U-23ウズベキスタン代表が初の五輪出場を決める [写真]=2024 Asian Football Confederation (AFC)
AFC U23アジアカップ カタール2024の準々決勝が25日に行われ、U-23インドネシア代表とU-23ウズベキスタン代表が対戦した。
パリオリンピック2024(パリ五輪)の出場権を懸けた今大会も佳境に差し掛かった。パリ五輪のアジア枠は『3.5』となっていることから、ベスト4入りを決めたインドネシア、ウズベキスタン、そしてこの後対戦するU-23日本代表とU-23イラク代表の4チームは、既に本大会出場へ“リーチ”をかけた状態。準決勝で勝利したチームは、その時点でパリ行きが確定し、敗れたチームも3位決定戦を勝利で飾ればパリへ進む切符を掴むことができる。敗れた1チームは、アフリカ予選の4位チーム(U-23ギニア代表)とのプレーオフに回ることとなる。
そんな大一番で相まみえるのは、インドネシアとウズベキスタン。前者は今大会でグループAに組み込まれており、第1節で開催国のU-23カタール代表に0-2で敗れたものの、続くU-23オーストラリア代表、U-23ヨルダン代表との連戦では2連勝を飾り、2位で決勝トーナメントへ進出。準々決勝では、9大会連続で五輪出場を続けていたU-23韓国代表とのPK戦までもつれ込む死闘を制し、五輪出場まであと一歩のところまで辿り着いた。
一方で、後者はグループDを3戦全勝というパーフェクトな結果で終えた。U-23ベトナム代表、U-23クウェート代表、U-23マレーシア代表との3試合で10得点・0失点と安定した成績を残し、準々決勝へ駒を進めると、U-23サウジアラビア代表にも2-0と完勝。ここまでの全4試合でクリーンシートを達成しており、攻守にバランスの取れた好チームだ。
試合は立ち上がりからウズベキスタンが攻撃的な姿勢を貫き、ゴールを脅かす場面を増やす。13分にはピッチ中央付近でウルグベク・ホシモフがルーズボールの奪い合いを制したところから、スルーパスでボックス右へ侵入したアリシェル・オディロフが右足を振り抜くも、シュートはGKに阻まれる。18分には敵陣左サイドでボールを奪ったホシモフが中央へ持ち運び、自ら左足でミドルシュートを狙ったが、シュートはわずかに枠を外れた。
一方のインドネシアはカウンターアタックやセットプレー、さらにはロングスローから得点の機会をうかがうも、なかなか決定的なシーンは作り出せない。26分にはビルドアップでうまく前進し、敵陣左サイドへ流れたラマダン・サンタナの落としから、内側から走り込んだウィタン・スレイマンが倒される。倒されたポジションからPKの可能性があるとして、OFR(オンフィールドレビュー)が介入したが、PKは与えられず、それどころかノーファウルと判定された。
スコアレスで時計の針が進むなか、30分にはウズベキスタンのネイサン・チョエ・ア・オンが放ったミドルシュートがクロスバーを叩く。前半はウズベキスタンのペースと呼べるような内容ではあったものの、均衡が破れることはなく後半へ折り返した。
後半へ入っても試合の様相は大きく変わらず、立ち上がりからウズベキスタンがアクセル全開でシュートまで持ち込むシーンを作る。だが、試合を動かしたのは劣勢と見られていたインドネシアだった。61分、敵陣左サイドからのロングスローは跳ね返されたものの、こぼれ球を回収して再び左サイドへボールが渡ると、スローワーだったプラタマ・アルハンが左足でクロスボールを送る。このボールに対して飛び出したGKアブドゥヴォヒド・ネマトフはボールに触れず、ゴール前で混戦が生まれると、最後はムハンマド・フェラーリが右足で叩き込んだ。
このゴールでインドネシアが先手を取ったかに思われたが、直後にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。OFRを経て、アルハンがクロスボールを上げた際にオフサイドポジションにいたサンタナが、GKとの競り合いの際にボールに関わったと判断され、主審はオフサイドと判定。インドネシアの得点の取り消しが宣告された。
ワンチャンスを決められ、ヒヤリとしたウズベキスタンは直後の68分、右サイドから攻撃へ。タッチライン際を駆け上がったムハマドコディル・ハムラリエフがクロスボールを送ると、中央へ飛び込んだフサイン・ノルチャエフが左足でボレーシュートを沈め、ウズベキスタンが先手を取った。
このままウズベキスタンの1点リードで終盤へ差し掛かると、81分にはインドネシアのリスキ・リドがルーズボールをクリアしようとした際、足裏がジャスールベク・ジャロリディノフに入ってしまう。このプレーには、OFRを経てレッドカードが提示。1点を返したいインドネシアだったが、残り時間を数的不利で戦わなければならなくなった。
このプレーで得たフリーキックを、ウズベキスタンのジャロリディノフが左足で直接狙う。ブレ球の一撃はGKエルナンド・アリに弾かれたものの、セカンドボールにアブドゥコディル・クサノフが詰めると、ヘディングシュートはポストに直撃。だが、跳ね返ったボールをクリアしようとしたアルハンとGKアリに連携ミスが発生し、まさかのオウンゴール。ウズベキスタンとしては勝利を大きく手繰り寄せる追加点となった。
多くのOFR介入があったため、アディショナルタイムは16分間にものぼったが、これ以上スコアは動かずタイムアップ。この結果、ウズベキスタンが決勝進出を果たすと同時に、五輪初出場を決めた。一方、インドネシアは3位決定戦を経て、1956年のメルボルン五輪以来となる五輪行きの切符を目指す。
3位決定戦は現地時間で5月2日、決勝は3日の開催予定。両チームの対戦相手は、この後行われるU-23日本代表vsU-23イラク代表の結果を経て決定する。
【スコア】
U-23インドネシア代表 0-2 U-23ウズベキスタン代表
【得点者】
0-1 68分 フサイン・ノルチャエフ(U-23ウズベキスタン代表)
0-2 86分 プラタマ・アルハン(OG/U-23ウズベキスタン代表)
By サッカーキング編集部
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