小野が「一番」と書かれた日の丸のハチマキを巻いて優勝トロフィーを掲げた姿は印象的なシーンとして強く記憶に残っている [写真]=AFLO
今から16年前の2002年5月8日、小野伸二が所属するフェイエノールト(オランダ)が、ドルトムント(ドイツ)との決勝戦を制して、UEFAカップのタイトルを獲得した。
当時22歳の小野は浦和レッズからフェイエノールトに加入して1年目。ボランチの位置でレギュラーに定着し、この日も18歳の俊英ロビン・ファン・ペルシや、デンマーク代表の点取り屋ヨン・ダール・トマソンらとクリエイティブな中盤を形成。最前線にはこのシーズンのリーグ得点王とMVPを受賞したピエール・ファン・ホーイドンクが君臨した。
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小野はこのシーズン移籍1年目ながら、公式戦42試合に出場を果たした [写真]=Getty Images
対するドルトムントは、英雄マティアス・ザマー監督に率いられ、このシーズンのマイスターシャーレを獲得するなど、一時の不振から復活を遂げつつあった。天才トマーシュ・ロシツキーが中盤でタクトを振るい、2メートル超の巨漢ヤン・コレルとチェコ代表のホットラインを形成。周囲もラース・リッケンらドイツ代表勢や、リーグ得点王のマルシオ・アモローゾらブラジル人の実力者たちで固められた。
準決勝でフェイエノールトはGKフランチェスコ・トルドらを擁するインテルに、ドルトムントは、DFパオロ・マルディーニが統率するミランに複数得点で勝利を挙げるなど、両チームともにカテナチオを打ち破るだけの強力な攻撃陣を擁していた。この決勝戦でも計5ゴールが生まれ、最終スコアは3-2でフェイエノールトが競り勝った。
ホームの大声援を受けて28年ぶりの欧州タイトルを獲得
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試合はフェイエノールトのホーム・スタジアムであるロッテルダムの「デ・カイプ」で開催された。発煙筒の煙がピッチを包み込む中、サポーターの後押しを受けたフェイエノールトが立ち上がりから勢いに乗り、31分にトマソンがゴール前で相手DFユルゲン・コーラーに倒されてPKを獲得。このプレーでコーラーは退場となり、PKをファン・ホーイドンクが決めてフェイエノールトが先制した。さらに40分にはファン・ホーイドンクが直接フリーキックを叩き込み、フェイエノールトの2点リードで前半を折り返した。
ドルトムントも後半立ち上がりすぐ、アモローゾが自身で得たPKを決めて追いすがったが、50分にリッケンのトラップミスを逃さず、ボールを奪った小野伸二が浮き球のパスを前方に送ると、ゴール前に抜け出したトマソンが相手GKイェンス・レーマンとの1対1を制してゴールに流し込み、フェイエノールトが3-1と突き放した。小野はその後も左サイドからのクロスでトマソンのボレーシュートを導くなど、決定機を創出した。
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チェコ代表のコレル(左)と競り合う小野(右)は好機を何度も演出して優勝に貢献した [写真]=Getty Images
ドルトムントも58分、ペナルティエリア外で相手DFのクリアボールをヤン・コレルが胸トラップし、ワンバウンドさせたボールを右足で一閃。インステップ気味に放たれたシュートは強烈な勢いで相手ゴールに吸い込まれた。ドルトムントはその後もコレルにボールを集めて攻勢に出るが、フェイエノールトが1人多いハンデを生かしながら、3人の交代枠を使って凌いで、最後までリードを守り切った。
日本人選手として初めて欧州カップ戦での優勝を達成
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日本人初の欧州カップ戦タイトルを獲得した小野。現在でもこの偉業を成し遂げた日本人で唯一の存在である [写真]=AFLO
小野にとっては、このUEFAカップ優勝がプロ入り後、自身初のメジャータイトルとなり、日本人選手として初めて欧州カップ戦での優勝達成となった。その約1カ月後には日本代表として日韓ワールドカップを戦い、ベスト16入りに貢献し、2002年度のアジア年間最優秀選手賞を受賞するなど、充実のシーズンを送った。2006年1月に浦和レッズに復帰するまで、フェイエノールトでは5シーズンにわたり活躍した。
38歳となり、現在はコンサドーレ札幌でプレーする小野は、この試合のピッチに立った選手たちのなかで、数少ない現役選手の一人である。もう一人の現役であるファン・ペルシは2004年にイングランドへと巣立ち、当時のウィングから最前線へとポジションを移して2度のプレミアリーグ得点王に輝いた。トルコでのプレーを経て今年1月、生まれ故郷のロッテルダムに帰還し、11試合で5ゴールを決めるなど、34歳となった今も健在ぶりを示している。
なお、UEFAカップは2009-10シーズンに大会名称と形式が改められ、UEFAヨーロッパリーグとして現在に引き継がれている。
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By サッカーキング編集部
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