岩政大樹氏(撮影は鹿島時代の2023年9月) [写真]=兼子愼一郎
ハノイFCは8日、同クラブの指揮を執っていた岩政大樹監督の退任を発表した。
クラブからの発表によると、岩政氏は日本での新たな挑戦のため、辞任を申し出たという。これをクラブが受け入れた模様だ。ハノイFCは「岩政大樹氏は、理事会に対し、新たな挑戦を求めて日本に戻りたいとの意向を表明した。理事会はこれを受け入れ、本日付けでハノイFCの監督を正式に退任した」と伝えている。
現在42歳の岩政氏は、現役時代に鹿島アントラーズを中心に活躍し、2008年1月には日本代表に初招集。FIFAワールドカップ南アフリカ2010やAFCアジアカップ2011にも出場した。鹿島退団後はタイのBECテロ・サーサナFC(現:ポリス・テロFC)、ファジアーノ岡山、東京ユナイテッドFCを渡り歩き、2018年10月に現役引退を発表した。
現役引退後は解説者も務める傍ら、指導者として活躍。大学サッカーでの指導を経て、2022シーズンより古巣である鹿島のトップチームコーチに就任した。同シーズンは新監督のレネ・ヴァイラー氏が新型コロナウイルス感染症の防疫対策によって来日まで時間を要したため、シーズン序盤戦は監督代行を経験。その後一度はトップチームコーチに戻ったものの、同年8月にヴァイラー氏が契約解除となると、正式に監督に就任し、昨シーズン終了時までの約1年半に渡りトップチームを率いた。
今年1月にはハノイFCの監督に就任。昨年よりVリーグ1(ベトナム1部リーグ)は秋春制に移行しており、岩政氏の就任時点では第8節を終えて8位という状況だった。岩政氏の就任後、チームは10勝3分5敗という成績を残し、最終的にはVリーグ1を3位でフィニッシュするなど、チームの立て直しに成功。ベトナム・カップでも決勝進出を果たしていたが、今月7日に行われた決勝ではタインホアFCにPK戦の末に敗れ、準優勝に終わっていた。
ハノイFCは2024-25シーズンも岩政体制を続投するつもりだったものの、岩政氏自らの意思により、ベトナムでの指揮はおよそ半年間で幕を閉じることとなった。岩政氏の次なる挑戦にも注目が集まる。
By サッカーキング編集部
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