マンチェスター・Uの英雄ポール・スコールズ氏 [写真]=Man Utd via Getty Images
日本代表MF香川真司が所属するマンチェスター・Uの元英雄ポール・スコールズ氏が、現代サッカー界の若手選手について「精神面が弱い」と警鐘を鳴らした。8日のイギリス紙『デイリーメール』が報じた。
スコールズ氏は、現代サッカー界においてクラブの若手選手がトップチームで頭角を現せずに消えていく理由として、自立心や忍耐力といった人間の基礎を形成することなく、若くして早すぎる富を得てしまうが故の精神面の弱さを挙げた。
「(現在の)若手選手は気持ちが強くない。アカデミー選手は学校や練習場で送迎されているし、必要なものを全て持っている」
「僕らが子供の時、それが正しかったとは言わないが、僕はニッキー(バット)と一緒に朝9時の練習に行くために3つのバスを乗り継いでクリフ練習場まで行っていた。帰宅する時も同じだった。僕らは今の選手よりも街の環境で生き抜くすべを知っていたと思う」
「最近の子供は精神力が弱いと思うし、周囲に甘えすぎている。彼らは掃除もしなければ、スパイクの手入れもしない。基礎知識はどこで養うのだろう」
「若手選手が興味を寄せるものは金と車であるように思うし、それは馬鹿げている。馬鹿なのはユナイテッドだけでなく、他のクラブもそうだ。事実かどうかは知らないが、そうした話をよく聞く。昨シーズンのU-21プレミアリーグ決勝では、(優勝した)チェルシー選手の週給が1万5000〜2万ポンド(約260〜340万円)だと聞いた。まだトップチームでプレーさえしていないのに」
イングランドサッカー界では近年、クラブがアカデミーに積極的な投資を行っているが、プレミアリーグ強豪クラブから生え抜き選手がなかなか出てこない風潮にある。スコールズ氏の指摘は、金満体制が若手にもたらす欠点を忠告している。