※写真は昨季のもの [写真]=Getty Images
国内リーグ序盤戦で近年最悪の不振に
■試合日程(日本時間)
4月16日(土) 23:00 対 シドニーFC
4月19日(火) 23:00 対 横浜F・マリノス
4月22日(金) 20:00 対 ホアンアイン・ザライ
4月25日(土) 23:00 対 ホアンアイン・ザライ
4月28日(木) 23:00 対 シドニーFC
5月1日(日) 23:00 対 横浜F・マリノス
昨季Kリーグ1(1部)で5連覇という前人未到の偉業を成し遂げた全北現代は、今季序盤に近年最悪の不振を経験した。開幕戦勝利を最後に3連敗を含む5戦未勝利に陥り、一時は12チーム中11位にまで順位を落としたのだ。開幕6試合で勝ち点獲得が1ケタ台に終わったのは、全北現代がリーグ初優勝する前年の2008年以来、実に14年ぶりのことだった。
この不振を受けてチームは緊急補強を敢行し、MFキム・ジンギュ、DFキム・ムンファン、DFユン・ヨンソンといった韓国代表経験のある即戦力を獲得。また、代表ウィーク明けにシステムを既存の4バックから3バックに変えると、4月のリーグ戦3試合で連勝を達成し、4位にまで順位を上げた。
ところが、“絶対王者”の底力で復調に成功した矢先、今度は新型コロナウイルスの脅威に襲われる。グループステージが集中開催されるベトナムへ出国する直前、キャプテンのDFホン・ジョンホや守護神のGKソン・ボムグン、昨季チーム得点王のFWグスタヴォなど、6人の主力が検査で陽性発覚となり、出国が認められなかったのだ。彼らは回復次第、順次チームに合流予定ではあるが、序盤2試合の欠場は確実とされる。
このため、第2節で迎える横浜F・マリノス戦は2年前同様に厳しい一戦となるだろう。全北現代は前回対戦の2020年のグループステージ当時、負傷で主力を多数欠いた状態で横浜FMと対戦し、1ー4とショッキングな大敗を喫した。横浜FMとの通算成績でも全北現代が1勝3敗と負け越しており、グループ突破へ最大の山場と言える。
とはいえ、加入3年目となった日本人MF邦本宜裕をはじめ、FWスタニスラフ・イリュチェンコやFWソン・ミンギュ、MFペク・スンホ、MFモドゥ・バーロウ、MFキム・ボギョン、DFキム・ジンスなど、今回は主力が多く残っている点がせめてもの救いか。劇的なV字回復を果たした国内での勢いを維持できれば、難敵がそろうグループも勝ち抜くことができるはずだ。
【KEY PLAYER】MF 97 キム・ジンギュ
開幕直後の大不振を受け、移籍市場終了間際の3月中旬に2部の釜山アイパークから緊急補強した韓国代表の25歳。昨夏の東京五輪も経験しており、中盤であればどこでもこなせるマルチロールで、全北現代では主に攻撃的な役割を担う。
加入発表2日後のリーグ戦から直近までの全4試合で先発フル出場し、この間に全北現代は3連勝と復調に成功した。まさに“救世主”とも言える活躍で、チームの新たな核として台頭している選手だ。
文=ピッチコミュニケーションズ