警察の厳重な警備のもと行われたELのリール対エヴァートン戦 [写真]=Getty Images Sport
ヨーロッパリーグ・グループH第3節が23日に行われ、リールとエヴァートンが対戦した。この試合の前にリール市内の広場で、エヴァートン・サポーターの集団とリール警察が衝突し、7歳の少年が巻き込まれていたことが明らかになった。イギリス紙『デイリー・ミラー』、『テレグラフ』など各紙が報じている。
フランス北部の都市リールには、多数のエヴァートン・サポーターが詰めかけ、試合前日の22日には既に一部のファンが渡仏していたとされる。そして事件は同日夜に起きた。エヴァートンは公式HPを通じて、同クラブのファン数名が市内のバーで、50人ものリール・サポーターから暴行を受けたことを発表。そのうち2名は顔を負傷し、市内の病院に搬送された。さらに『テレグラフ』は、薬物の売買を行ったとして数名のエヴァートン・サポーターが逮捕されたことも伝えた。
これを受けてか、エヴァートン・サポーターは23日午後にリール市内のグラン・プラスに集結し、青の発煙筒を焚いたり、クラブの応援歌を歌うなどの騒ぎを起こしていた。1名が警察に逮捕されると、そこからサポーターが暴徒化。リール警察は鎮圧を図り、集団に向けて閃光弾、催涙弾などを発射する。さらに、ファンが警察にビンなどを投げると、ゴム弾で対抗し、サポーター1名の頭部を直撃したと報じられている。
『デイリー・ミラー』によると、被害を受けたエヴァートン・サポーターの中には7歳の少年も含まれており、催涙スプレーをかけられた模様。少年の父は「私たちは何が起こっているかを彼らに説明しに行ったんだ。でも警察は警棒を取り出して『ノー・イングリッシュ!』とだけ言って、追い返された。これが話の結末だ」と主張した。
一方、在英フランス大使館広報は、警察のこれらの対応に関して「警察には広場の安全を守る責任がある。リール対エヴァートンの試合のために、1000人以上のイギリス人が訪れた。そして昨日、すでに薬物事件が起きていた。逮捕者が出て、警察に向けてビンを投げるなどの敵対行動が行われた」と説明し、原因はサポーター側にあると声明を出している。
続けて「鎮圧班は暴徒を追い返すために閃光弾を用い、自己防衛のために2度ゴム弾を発砲した。警察側に負傷者は出ておらず、その後は逮捕者も出ていない」と報告した。
なお、試合は0-0の引き分けに終わっている。