上位陣との対戦を残すクリスタル・パレスは優勝戦線のカギを握る [写真]=Getty Images
いよいよ佳境を迎えるプレミアリーグで、終盤戦の上位争いを引っかき回すのではないかと話題の伏兵クラブがいる。それがクリスタル・パレスだ。
今年1月、ニューカッスルから引き抜いたアラン・パーデューが指揮を執るようになって以降、パレスはプレミア12試合で8勝1分け3敗と絶好調。稼いだ勝ち点「25」は同期間のプレミアで5番目に優れた数字で、マンチェスター・Uやリヴァプール(28)と比べても遜色ない。
現在もリーグ4連勝中。その中には、マンチェスター・Cを2-1で破った金星も含まれている。そして、そんな彼らは5月にチェルシー、マン・U、リヴァプールという上位勢との対戦を残しているのだ。
ニール・ウォーノック前監督が解任された時点で降格圏にいたパレスだが、後任のパーデューは堅守速攻の“攻”に着目することでチームを11位まで浮上させた。
「前線により人数をかけて、もっとボックス内に入ってシュートを撃て」
新指揮官はこう選手たちに投げかけ、ピッチにはヤニック・ボラシエ、ジェイソン・パンチョン、ウィルフレッド・ザハというアグレッシブな3枚の高速ドリブラーを一列に並べた。日頃からFWたちの居残り練習に付き合うというパーデューが作り上げた、スピードと意外性に満ちた自慢の2列目である。
興味深いのは、1トップに抜擢したグレン・マレーも含めた「トップ6以外で最もソリッドな攻撃カルテット(ガーディアン紙)」が、いずれも“苦労人”ばかりであることだ。
たとえば、「バイエルンのコンビ(アリエン・ロッベンとフランク・リベリー)にも引けを取らない」とパーデューが信頼を置くボラシエとザハの両翼コンビ。
4-1で快勝したサンダーランド戦でハットトリックを決めたコンゴ民主共和国代表MFボラシエはアマチュア出身。プロになる夢を諦めて「大工になる」ことを考えていた矢先に小国マルタのクラブでチャンスをもらい、そこからプレミアに辿り着き、いまや強豪クラブ移籍の噂が絶えない存在だ。
ザハは神童としでマン・Uに引き抜かれるも、ビッグクラブで自信を粉々に打ち砕かれ、ローン移籍を経て今年1月に完全移籍でパレスに出戻り。だが、パーデューの指導で輝きを取り戻し、集中力のムラも徐々に改善しつつある。
パーデューがウイングからトップ下にコンバートしたパンチョンも然り。彼はパレスがキャリア11クラブ目という渡り鳥で、よく監督と揉める問題児だが、現チームでは居心地がよさそうだ。
31歳のマレーは2部時代にリーグ得点王に輝き、クラブを昇格へと導いたが、その後はケガもあり“構想外”の扱いが続いていた。だが、パーデュー就任を機に復活し、最近7試合で6ゴールという活躍ぶりを見せている。
クラブの共同チェアマンであるスティーヴ・パリッシュ氏は、パーデューを「リーダー気質で周りの人間が付いていくタイプの人間」と評する。いわゆるノンエリートの選手たちが彼の指導でイキイキとプレーできるのは、彼自身もタクシー運転手やガラス職人の仕事を経てプロになり、パレスの伝説的なMFに上りつめた“叩き上げ”であることも影響しているかもしれない。
ただ一方で、パーデューは抜け目ない戦術家であること以上にカッとなりやすい激情家としての顔をクローズアップされることが多かった。
ニューカッスルを率いた昨シーズンは、ハルのMFデイヴィッド・メイラーに頭突きを見舞って7試合のベンチ入り禁止処分を受けている。
他にも、マン・Cのマヌエル・ペジェグリーニ監督に放送禁止用語を言い放って試合後に謝罪の手紙を書いたこともあれば、副審を突き飛ばして2試合ベンチ入り禁止を受けたこともある。
だが“メイラー事件”の後、パーデューはリーグ監督協会に自ら掛け合い、元クリケット選手でスポーツ心理学者のジェレミー・スネイプ氏を紹介してもらったという。
「私は本能が攻撃的。過去に巻き込まれたトラブルは、不当だと感じたことに対して反応してしまったのが原因だった。だが、今はそういった状況でスイッチをオフにすることができている」
「ジェレミーは“コントロールできること”にだけ集中するよう教えてくれたんだ」
いくら選手の心を掴んでも、自らの醜態で選手の士気や求心力の低下を招いては意味がない。悪癖を改善するボスの努力もまた、チームが一枚岩の集団として戦えている要因だろう。
思えば昨シーズン終盤にも、残留請負人トニー・ピューリスに率いられたパレスはチェルシーを1-0で破り、リヴァプール戦では3点ビハインドからドローに追いつく離れ業をやってのけ、優勝戦線をかき乱している。
1年でチームは大きく変わったが、今シーズンもまた、南ロンドンの中堅クラブがトップ4争いを混乱の渦に巻き込む可能性は十分にある。
(記事/Footmedia)
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