1980年代にチェルシーでプレーしたカノーヴィル氏 [写真]=Getty Images
チェルシーは17日、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦ファーストレグでパリSGと対戦し、1-1で引き分けた。同試合前にチェルシーのサポーター集団が、パリ市内の地下鉄で黒人の乗車を妨害したことについて、同クラブ初の黒人選手として知られるポール・カノーヴィル氏が言及した。18日付のイギリス紙『テレグラフ』がコメントを伝えている。
チェルシーのサポーター集団は、地下鉄を利用し試合会場のパルク・デ・プランスに向かう途中、リシュリュー・ドゥルオー駅で乗車を試みる黒人男性を2度にわたって押し返し、乗車を妨害。さらに同集団が「俺たちはレイシスト!俺たちはレイシスト!これが俺らのやり方だ!」というチャントを歌っていた場面が動画に収められ、問題になっている。
これについて、1981年にチェルシー初の黒人選手であったカノーヴィル氏は「その話を聞いた時はとてもショックであったし、当惑した。そしてとても恥たよ。そして実際に動画を見て驚愕した」と、複雑な心境を明かした。
続けて「私がその集団の前にいたら、どのように感じただろうか?私が言えることは、私はそのバカどもの前に立ちたい。そして私が誰であるかを彼らに告げ、彼らが同じような行為をするのかを見てみたいね。きっと違ったことが起きるだろう」と述べ、かつて同クラブの選手だった自身に対して同じようなことは出来ないだろうと推測している。
また、選手時代を振り返り「私は(差別行為の)何から何までチェルシー時代に経験した。どのクラブでもそうした行為は行われた」と、自身もサポーターから差別を受けていたと告白。続けて「我々は人種差別を無くそうと尽力し、その運動が発展したことを感じていた。だが、いまだにこうした行為は無くなっていない。我々は様々な運動を行ったが、再び足元を見て、なんとかしていかなくてはならない」と今後も人種差別撲滅に向けて活動しなくてはいけないと主張した。
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