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【ACLグループH展望|横浜FM】最大の強みは総合力。全員サッカーで過密日程を戦い抜き1位突破を狙う

2022.04.16

[写真]=Getty Images

リーグ序盤戦でつかんだ自信を胸にアジアの舞台へ

■試合日程(日本時間)
4月16日(土) 20:00 対 ホアンアイン・ザライ
4月19日(火) 23:00 対 全北現代モータース
4月22日(金) 23:00 対 シドニーFC
4月25日(土) 20:00 対 シドニーFC
4月28日(木) 20:00 対 ホアンアイン・ザライ
5月1日(日) 23:00 対 全北現代モータース

 2年ぶりに挑むアジアの戦いは、トリコロールの強さを証明する絶好の舞台だ。

 今季のリーグ戦はここまで5勝3分け2敗の2位。総得点17は首位の川崎フロンターレ(15得点)を上回る数字で、持ち前の攻撃力を存分に発揮しながら着実に勝ち点を積み上げている。

 もっとも、順風満帆なシーズンではない。1月のプレシーズンキャンプ中から新型コロナウイルスに頭を悩まされ、予定していた練習試合をキャンセルせざるを得なかった。順調に調整を進められなかった影響なのか、開幕前後には負傷者が続出する苦しい台所事情だった。

 それを補ったのが選手層の厚さであり、若い力の躍動だ。

 登録されているフィールドプレーヤー26選手中24選手がピッチに立った。ケヴィン・マスカット監督が事あるごとに「タイトなスケジュールを戦い抜くためには全員の力が必要」と繰り返す通りで、目指しているプレーモデルを理解・共有できているからこそ指針はブレない。

 チャンスを与えられて結果を残す若手の存在も頼もしい限りだ。特に22歳の角田涼太朗はセンターバックのレギュラーポジションをつかむ勢いで、まさに成長一途。地上戦と空中戦の両方で強さを発揮する守備に加えて、左利きの特性を生かしたビルドアップ能力で攻撃にアクセントを加えている。

 Jリーグでは特異なスタイルとして広く認知されて対策を練られる試合も散見されるが、研究されにくいACLでは2年前の同大会がそうだったようにストロングポイントを発揮しやすい傾向にある。少なくともリーグの格で劣るシドニーFCとホアンアイン・ザライには優位性を保てるはずで、着実に勝ち点を積み上げたうえでKリーグ王者・全北現代を上回っての1位突破が理想だ。

 中2日で6試合を戦う過酷な日程も、結果としてリーグ序盤の経験が生きるはず。自信を持ってターンオーバーしながらでもチーム力を維持できる。中心選手の水沼宏太が「自分たちの強みは総合力」と自信をのぞかせる全員サッカーで、横浜F・マリノスが次なる戦いの場へ出航する。

【KEY PLAYER】FW 11 アンデルソン・ロペス

[写真]=Getty Images


 今季から加入したブラジル人ストライカーは高い得点能力を有している。リーグ戦ではここまで4得点を記録し、どんな形からでもゴールネットを揺らせる豊富な得点パターンは大きな魅力。鹿島アントラーズ戦の決勝点が象徴するようにセットプレーのターゲットにもなれる選手で、試合展開に関係なく得点を期待できる。五分五分のルーズボールをモノにする力強さもあり、肉弾戦にもめっぽう強い。前線の核として重要な役割を果たしてくれるはずだ。

文=藤井雅彦

By 藤井雅彦

横浜F・マリノスを徹底分析するWEBマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』主筆

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