在籍6年半で6タイトル獲得したシメオネ監督 [写真]=Getty Images
ヨーロッパリーグ(EL)決勝が16日に行われ、アトレティコ・マドリードは日本代表DF酒井宏樹が所属するマルセイユと対戦。3-0と快勝し、6年ぶり3度目のEL制覇を果たした。
アトレティコ・マドリードを率いるディエゴ・シメオネ監督にとっては、2011年12月の就任から約6年半で6個目のタイトル獲得になる。スペイン紙『マルカ』によると、同クラブの指揮官としては、スペイン代表監督も務めたルイス・アラゴネス氏と並んで歴代最多記録になるという。
なお、ELの歴代優勝監督のうち、ヨーロッパ出身者以外はシメオネ監督のみ。今大会は、アーセナルとの準決勝ファーストレグで審判に暴言を吐いたとして4試合のベンチ入り禁止処分を科され、マルセイユとの決勝戦ではチームの指揮を執ることができなかった。それでも、選手たちに植え付けた「パルティード・ア・パルティード(1試合、1試合)」のメンタリティで、2011-12以来のEL優勝を勝ちとった。
今や“名将”の1人に挙げられるシメオネ監督のもと、アトレティコ・マドリードが達成した優勝の数々を振り返る。
■2011-12 ヨーロッパリーグ
決勝:アトレティコ・マドリード 3-0 アスレティック・ビルバオ(スペイン)
2011年12月、アトレティコ・マドリードは成績不振を理由にグレゴリオ・マンサーノ監督(現・貴州智誠監督)を解任。クラブOBのディエゴ・シメオネを新監督に任命した。するとアルゼンチン人指揮官は、アグレッシブな全員守備と鋭いカウンターを武器とするクラブ伝統のスタイルで戦うことを選手たちに徹底。“原点回帰”を果たしたチームは短期間で変貌を遂げると、決勝トーナメントを9戦全勝で駆け抜けてEL優勝を成し遂げた。
■2012 UEFAスーパーカップ
アトレティコ・マドリード 4-1 チェルシー(イングランド)
シメオネ体制発足からわずか5カ月でEL優勝を果たしたアトレティコ・マドリードは、その3カ月後に再びタイトルを手にいれる。モナコで開催されたUEFAスーパーカップでチェルシーと対戦すると、4-1と圧勝。コロンビア代表FWラダメル・ファルカオ(現モナコ)がハットトリックを決める大活躍を見せて、前年度のチャンピオンズリーグ(CL)王者を一蹴してみせた。
■2012-13 コパ・デル・レイ(国王杯)
決勝:アトレティコ・マドリード 2-1 レアル・マドリード
シメオネ監督が注入した“勝者のメンタリティ”が如何なく発揮されたのが、2012-13シーズンのコパ・デル・レイ(国王杯)決勝だった。相手は宿敵レアル・マドリード。さらに、敵地サンティアゴ・ベルナベウでの試合という悪条件ながら、延長前半にブラジル代表DFミランダ(現インテル)が値千金のゴールを決めて、2-1の逆転勝利を収めた。直近のダービーマッチは10連敗中、連続未勝利試合は「25」まで伸びていた。だが、14年間続いた不名誉な記録を断ち切ることに成功した。
■2013-14 リーガ・エスパニョーラ
第38節(最終節):バルセロナ 1-1 アトレティコ・マドリード
就任1年目にEL、2年目にはUEFAスーパーカップ、コパ・デル・レイと、立て続けにタイトルを獲得したシメオネ監督。迎えた就任3年目に、1つの“奇跡”を起こしてみせた。リーガ・エスパニョーラで開幕8連勝という好スタートを切ると、その後も失速することなく首位をキープ。迎えた最終節で2位バルセロナとの“優勝決定戦”に臨むと、敵地カンプ・ノウで1-1のドローゲームを演じて、18年ぶり通算10度目のリーグ優勝を成し遂げた。それまで過去9シーズンにわたって覇権を分け合ってきたバルセロナとレアル・マドリードの“2強時代”に終止符を打ち、“3強時代”の幕開けを告げた瞬間でもあった。
■2014 スーペルコパ・デ・エスパーニャ(スペイン・スーパーカップ)
2試合合計:アトレティコ・マドリード 2-1 レアル・マドリード
スーペルコパ・デ・エスパーニャで実現した初の“マドリード・ダービー”。リーグ王者となったアトレティコ・マドリードに、もはや“苦手意識”はなかった。敵地でのファーストレグを1-1のドローで乗り切ると、ホームでのセカンドレグはクロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチ(現ユヴェントス)の決勝点で1-0と勝利。シメオネ監督就任から、4シーズン連続でのタイトル獲得となった。
■2017-18 ヨーロッパリーグ
決勝:アトレティコ・マドリード 3-0 マルセイユ(フランス)
新本拠地ワンダ・メトロポリターノのオープンや新エンブレムの採用、さらにシメオネ監督の契約延長など、新たなスタートを切った2017-18シーズンは予想以上の苦戦を強いられた。補強禁止処分の影響で新戦力による強化を実現できず、CLではまさかのグループステージ敗退。それでも、処分が解禁された2018年以降、復帰したスペイン代表FWディエゴ・コスタとフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンの2トップを中心に白星を重ねていく。ELでは決勝トーナメント9試合で7勝1分け1敗、20得点4失点と抜群の安定感を披露して優勝。クラブとして、1363日ぶりのタイトル獲得を実現した。
(記事/Footmedia)
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By Footmedia