廃刊となった『レッド・イシュー』 [写真]=Getty Images
文=藤井重隆
英国サッカー文化の灯がまた一つ消えた。
マンチェスター・Uのサポーターによって1989年2月より約26年に渡り毎月発行されてきたファンジン(Fanzine=ファンの雑誌)『レッド・イシュー』が、1月11日にホームで行われたサウサンプトン戦で販売された第295号をもって廃刊した。廃刊は経営難によるものではなかったという。
2013年にマンチェスター・Uから勇退したアレックス・ファーガソン元監督が、同クラブに就任したのが1986年。当時、マンチェスター・Uは1967年を最後にリーグ優勝から遠ざかっており、新任のファーガソン氏も停滞して無冠が続いたことから、当時のサポーターは皮肉や批判を込めて3つのファンジンを創刊した。
1987年創刊のクラブ史上初となるファンジン『レッド・ニューズ』、その2年後に同誌から派生したのが『レッド・イシュー』だった。他にも1989年に元マンチェスター・U所属の大叔父を持った当時15歳の青年が創刊した『ユナイテッド・ウィー・スタンド』を合わせた3誌が同クラブ3大ファンジンとして、ファンの間では親しまれてきた。
『レッド・イシュー』共同創設者の一人、ザー氏が最終号で述べた現代サッカー界への怒りは熱烈に忠実なファンから大きな共感を得ている。
「我々が愛着を持って接してきたフットボールはもう存在しない。今のフットボールは手拍子で歌う家族、敵チームとの融合マフラー、観光客、自撮り棒のスポーツになってしまった。もはやそれと争おうとしても無駄である」
「我々はそうした全ての問題や論争について過去二十数年間、死んでしまった文化に対する怒りと共に繰り返し論じてきた」
「あるユナイテッド関係者は最近、ウォーリック・ロード(ザ・トラッフォードという地元ファンのパブの別称)で我々にこう話した。『職場のみんながレッド・イシューを読んでいる。仕事の解毒剤になる』と」
「だが、我々の解毒剤はどこにある? 『でたらめ業界』は傍若無人となった。もはや我々はこの悪臭に耐え兼ねてしまった」
一方、ファンジンのコラムニストでマンチェスター・Uの体制について常に辛口評価で奮起を促してきたミスター・スプリーン氏も「長年かけて馬鹿なやつらに反対しても疲れるだけ。やせ腕にも骨があるということだ」と現代サッカー界のファンの風潮を批判する。
“ファンの声を代弁するファンジン”として、マンチェスター・Uのサポーター団体『MUST』と親密な関係を築き上げ、彼らの声を発信してきた『レッド・イシュー』。その老舗誌の廃刊にマンチェスター・Uの筋金入りのファンからは憂愁のため息が漏れている。
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