[写真]=Getty Images
いよいよ6月1日に開催される2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝。ビッグイヤーを手にするのは、果たしてトッテナムか、リヴァプールか。大一番の行方を世界中のファンが見守っている。
サッカー選手にとって、最大の栄誉ともいえる欧州制覇。その栄光を手にすることができるのは、一握りの選手だけだ。ただ一方で、ビッグイヤーを手にできたとしても、順風満帆なキャリアを歩めるという保証はない。人生と同じように、栄光の瞬間があれば、挫折を味わうときもやってくる。
イギリスのサッカー誌『FourFourTwo』は、「CL優勝と2部降格を味わったことのあるサッカー選手たち」という特集記事を掲載。ここでは、異色の経歴を持つプレーヤーたちを紹介しよう。
ヌワンコ・カヌ(元ナイジェリア代表FW)
CL優勝:アヤックス(1995年)
2部降格:ウェスト・ブロムウィッチ(2006年)
アヤックスが優勝を果たした1994-95シーズンのCL決勝。途中出場でファイナルの舞台に立ったカヌは、18歳にして欧州王者の称号を得る。その翌年にはインテルへ移籍。さらに1999年からはアーセナルで活躍した。しかし2006年、当時所属していたウェスト・ブロムウィッチで2部降格を経験することに。当時のチームメイトには、元日本代表MF稲本潤一(現・SC相模原)がいた。
リオ・ファーディナンド(元イングランド代表DF)
CL優勝:マンチェスター・U(2008年)
2部降格:QPR(2015年)
前回、イングランド勢同士が顔を合わせた2007-08シーズンのCL決勝。PK戦の末に勝利したマンチェスター・Uの主将を務めていたのがファーディナンドだった。結局、ファーディナンドは同クラブ在籍12年間で、14ものタイトルを獲得。キャリアの最盛期を名門クラブで過ごしたが、現役ラストシーズンはほろ苦いものとなった。2014年夏にプレミアリーグに昇格したQPRに移籍すると、わずか12試合の出場に終わり、チームも1年での2部降格が決まった。
マイケル・キャリック(元イングランド代表MF)
CL優勝:マンチェスター・U(2008年)
2部降格:ウェストハム(2003年)
ファーディナンドと共に2007-08シーズンのCL決勝に先発。PK戦では、2番目のキッカーを務めて見事に成功し、ビッグイヤー獲得に貢献した。しかし、その5年前には2部降格を味わっている。ウェストハムの生え抜きとして、1999年にトップチームデビュー。正確なキックを武器に若くしてレギュラーの座を勝ち取ったが、2003年にチームは2部降格が決まった。2部で1年間プレーしたあと、トッテナムを経て、マンチェスター・Uに加入。すると入団2年目で欧州の頂点に立った。
ニッキー・バット(元イングランド代表MF)
CL優勝:マンチェスター・U(1999年)
2部降格:ニューカッスル(2009年)
マンチェスター・Uが後半アディショナルタイムの2ゴールでバイエルンを下して優勝を果たした1998-99シーズンのCL決勝。出場停止処分を受けていたロイ・キーンに代わって先発出場したのがバットだった。盟友デイヴィッド・ベッカムとダブルボランチを形成すると、奇跡の瞬間に立ち会っている。しかし、10年後に待ち受けていたのは悲劇だった。当時所属したニューカッスルは、残留圏とわずか1ポイント差で2部降格が決定。それがプレミアリーグで過ごした最後のシーズンとなった。
スティーヴ・フィナン(元アイルランド代表DF)
CL優勝:リヴァプール(2005年)
2部降格:ポーツマス(2010年)
2004-05シーズンの「イスタンブールの奇跡」をピッチ上で味わった選手の一人であり、現役中にはUEFAカップ、インタートトカップ、そしてワールドカップの舞台も経験した。しかし、そのエンディングは決して美しいものではなかった。所属したポーツマスはプレミアリーグで2部降格が決定、さらにFAカップ決勝ではチェルシーに敗れて、準優勝に終わった。
ジョゼ・ボジングワ(元ポルトガル代表DF)
CL優勝:チェルシー(2012年)
2部降格:QPR(2013年)
チェルシーが初の欧州制覇を成し遂げた2011-12シーズンのメンバーで、ボジングワにとってはポルト時代に次ぐ2度目のCL優勝だった。しかし、わずか1年で評価は急落。2012年の夏にQPRに移籍すると、リーグ戦でベンチ入りを拒否したほか、2部降格が決定した試合では笑いながらピッチを後にする姿がTVカメラに収められて、チームメイトやファンの怒りを買った。数カ月後、クラブと双方合意のうえで退団となり、イングランドを離れている。
ビクトル・バルデス(元スペイン代表GK)
CL優勝:バルセロナ(2006、2009、2011年)
2部降格:ミドルズブラ(2017年)
2014年まで過ごしたバルセロナでは、黄金時代を謳歌したチームの中心メンバーとして活躍。3度の欧州制覇を成し遂げるだけでなく、リーグ王者にも6度輝いた。しかし、新たな挑戦としてスタートさせたイングランド生活は思い描いたとおりにはならなかった。マンチェスター・Uではわずか2試合の出場にとどまり、ミドルズブラでは2部降格を経験。試練の連続で、2017年夏に現役引退を表明した。
ファブリツィオ・ラヴァネッリ(元イタリア代表FW)
CL優勝:ユヴェントス(1996年)
2部降格:ミドルズブラ(1997年)、ダービー・カウンティ(2002年)
ユヴェントスが最後に欧州制覇を果たした1995-96シーズン。アヤックスとの決勝戦で先制点を決めたのがラヴァネッリだった。30分後には同点に追いつかれ、試合はPK戦にまでもつれ込んだが、ビッグイヤーを手繰り寄せたのは間違いなくこの男だった。しかし、優勝の余韻はすぐにかき消される。翌シーズンに移籍したミドルズブラで、2部降格を味わうことになったからだ。ラヴァネッリはさらに5年後にも、ダービー・カウンティで2部降格を経験。まさに、栄光と挫折の両方を味わった選手だった。
(記事/Footmedia)
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