先月、精巣がんの治療を続けていることを明らかにしたニューカッスルのMFホナス・グティエレス。
昨年5月、相手選手との接触で負った睾丸の痛みや腫れが収まらないことから精密検査を受け、そこで腫瘍が見つかった。昨年10月に左の睾丸を摘出する手術を受けた後、一度はピッチに復帰してローン移籍先のノリッチでプレーをしたが、昨シーズン終了後、オフを挟んで、現在は残された化学療法の「最後のセッション」を完了させるため、母国アルゼンチンに戻っている。
今月12日、ブエノスアイレス・マラソンの会場に、そんなグティエレスの姿があった。がん治療の研究を世に広く知ってもらうため、そして寄付金を集めるチャリティーのため、彼は同大会に参加したのだ。化学療法によってトレードマークの長髪姿はスキンヘッドに変わっていたが、彼は沿道からの声援に笑顔で応えながら、見事に42.195kmを走り抜き、完走を果たした。
レース後、グティエレスは自身のツイッターで「レース中にサポートや励ましをくれたブエノスアイレス・マラソン参加者のみなさん、どうもありがとう」とコメントしている。
がんの発覚後、最初は家族やチームメイトのDFファブリシオ・コロッチーニなど数名の親友にしか病気のことを明かしていなかったグティエレスだが、彼は「同じ病気で苦しんでいる人の助けになりたい」という思いから公表を決断した。今回のマラソン参加は、その“有言実行”を果たした形になった。
そんな彼に対しては、世界中から激励が集まっている。マラソン前日の11日、北京でブラジル代表との親善試合を行ったアルゼンチン代表の選手たちは、スタジアムで「FUERZA JONAS(がんばれホナス)」の横断幕を掲げた。それ以外にも、ニューカッスルのチームメートやスタッフ、さらにはサポーターからも、励ましのメッセージが日々届いているという。
病気に屈せず、マラソンを走って元気な姿を見せてくれたグティエレス。次はピッチで、再びボールを蹴り、タッチライン際を駆け抜ける姿が見たい。
(記事/Footmedia)