スカマッカ(右)は2ゴールで完勝の立役者に [写真]=Getty Images
ヨーロッパリーグ(EL)・準々決勝ファーストレグが11日に行われ、リヴァプール(イングランド)とアタランタ(イタリア)が対戦した。
現在、リヴァプールはプレミアリーグでも優勝争いに身を置いている。今季はヨーロッパのコンペティションとしてはELに参戦しており、グループFを4勝2敗の成績で首位通過。ラウンド16では攻撃陣が爆発し、スパルタ・プラハ(チェコ)相手に2戦合計11-2と力の差を見せつけた。
一方、アタランタは現在セリエAで6位と、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を争う位置につけている。ELではグループDに組み込まれると、4勝2分と無敗で駆け抜け、守田英正が所属するスポルティング(ポルトガル)を抑えて首位通過。ラウンド16では、決勝トーナメントプレーオフを勝ち抜いてきたスポルティングと“再戦”し、2戦合計3-2と激闘を制していた。
最後にELに出場した2015-16シーズンは準優勝に終わっており、当時以来のベスト4入りを狙うリヴァプールは、フィルジル・ファン・ダイク、アレクシス・マック・アリスター、ダルウィン・ヌニェスといった面々がスターティングメンバー入り。遠藤航も中盤の底で先発に名を連ねた。モハメド・サラー、ドミニク・ソボスライ、ルイス・ディアスといった選手たちはベンチから出番を待つ。一方、初のベスト4入りを狙うアタランタは、マリオ・パシャリッチ、トゥーン・コープマイネルス、ジャンルカ・スカマッカらがスタメンに並んだ。
試合は立ち上がりの3分、アタランタが決定機を作る。敵陣左サイドまで飛び出してボールを奪い取ったマルテン・デ・ローンがスルーパスを送ると、このボールにスカマッカが反応。右足での折り返しはブロックされたものの、ファン・ダイクがセカンドボールをクリアしようとしたボールがディフレクションし、ゴール前にボールがこぼれる。飛び込んだマリオ・パシャリッチがダイレクトで狙ったが、飛び出してきたGKクィービーン・ケレハーに阻まれた。
その後はリヴァプールがボールを保持しながら、敵陣へ押し込む時間が続く。15分にはルーズボールを遠藤がうまく収め、ボールを引き取ったカーティス・ジョーンズがスルーパス。抜け出したヌニェスがループシュートを狙ったが、わずかに枠を外れる。さらに26分には、ボックス右でセットプレーのクリアボールを拾ったハーヴェイ・エリオットが左足を振り抜くと、カーブのかかった一撃はクロスバーからポストに当たり、得点とはならない。
対するアタランタは前半の終盤に差し掛かると、徐々に自分たちのリズムで前へ出る時間を作っていく。そんな状況で迎えた38分、ベラト・ジムシティ、コープマイネルスと繋いでボールが右サイドのスペースへ流れると、抜け出したダヴィデ・ザッパコスタがマイナスへ折り返す。最後は中央へ走り込んだスカマッカがダイレクトで叩き込み、アタランタが先手を取って前半を終えた。
ハーフタイム明けにはリヴァプールが動く。C・ジョーンズ、エリオット、コスタス・ツィミカスを下げて、ソボスライ、サラー、アンドリュー・ロバートソンを投入した。立ち上がりは1点を返すべくリヴァプールが前への圧力を強め、55分には早速サラーにチャンスが到来。左サイドでボールを繋ぐリヴァプールは、前を向いた遠藤がスルーパスを送る。ここは相手にケアされたものの、粘りを見せたヌニェスがボールを残し、コーディ・ガクポを経由してボールを受けたサラーがフィニッシュまで持ち込む。1度ブロックされたこぼれ球にサラーが左足を振ったが、ここはGKフアン・ムッソが立ちはだかった。
後半の序盤は背後への意識を強めたリヴァプールの時間が続いたが、アタランタは61分に待望の追加点を奪う。敵陣右サイドのスペースへ流れてスルーパスを引き出したシャルル・デ・ケテラーレがアーリークロスを放り込むと、ボックス内でフリーになっていたスカマッカが左足で合わせる。ピンポイントのクロスからスカマッカがこの日2点目を挙げ、アタランタがリードを広げた。
ホームで負けられないリヴァプールは再度反撃の糸口を探ったものの、マンツーマン気味で人に対して厳しくいくアタランタの守備を攻略しきれない。79分には、内側のスペースをフリーで駆け上がったロバートソンがグラウンダーのアーリークロスを供給し、ファーサイドから走り込んだサラーがゴールネットを揺らしたものの、ここはオフサイドのため得点は認められなかった。
すると83分、アタランタがトドメを刺す。ピッチ中央付近でソボスライからボールを奪ったスカマッカがスルーパスを送ると、前線へ駆け上がったエデルソンがフィニッシュまで持ち込む。ここはGKケレハーに弾き出されたものの、こぼれ球をパシャリッチが押し込み、勝利を決定付けた。
試合はこのままタイムアップ。今季、リヴァプールは本拠地の『アンフィールド』での公式戦26試合目にして、初黒星を喫した。遠藤は76分に途中交代している。一方、アタランタとしてはチームの強みを遺憾なく発揮した上での完勝となった。当時は無観客だったとはいえ、2020-21シーズン以来となる『アンフィールド』での白星を飾っている。3点もの大きなリードを持ってセカンドレグへ向かうこととなった。
セカンドレグは1週間後の18日、アタランタのホームに移って開催される。
【得点者】
0-1 38分 ジャンルカ・スカマッカ(アタランタ)
0-2 61分 ジャンルカ・スカマッカ(アタランタ)
0-3 83分 マリオ・パシャリッチ(アタランタ)
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By サッカーキング編集部
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