前日会見に臨んだスコラーリ監督(左)とチョン・チー(右) [写真]=FIFA via Getty Images
FIFAクラブワールドカップ2015の準々決勝が13日に行われ、クラブ・アメリカ(メキシコ)と広州恒大(中国)が対戦する。試合を翌日に控え、広州恒大のルイス・フェリペ・スコラーリ監督とキャプテンのチョン・チーが記者会見に臨んだ。
指揮官は、「我々は相手をとても尊敬している。クラブ・アメリカのほうが状態は良いと思う。我々はコンディション面で少し不安があるからだ。だが、もちろん勝利を目指すし、勝ち進んでいきたいと思う」とコンディション面を懸念。それでも勝利への意欲を示すと、チョン・チーも、「中国のチームとアジアのチーム両方を代表してここに来ている。そのために良いパフォーマンスをしたいと思う。ACLの後、ずっとこの試合のために準備をしてきた。初戦で良いスタートを切りたい」と高いモチベーションを見せ、意気込みを語った。
また同選手は、「スポンサーがこの大会のためにわざわざ用意してくれたユニフォームだ。今シーズン、私たちはすでに二回優勝した。明日の試合は本当に重要。一生懸命専念したいと思う」と、同大会専用の新しいユニフォームを着用することを明かしている。そして、2度目のクラブW杯について、「気持ちに変わりはない」と話すと、「優勝者になりたいと考えている。前回は4位だった。今回も良いスタートを切って、良い結果を収めたいと考えている」とコメントしている。
続けてスコラーリ監督はチーム状態について言及。試合に勝つために6人の外国人選手を起用する必要があると言われていることに関して、「記者が6人と言うのであれば、私の代わりに監督になってはどうか? 私は毎日選手たちと仕事をしている。4人はケガをしていて2人はまだ回復していない。その2人はプレーしないが、他の選手は普通にプレーできる。明日の試合でその2人が誰だかわかると思うが、今その名前を挙げることはない」と述べた。
同監督は昨年、ブラジル代表を率いて母国開催のワールドカップに臨んだ。同大会ではメキシコ代表と対戦し引き分けに終わっており、「メキシコサッカーはとてもブラジルに似ている。非常にパスワークが上手く、技術レベルが高い。クラブ・アメリカも何人かはメキシコ代表の選手だ。だからメキシカンスタイルだと思う。メキシコ代表に似ているスタイルだと言える。とても高いテクニックとクオリティを持ったチームだ」とメキシコのチームであるクラブ・アメリカに警戒心を示している。
そのワールドカップでは準決勝でドイツ代表に1-7と大敗。さらに3位決定戦でもオランダ代表に0-3と完敗を喫し、スコラーリ監督は大会終了後に辞任した。「それは通常の敗北だ」と振り返る同監督は、現状への満足感を口にしている。
「ブラジルにいようが、日本、韓国、中国にいようがどこにいても監督は負ける。私の人生はそのまま進んで、私は常に勝利の道を歩んでいる。そして幸いにも今は中国に来て、このチームにいる。我々はチャンピオンになったし、普段通りに私のキャリアを進んでいる。だから今、私はブラジルにいようがいまいがただ私の仕事をしている。それだけのことだ。そしてブラジルの人に伝えてくれ。私は今、中国でとても幸せですごく嬉しい。ブラジルではああいうかたちで負けたが、今はとても幸せだ」
最後に中国サッカーについて語ったスコラーリ監督は、「中国サッカーは今、進歩し、改善している。だが、我々広州に関しては経験が足りない。そしてその経験はこういう場で培われる。このような大会やACLでね。だから、こういった大会は我々にとってはとても重要だよ。広州が経験を積むため、中国サッカー全体にとっても経験を得るため、将来のために重要な大会だと考えている」とさらなる成長のためにはクラブW杯のような大会での経験が不可欠だと述べた。
By サッカーキング編集部
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