12日のダービー戦でマンUに敗れたマンC [写真]=Getty Images
マンチェスター・Cは、12日に行われたプレミアリーグ第32節、マンチェスター・Uとの”マンチェスター・ダービー”で2-4の敗戦を喫した。これにより、首位チェルシーとの勝ち点差は「12」に広り、唯一タイトル獲得の可能性を残していたリーグ戦もあと6試合で、今シーズンは無冠が濃厚となっている。
イギリスメディア『BBC』は12日、現行の戦力を見直す必要があるとして誰が残り、誰が去るべきなのか、選手たちを査定し発表している。
現在、前プレミアリーグ王者であるマンチェスター・Cは優勝争いから一歩退き、チャンピオンズリーグのプレーオフ出場権を得ることができるリーグ4位を死守することが当面の目標となりそうである。今シーズンの終わりをどのような結果で迎えるにしろ、マヌエル・ペジェグリーニ監督率いるマンチェスター・Cは現存戦力にメスを入れる必要に迫られている。
『BBC』によるマンチェスター・Cの各選手に対する査定は以下の通り。
▼ウィリー・カバジェロ(GK)
年齢:33
加入年度/移籍金:2014年/600万ポンド(約10億5000万円)
今シーズンの出場試合数:2試合
「カバジェロはマヌエル・ペジェグリーニ監督が古巣のマラガから引き抜いたGK。今シーズンのカバジェロはけがに悩まされて良いパフォーマンスを未だ見せられておらず、正GKハートのバックアッパーに甘んじている」
【査定】 残留の可能が高い
注:「カバジェロは今シーズンのサンダーランド戦とハル・シティ戦の2試合に出場してそれぞれの試合で1失点を許しているが、2試合とも勝利をおさめている」
▼ジョー・ハート(GK)
年齢:27
加入年度/移籍金:2006年/50万ポンド(約8800万円)
今シーズンの出場試合数:30試合
「マンチェスター・U戦では良いパフォーマンスを見せられなかったものの、イングランド代表GKのハートはマンチェスター・Cの他の選手に比べ好調を保っている。もし今夏にマンチェスター・Cが戦力を大幅入れ替えするとしてもチームの中心選手であるハートは残留するだろう」
【査定】 残留確定
注:「今シーズン、ハートは2700分間プレーしており、マンチェスター・Cの他のどの選手よりも出場時間が長い」
▼ガエル・クリシー(SB)
年齢:29
加入年度/移籍金:2011年/700万ポンド(約12億3000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:23試合/1ゴール
「チームへの貢献度の高い選手だが、選手としてのピークは過ぎたか。マンチェスター・Cが来シーズンのタイトルを獲得するためには新たな左サイドバックが必要だろう」
【査定】 控えとしては問題ないが、先発としては物足りない。
注:「今シーズン、クリシーは50以上のタックルの内81パーセントの成功率を誇っており、マンチェスター・Cで最もタックル成功率が高い」
▼マルティン・デミチェリス(CB)
年齢:34
加入年度/移籍金:2013年/420万ポンド(約7億4000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:25試合/1ゴール
「加入当初はプレミアリーグに順応するのに苦労したが、今シーズンは最終ラインで存在感を見せつけている。もしフロントが若いCBを求めるならば、年齢がネックになるだろう」
【査定】 現在は好調なパフォーマンスを見せており今夏に放出することはないだろうが、長期的な展望から見るとさらなる若い戦力が求められる。
注:「今シーズンのデミチェリスはチームで一番クリア数(131)が多い」
▼アレクサンダル・コラロフ(SB)
年齢:29
加入年度/移籍金:2010年/1900万ポンド(約33億4000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:15試合/0ゴール
「出場機会はそこそこあるものの、長期的な戦力としては厳しいか」
【査定】 売り時。
注:「今シーズンはコラロフはまだ得点を決めていないが、これまでの4シーズンで常に最低1得点を決めている」
▼ヴァンサン・コンパニ(CB)
年齢:29
加入年度/移籍金:2008年/600万ポンド(約10億5000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:23試合/0ゴール
「今シーズン、チームのキャプテンであるコンパニはけが明け以降は本来のパフォーマンスからはほど遠く、これまでにない守備の不安定さを見せている。しかし、今夏に過密スケジュールから解放されれば本来のパフォーマンスを取り戻す可能性はある」
【査定】 統率力と経験のあるDFであり放出するにはまだ早い。来季での巻き返しに期待。
注:「コンパニは今シーズン、チームで最も多くのイエローカード(7枚)をもらっている」
▼エリアカン・マンガラ(CB)
年齢:24
加入年度/移籍金:2014年/3200万ポンド(約56億2000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:19試合/0ゴール
「今シーズン、ポルトからの移籍したマンガラは未だプレミアリーグへの適応に問題を抱えており、期待通りのパフォーマンスを見せることができていない」
【査定】 高い移籍金に見合ったパフォーマンスを見せられていない。
注:「マンガラのパスの成功率は94パーセントでチームのDFでは最もパス成功率が高い」
▼バカリ・サニャ(SB)
年齢:32
加入年度/移籍金:2014年/フリー
今シーズンの出場試合数/ゴール数:9試合/0ゴール
「サニャはアーセナルからフリーで移籍してマンチェスター・Cと3年契約を結んだ。ペジョグリーニ監督に重宝されているサニャだが、もっと若い選手の起用が望まれる」
【査定】 将来性に欠けるが、貴重なバックアッパーとしてチームに残るだろう。
▼パブロ・サバレタ(SB)
年齢:30
加入年度/移籍金:2008年/650万ポンド(約11億4000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:23試合/1ゴール
「献身的なプレースタイルでマンチェスター・Cファンに愛されるザバレタだが、今シーズンは若干パフォーマンスが落ちている感がある。来シーズンに彼がピークを過ぎたわけではないことを証明する必要があるだろう」
【査定】 コンパニと同様、シティの中心選手として活躍してきたザバレタには来シーズンもチャンスが与えられるべきだろう。
▼フェルナンジーニョ(MF)
年齢:29
加入年度/移籍金:2013年/3000万ポンド(約52億7000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:27試合/2ゴール
「派手さはなくヨーロッパの強豪相手には少し心もとないが、バランスの取れた中盤の舵取り役」
【査定】 来シーズンもチームの戦力構想に入るだろう。
注:「フェルナンジーニョはチームの誰よりも多く競り勝っている。347回の競り合いをして173回競り勝っている」
▼フェルナンド(MF)
年齢:27
加入年度/移籍金:2014年/1200万ポンド(約21億円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:21試合/2ゴール
「ポルトから移籍するもスピードに欠ける上に前線へのパスも苦手とする。チームへの貢献度に疑問符」
【査定】 売却先が見つかれば放出すべき。
▼ジェームズ・ミルナー(MF)
年齢:29
加入年度/移籍金:2010年/2600万ポンド(約45億7000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:27試合/3ゴール
「チームに必要な選手だが、マンチェスター・Cと新しい契約を結ばなかったことでチームを離れる可能性が高まった。移籍先には苦労しないだろう」
【査定】 慰留すべきだが、移籍の可能性大。
注:「ミルナーは今シーズンは9ゴールに絡んでおり、これまでのマンチェスター・Cでのシーズンで最も多い」
▼サミル・ナスリ
年齢:27
加入年度/移籍金:2011年/2400万ポンド(約42億2000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:22試合/2ゴール
「チームの混迷を象徴するように今シーズンはその実力を発揮し切れていない」
【査定】 高値で売れるようなら放出すべき。
注:「今シーズン、ナスリがいるときのチームの勝率が59パーセントである一方、彼がいないときの勝率は50パーセントにすぎない」
▼ヘスス・ナバス(FW)
年齢:29
加入年度/移籍金:2013年/1490万ポンド(約26億2000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:30試合/0ゴール
「セビージャから移籍した昨シーズンは期待通りのパフォーマンスを見せたが、今シーズンは30試合に出場もノーゴールで期待を裏切る」
【査定】 もしオファーがくれば放出の可能性あり。
注:「今シーズンのナバスはチーム最多の7アシストを記録している」
▼ヤヤ・トゥーレ(MF)
年齢:31
加入年度/移籍金:2010年/2400万ポンド(約42億2000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:24試合/8ゴール
「これまでマンチェスター・C躍進の原動力であったトゥーレだが、今シーズンは疲労し、衰え、塞ぎ込んでいるようにも見える。これまで彼がチームで積み重ねてきた功績は誰も否定できないが、そろそろ見切りをつける時期が来ているかもしれない」
【査定】 インテルのような強豪クラブがオファーを提示するならば放出する時期だろう。
注:「今シーズンのY・トゥーレはチームで最もタッチ数(2456回)が多く、プレミアリーグでも5位にランクインする」
▼ダビド・シルバ(MF)
年齢:29
加入年度/移籍金:2010年/2600万ポンド(約45億7000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:26試合/11ゴール
「今シーズンはかつてのような輝きは見られないものの、クリエイティブな閃きでチームにリズムをもたらす司令塔」
【査定】 残留確定。
注:「今シーズン、シルバは77回の決定機を演出しており、これ以上の決定機を演出しているのはリーグでもチェルシーのエデン・アザールとセスク・ファブレガスのみである」
▼セルヒオ・アグエロ(FW)
年齢:26
加入年度/移籍金:2011年/3800万ポンド(約66億7000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:27試合/19ゴール
「12月にひざを負傷したが、ワールドクラスのストライカーとして活躍する。今シーズンも得点感覚を発揮し、試合を決定づける働きをしている」
【査定】 代えの利かない中心選手。手放すべきではない。
注:「今シーズンのアグエロは合計で93回シュートを放っており、これはプレミアリーグで最多である」
▼ウィルフリード・ボニー(FW)
年齢:26
加入年度/移籍金:2015年/2800万ポンド(約49億2000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:5試合/1ゴール
「今冬の移籍市場でスウォンジーから移籍したボニーだが、大した活躍を見せないまま負傷してしまった。だが、ボニーはこれまでプレミアリーグで充分な実績を残しており、来シーズンからの活躍が期待される」
【査定】 今後に期待。
注:「マンチェスター・Cに移籍して以降、ボニーはまだ217分しか出場していない。先発も2試合のみで、フル出場したことすらない」
▼エディン・ジェコ(FW)
年齢:29
加入年度/移籍金:2011年/2700万ポンド(約47億4000万円)
今シーズンの出場試合数/ゴール数:21試合/4ゴール
「安定した得点能力でマンチェスター・Cにタイトルをもたらしてきたジェコだが、今シーズンは得点を重ねることができていない。ボニーの加入もあり、放出も視野に入れるべきか」
【査定】 マンチェスター・Cでのキャリアを終えるべき時期がきている。
注:「これまでの3シーズンで16ゴール、14ゴール、14ゴールと安定して得点を重ねてきたジェコだが、今シーズンは21試合に出場して4ゴールしか奪えていない」
▼ステヴァン・ヨヴェティッチ(FW)
年齢:25
加入年度/移籍金:2013年/2200万ポンド
今シーズンの出場試合数/ゴール数:17試合/5ゴール
「モンテネグロ代表のヨヴェティッチは今シーズンの序盤では輝きを見せたもものの、最近は目立った活躍がない。パフォーマンスも一貫性に欠け、成功した補強とは言えないだろう」
【査定】 放出すべき。
注:「ヨヴェティッチは787分の出場時間で5ゴール3アシストの活躍を見せており、98分に一回はゴールに絡んでいる」
「就任一年目でリーグ優勝とリーグカップ優勝を成し遂げた同監督だが、今シーズントップ4に入れずチャンピオンズリーグへの参加資格を失うようであれば続投は危うい。まだ解任要求の声は高まっていないが、バイエルンのグアルディオラ監督が後任に決まるようであれば解任される可能性はある」
今シーズンの終わりをどのような形で迎えるにしろ、ペジェグリーニ監督の去就がこれからのチームの在り方を決定づけるだろう。
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