Kリーグを中心にアジアの舞台で長きに渡って活躍したデヤン・ダミヤノヴィッチ
“Kリーグ史上最高の外国人ストライカー”と呼ばれた元モンテネグロ代表FWデヤン・ダミヤノヴィッチが、25年のプロ生活に幕を下ろした。
ダミヤノヴィッチは8月16日、自身のインスタグラムを更新。「信じられないけど、この日が来た。25年間プロとしてプレーしてきて、フットボールに“ありがとう”と伝えるときが来た。これからはフィールドの外でフットボールを楽しもうと思う」とし、現役引退を発表した。
1981年7月27日生まれで現在42歳のダミヤノヴィッチは、1998年に当時のユーゴスラビアでプロデビュー。国内の複数クラブやサウジアラビアのアル・アハリを渡り歩き、2007年に「デヤン」の登録名でKリーグの仁川ユナイテッドに加入した。
そして、翌2008年にFCソウルへ移籍すると、2010~2013年に4年連続年間ベストイレブン、2012年に年間MVPに選出されたほか、2011~2013年にはKリーグ史上初にして唯一の3年連続得点王を受賞。以降、2014~2015年の中国でのプレーを経て2016年にソウルに復帰すると、水原三星ブルーウィングスや大邱FCにも在籍し、最後は香港の傑志でキャリア晩年を過ごした。
ダミヤノヴィッチはKリーグで通算12シーズンプレーし、380試合198得点を記録した。これは外国人選手として史上最多出場及び最多得点で、通算得点は韓国人選手を含めても元韓国代表FWイ・ドングッ(548試合228得点)に次ぐ歴代2位。この間、ソウル時代にKリーグ1で3度、リーグカップで1度、水原三星時代にFAカップで1度優勝した。
また、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では通算77試合42得点とし、こちらはイ・ドングッ(74試合37得点)を上回り大会最多得点記録を保持。ソウル時代の2013年大会では準優勝を経験したほか、数多くのJリーグ勢とも対戦し、ガンバ大阪や鹿島アントラーズ、浦和レッズ、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸相手にゴールを決めている。
韓国を超えてアジアの舞台で長く活躍し、Jリーグファンにもその名を知らしめたダミヤノヴィッチ。引退発表の投稿で「すべてを可能にし、忘れられない思い出を与えてくれたアジア、特に韓国に感謝している」と綴り、ソウル時代の写真を掲載した彼には、元チームメイトや対戦相手を問わず多くのKリーガーが惜別のメッセージを寄せていた。