日本代表を率いるハリルホジッチ監督が、CL決勝の展望を語った [写真]=Getty Images
サッカー日本代表の監督で、『スカパー!』の特別コメンテーターを務めるヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、チャンピオンズリーグ(CL)決勝の展望を語った。
ユヴェントスとレアル・マドリードが激突する決勝戦についてハリルホジッチ監督は、「今シーズンのファイナルは間違いなくすごい試合になる。現在、世界で最も強い2チームの戦いだ。まず、両チームとも自国のリーグで優勝している。ユベントスは6連覇、レアルマドリードは5年ぶりの優勝。(レアル・マドリードのジネディーヌ)ジダンは偉大な監督になる一歩を踏み出した」と、まさに頂上決戦にふさわしい2チームの対戦だと述べた。
続けて、「ヨーロッパでの戦績を比較してみよう」と過去の成績を振り返り、「レアル・マドリードは世界王者だ。11回のCL優勝を誇る。対するユベントは2回」と、実績ではレアル・マドリードが上回っているとしつつ、「ただ、だからといってレアル・マドリードが優位なわけではない」と主張した。
また今シーズンのCLでの戦いを分析し、「ユベントスは3失点しかしていない。3バックの(アンドレア)バルザーリ、(レオナルド)ボヌッチ、(ジョルジョ)キエッリー二、そしてGK(ジャンルイジ)ブッフォンの守備陣は非常に強力だ。守備のオーガナイズは素晴らしく、ハードワークができ、規律もしっかりしている。彼ら相手にゴールを奪うのは難しいだろう」と、ユヴェントスのディフェンス陣を高く評価。
加えて、「それだけではない。攻撃にも良い選手がいる。(ゴンサロ)イグアインと(パウロ)ディバラのコンビは驚異的だ。(マリオ)マンジュキッチもいる。バルセロナから加入したダニエウ・アウヴェスもオフェンス面での影響力が非常に高い。『失点はしないし、得点もあげる』というチームになっている」と、攻撃面も優れたバランスのいいチームに仕上がっているとの見解を示した。
その一方で、「ただ、オフェンスでいえばレアル・マドリードも素晴らしい選手をかかえている」と、圧倒的な攻撃力を誇るレアル・マドリードのオフェンス陣についても言及した。
「(ギャレス)ベイルは決勝でプレーできるか分からないが、ベイルがいない間に頭角を現してきたのがイスコだ。カゼミーロ、(ルカ)モドリッチ、(トニ)クロースという3枚の中盤。その前にイスコというオーガナイザー。彼はオフェンシブで、ゴールもあげる選手だ。それから(クリスティアーノ)ロナウドと(カリム)ベンゼマという2アタッカー。ベイルがいない間に、レアル・マドリードのオーガナイズは変わっている」
そして試合については、「各対面の戦いが肝になるかもしれない。そこのディテール、または個人のインスピレーションで勝負が決するかもしれない。そして両チームにその選手は揃っている。レアル・マドリードはC・ロナウド、ベンゼマ、イスコ、モドリッチ…。ユヴェントスはディバラ、イグアイン、(ミラレム)ピアニッチ、D・アウヴェス…。特にD・アウヴェスがオフェンシブに来ることもキーポイントになるだろう」と、個人技に優れた選手を数多く揃えるチーム同士の対戦とあり、細かい部分が勝敗に大きく影響するとの見方を示した。
ただ、「個々の局面に多くの注目が注がれることになる」と前置きした上で、「全体的には『戦術vs戦術』という見方もできる。ユヴェントスはより守備に厳しさをもっている。レアル・マドリードは攻撃により力を発揮する。守備の仕方も、攻撃の仕方も、全く異なる両チームの対戦は非常に興味深い」と続け、それぞれの指揮官の采配にも注目していると述べた。
「世界で最も良い戦術を持つクラブ同士の戦いだ。サッカーファンはもちろん、指導者なども注目に値するゲームだ。そして2人の監督(ジダン、マッシミリアーノ・アレッグリ)は、シーズン終盤に選手を休ませている。フィジカルとメンタルのリフレッシュさを保ち、決勝に臨んでいる。これはなかなかできることではない。それらを考えてみても、決勝は必ず良い試合になるだろう。一人でも多くの人が目の当たりにすることを期待している」と、互いに万全の状態で迎えるCLファイナルが素晴らしいゲームになると予想し、より多くのサッカーファンに見てもらいたい試合だと話した。
なお、CL決勝は日本時間4日の3時45分キックオフ予定。試合は『スカパー!』で生中継される。
By サッカーキング編集部
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