリアの晩年を過ごしていた選手時代のベント監督を指導している。
史上2度目となる両国の対戦では、ポルトガル代表新旧監督にして師弟同士の対決が実現することになった。ともに7番を背負うFWソン・フンミンとFWクリスティアーノ・ロナウドのエース対決にも注目が集まるが、両指揮官がどんな采配を見せてくれるかも楽しみな一戦だ。
文=姜 亨起(ピッチコミュニケーションズ)