主要タイトル3冠を達成したマンチェスター・C [写真]=Getty Images
マンチェスター・Cの3冠で幕を閉じた2022-23シーズンの欧州クラブサッカー。今回は、ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるチームが今シーズン成し遂げた歴史的偉業を数字で振り返っていこう。
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まず、欧州サッカー界においてチャンピオンズリーグ(CL/前身のヨーロピアンカップ)を含めた“トレブル”達成はマンチェスター・Cが「8クラブ目」。バイエルンとバルセロナが2度ずつ達成しているため、史上10チーム目という快挙だ。英国勢に限れば、1966-67シーズンのセルティック(スコットランド)、1998-99シーズンのマンチェスター・U(イングランド)に次いで3チーム目となる。
グアルディオラ監督にとっては、バルセロナをスペイン勢として史上初の3冠に導いた2008-09シーズンに続いて自身「2度目」のトレブルである。当然これは史上初の快挙。これまで歴史上10回しか成就していないトレブルのうち、2回を一人で達成しているのだから、歴代最高の監督と呼ばれてもおかしくないだろう。
現地時間10日のCL決勝でインテルを下し、欧州ナンバーワンの称号を手にしたマンチェスター・Cだが、彼らは前身のヨーロピアンカップ時代を含めて「13度目」の挑戦で初めてビッグイヤーを掲げることができた。直近では、10シーズン連続で決勝トーナメントに駒を進め、6シーズン連続でベスト8に進出。チェルシーの前に涙を呑んだ2020-21シーズンの決勝に続き、2度目のファイナル挑戦で初の栄冠を手にした。
マンチェスター・Cが初めてヨーロピアンカップに挑戦したのは、クラブ史上2度目の国内リーグ制覇を果たした直後の1968-69シーズン。当時はトルコのフェネルバフチェに敗れて1回戦で敗退した。それから実に「43年間」も欧州最高峰の舞台から遠ざかり、1998年には国内リーグで3部まで降格した。1999年5月、宿敵マンチェスター・Uがカンプノウで“奇跡”を起こしトレブルを達成するなか、マンチェスター・Cは3部リーグで昇格プレーオフを戦っていたのだ。そこから地道に這い上がると、中東のオーナーによる大改革もあり、2011年に再びCLの舞台に返り咲き、今回こうして悲願の初制覇を果たすこととなった。
結局、マンチェスター・Cは今シーズンのCLを「0敗」で制した。無敗優勝は2007-08シーズンのマンチェスター・U以来のことで、CLでは史上8チーム目、ヨーロピアンカップ時代を含めると史上15チーム目となる。マンチェスター・Cは今シーズンのCLで32得点・5失点という成績を残し、得失点差は「+27」。これはCLの歴史において歴代3位の記録だという。
1955年に発足されたヨーロピアンカップ(1992年にCLに改称)の歴史において、マンチェスター・Cは史上「23クラブ目」のチャンピオンとなる。イングランド勢としてはリヴァプール(優勝6回)、マンチェスター・U(優勝3回)、チェルシー(優勝2回)、ノッティンガム・フォレスト(優勝2回)、アストン・ヴィラ(優勝1回)に次いで6クラブ目。イングランド勢の優勝は通算15度目で、最多記録を持つスペイン勢(19回)に4回差まで迫っている。当然、クラブ別で見ると最多優勝を誇るのはレアル・マドリードの「14回」だ。
今シーズンのマンチェスター・Cはクラブ史上初のプレミリーグ3連覇も達成した。135年の歴史を誇るイングランド・トップリーグにおいて、3連覇は史上「5クラブ目」の大偉業だ。これまではハダースフィールド・タウン(1924~1926)、アーセナル(1933~1935)、リヴァプール(1982~1984)、マンチェスター・U(2度:1999~2001、2007~2009)の4クラブしか成し遂げていなかった。
グアルディオラ監督はイングランドで「5度目」のリーグ制覇。これは1950・60年代にマンチェスター・Uで黄金期を築いたマット・バズビー氏の優勝回数と並び歴代4位タイの記録だ。そして、あと1回でジョージ・ラムジー氏(アストン・ヴィラ)やボブ・ペイズリー氏(リヴァプール)といった歴史的な名将と並ぶ歴代2位まで浮上する。ちなみに歴代最多優勝は、アレックス・ファーガソン(マンチェスター・U)の「13回」だ。
来シーズン、マンチェスター・Cはイングランド・フットボールの歴史において前人未到のリーグ4連覇を目指すこととなる。ちなみに、英国ブックメーカー『ウィリアムヒル』の来シーズンのプレミアリーグの優勝オッズを見ると、マンチェスター・Cが断トツで優勝候補本命となっている。優勝オッズは「1.57倍」で、2番手につけるリヴァプールやアーセナルの「9倍」を大きく引き離している。
念のため、プレミアリーグ得点王のオッズを確認すると、やはりノルウェーの“怪物”が圧倒的に有力視されている。今シーズンのアーリング・ハーランドは、公式戦53試合に出場し52ゴールをマーク。プレミアリーグでは35試合の出場で36ゴールを挙げた。これは1992年に発足されたプレミアリーグの歴代最多ゴール記録。そのためハーランドは、来シーズンのプレミアリーグ得点王オッズでも、ハリー・ケイン(7.5倍)、モハメド・サラー(8.5倍)を抑えて「1.91倍」と断トツで本命視されている。
今シーズンのマンチェスター・Cは、FAカップでも無類の強さを見せつけた。同カップ戦で史上初となった決勝でのマンチェスター・ダービーを2-1で制し、クラブ史上「7度目」の優勝を達成。3回戦から登場したマンチェスター・Cは、一度も失点することなくファイナルに進出。決勝ではPKから失点したものの、仮に完封していたら1888-89シーズン以降で史上3チーム目となる無失点での優勝だった。その決勝戦ではイルカイ・ギュンドアンが試合開始からわずか「12秒」で先制ゴール。これはFAカップの決勝における最速ゴール記録となっている。
結局、今シーズンのマンチェスター・Cは公式戦60試合を戦い、44勝10分け6敗・150得点43失点という成績を残した。勝率は驚異の「73.3%」を記録している。そして今シーズンの公式戦における「150ゴール」は欧州5大リーグに所属するクラブで最多。イングランド・トップリーグのクラブがシーズン150得点以上を記録するのは史上4チーム目となっている。そして実は、他の3回も全て近年のマンチェスター・Cなのだ。
ちなみに、今シーズンの対マンチェスター・C戦で一度も敗れなかったのは「1チーム」だけ。それがプレミアリーグでダブル(ホーム&アウェイで勝利)を達成したブレントフォードである。彼らは昨年11月に敵地でマンチェスター・Cを2-1で下すと、先月28日の最終節でもホームで1-0の勝利を収め、「2勝0敗」の対戦成績でシーズンを終えた。
無類の強さを見せつけ、歴史的偉業を成し遂げた2022-23シーズンのマンチェスター・C。“絶対王者”として臨む新シーズンは、どのようなサッカーを見せてくれるのだろうか。
(記事/Footmedia)
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By Footmedia