アーセナル戦に途中出場したサウサンプトンのDF吉田麻也(右)[写真]=Getty Images
文=藤井重隆
日本代表DF吉田麻也が所属するサウサンプトンが、3日に敵地で行われたプレミアリーグ第14節のアーセナル戦に0-1で敗れ、今シーズン初のリーグ2連敗で順位を3位に落とした。
2連敗を喫した相手が同リーグの昨シーズン覇者マンチェスター・C、チャンピオンズリーグ常連のアーセナルという強豪だったこともあるが、一方でサウサンプトンはここへきて負傷者を続出させている。
アーセナル戦に欠場した攻守の要であるフランス代表MFモルガン・シュネデルラン(股関節)をはじめ、アーセナル戦で負傷した攻撃の中核を担うセルビア代表MFドゥシャン・タディッチ(股関節)、そして今シーズン加入後に吉田からポジションを奪ったDFトビー・アルデルヴァイレルト(腿裏)だ。今シーズン開幕から好スタートを切ってきたサウサンプトンに彼らの存在は必要不可欠だっただけに、年末年始の過密日程を前にした主力の離脱は大きな痛手となる。
この不測の事態にロナルド・クーマン監督も来年1月の移籍市場での補強を示唆し、次のように語っている。
「我々はシーズン終了まで戦い抜きたい。1月に吉田がアジアカップ(1月9日〜31日にオーストラリアで開催)で抜けてしまい、(セネガル代表MFサディオ・)マネもアフリカ選手権(1月17日〜2月8日に赤道ギニアで開催)で離脱する。この状況についてはクラブ内ですでに話しているし、加えて負傷者も出ているから、何か手を打たなければならない」
「アルデルヴァイレルトのけがの様子も見なければならないが、腿裏だから少なくとも2週間はかかるかもしれない。過密日程の影響で他のチームにも負傷者が出ているが、我々はアーセナルのように層が厚くないし、12月の過密日程をプレーする上で、それは我々のような格下チームには大きな問題だ」
アルデルヴァイレルトの離脱はチームにとっては痛手だが、代役を務める吉田にとっては待ちに待った念願のアピールの場となる。仮にアルデルヴァイレルトが2週間離脱したとして、吉田が得られる出場機会は3〜4試合のみとなるが、年末年始は中1日〜3日のペースで4試合をこなすため、ローテーションで出場する可能性も出てくるだろう。
<12月>
8日:マンチェスター・U戦(ホーム)
13日:バーンリー戦(アウェー)
※15日前後、日本代表アジアカップ最終メンバー23名発表
16日:シェフィールド・U戦(アウェー)※キャピタル・ワン・カップ準々決勝
20日:エヴァートン戦(ホーム)
26日:クリスタル・パレス戦(アウェー)
28日:チェルシー戦(ホーム)
※29日から日本代表国内合宿開始
<1月>
1日:アーセナル戦(ホーム)
※2日から日本代表オーストラリア入り
3日または4日、FAカップ3回戦(64強)
昨シーズン8位と健闘したサウサンプトンが今シーズン4敗を喫したチームは、昨シーズン自分たちを上回る順位で終えたリヴァプール、トッテナム、マンチェスター・C、アーセナルとなっており、今後控えるマンチェスター・U戦、エヴァートン戦、チェルシー戦では7強との間にある壁を崩せるかどうかにも注目が集まる。
1月の移籍市場でサウサンプトンが新たにDFを補強することになれば、吉田がアジアカップで離脱する1カ月の間にチームが変貌する可能性も十分にあり得る。いずれにせよ、吉田にとっては今後、元旦にかけての7試合が今シーズン最大のアピールの場となりそうだ。