FAカップ準々決勝が7日に行われ、アストン・ヴィラとウェスト・ブロムウィッチ(WBA)が対戦し、アストン・ヴィラが2-0で勝利した。同試合の後半アディショナルタイムに、勝利を確信した多くのアストン・ヴィラ・サポーターが、一足先にピッチに乱入して一時試合が中断した他、試合終了のホイッスルが吹かれると同時にピッチがサポーターで埋め尽くされた。同日付のイギリス紙『デイリー・メール』が報じている。
0-0のまま迎えた51分、アストン・ヴィラが攻めこむ。右サイドを突破した元フランス代表MFシャルル・ヌゾグビアが中央へ折り返すと、この日キャプテンマークを巻いていたイングランド代表MFファビアン・デルフが左足で強烈なシュートを突き刺した。この時点で興奮したサポーターがデルフに抱きつきにいくなど、スタジアムは熱気で満ち溢れていた。
さらに85分、カウンターからMFスコット・シンクレアが得点を挙げると、割れんばかりの大歓声が沸き起こる。5年ぶりの準決勝進出が濃厚となると、ホームのアストン・ヴィラ・サポーターは、試合終了のホイッスルを今か今かと待ちわびていた。
3日に行われたプレミアリーグ第28節でも顔を合わせた両チーム。結果は、2-1で勝利したアストン・ヴィラが泥沼の7連敗を止め、降格圏を脱出していた。今シーズンはここまでわずか15ゴールと苦しい戦いが続き、サポーターも不満を募らせていただけに、公式戦2連勝となれば、残りのシーズンに向けて大きな弾みとなる。
そして後半アディショナルタイム4分、ボールがタッチラインを割ると、興奮した多くのアストン・ヴィラ・サポーターがピッチに乱入。掲示されていたアディショナルタイムは5分だったため、まだ残り1分ほどある場面での乱入に、一時試合が中断してしまう。
警備員がサポーターをピッチから追い出して再び試合が再開され、今度こそ試合終了のホイッスルが鳴ると、ピッチ脇で待機していたサポーターが一斉にピッチ内に入り、あっという間に群衆で埋め尽くされてしまった。
逃げ遅れた選手は、サポーターに捕まり手荒い祝福を受けるなど、アストン・ヴィラがまるで優勝したかのような喜びようだった。今後、安全管理の問題でクラブが処分を受ける可能性はあるが、アストン・ヴィラ・サポーターにとっては、最高の夜になったようだ。
なお、準々決勝もう一試合ではチェルシーやサンダーランドを破ったリーグ1(3部)のブラッドフォードが、チャンピオンシップ(2部)のレディングと0-0で引き分け、再試合となっている。また、8日にはリヴァプールとブラックバーン(2部)、9日にはマンチェスター・Uとアーセナルが4強入りをかけて対戦する。