C・ロナらと対峙した昌子、レアルは「隙を突いてきた」…ファンには感謝

昌子源

C・ロナウドらレアルの攻撃陣と対峙した昌子 [写真]=AMA/Getty Images

 FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016決勝が18日に行われ、鹿島アントラーズ(日本)はレアル・マドリード(スペイン)に延長戦の末2-4で敗れた。この結果、開催国枠から出場した鹿島は準優勝を手にする結果となっている。試合後、フル出場した昌子源がコメントを残した。

 昌子は対戦相手のレアル・マドリードについて「正直、多分前半は本気というか、出していないなというのは、やっているこっちも感じていました」とコメント。その上で「ウチが追いついて、特に後半の入りから少し雰囲気が違って、岳が2点目を決めたときには本当にやっている俺らからしたらガラッと雰囲気が変わって、多分あれが本気なんだろうなとは思ったし、すごい威圧感を感じましたね」と、鹿島がリードを奪った後に相手のパフォーマンスが大きく変化したことを話し、「3失点目がちょっと不用意な形で、隙を突かれたなと。そういう一瞬の隙を突いてきたり、そういうのが上手いし、パスの質やシュートの速さとかも一段と違ったと思うし、そういうのを考えると非常に悔しかったかなと思いますね」と、実力の差を肌で感じたことを明らかにしている。

 敗れたとはいえ、欧州王者に対して堂々のパフォーマンスを披露した鹿島だが、昌子は「見ている人は結果とかで案外できたんじゃないかと思ったかもしれないけど、僕は結構しんどかったです」と一戦を振り返る。「俺は別に思っていないですね、通用したとかは。相手のコンディションとかもあるだろうし、いろいろなことが重なって、かなり僕らのほうが有利なアドバンテージはあったと思う」と謙虚にコメントし、「応援が周りのあまり関係のない人まで巻き込んで、鹿島を応援しているようには僕には聞こえましたし、そういう雰囲気を鹿島のサポーターが作ったことで、僕らにとってすごくやりやすい、相手にとってはやりづらい雰囲気ができたと思うし、それは非常にサポーターの力というものは大きいし、感謝したいところではあります」と詰めかけたファンへのお礼も忘れていない。

 スペイン代表DFセルヒオ・ラモスに2枚目のイエローカードが出なかったシーンについては「出るか出ないかで状況はすごく変わったと思うけど、僕らからしたらエッ、何でカードを引っ込めたのと」と判定に納得がいかない様子。それでも、「4試合やりましたけど、本当にレフリーの質というのはすごく高かった。ビデオ判定とかいろいろありましたけど、本当に選手にストレスなくできた4試合だったかなと」と、大会を裁いた審判団への感謝を口にしている。

 何度も対峙したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドについて、「しても多分、意味ないやろうなと思っていたので」明確な対策は講じていなかったという昌子。その他の選手に関して「僕はイスコ選手とやりたかったと言っていたけど、やっぱり俺は何やかんやで彼が一番すごかったんじゃないかと。あれだけ小っちゃいけどボールは取れんわ、懐は深いわ、落ち着くわですごいなと。同学年ですしね」と、途中出場した同い年のイスコを称賛した。

 今後に向けて昌子は「Jリーグのチームが相手ですし、そこはしっかりとプライドをもって戦わないといけない。かなり広い差とは思うけど地道にやっていて、いずれはレアルに勝った鹿島というのを、世界に鹿島という名前を。惜しいけど負けちゃったね、という覚えられ方じゃなくて、やっぱりレアルに勝った鹿島として覚えられるのがいいことなんじゃないかと思います」と、国内での戦いから全力をつくすことで世界との差を縮めることができると語っている。

 「キャプテンがよく言う『2位も最下位も一緒』とはこのことを言うと思うし、優勝して初めて成長したなとか、優勝して初めていいディフェンスだったと言われると思う」と、あくまでトップを目指していた昌子。3位決定戦に出場したチームのサポーターからも大きな声援が送られたことを伝えられると、「ただでさえここまで来たのは僕らだけの力じゃないし。僕らが連れてきたんじゃなくて、僕らがサポーターの方にここまで連れてきてもらっているので。しっかりとその恩を返せなかったというのが」と悔しさを滲ませ、「それが天皇杯でしっかりと恩を返せるように頑張りたいと思います」と、国内での奮起を決意していた。

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