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祖父から孫へ…アストン・ヴィラの血を受け継ぐファンがFA杯に想いを寄せる

2015.04.19

11日にはリーグ戦でトッテナムを破ったアストン・ヴィラ [写真]=Aston Villa FC via Getty Images

文=藤井重隆

 世紀を超え、代々アストン・ヴィラのサポーターとして、その情熱を受け継いできた家族がある。アストン・ヴィラといえば、1888年に創設された世界最古のフットボールリーグに12クラブの初期メンバーとして参加しているチームだ。

 このほど、あるアストン・ヴィラのファンの祖父が、19日にウェンブリー・スタジアムで行われるFA(イングランド協会)杯準決勝、リヴァプール戦のチケットをサプライズで購入してプレゼントしたエピソードが話題となった。17日の大手メディア『ユーロスポーツ』などが報じた。

 FA杯で5年ぶりの準決勝進出を果たしたアストン・ヴィライングランド人サッカーファンにとって、特に地方のファンにとって、9万人収容の英国最大のウェンブリー・スタジアムはいわば聖地である。

 アストン・ヴィラファンのトム・マクゴワンさんは家族全員が同クラブのファンであり、ウェンブリーで行われる大一番を生で観たいと周囲に漏らしていた。

 それを知ってか知らずか、マクゴワンさんの祖父が手紙を添えてチケットをサプライズでプレゼント。その手紙にはこう書かれていた。

「15年4月14日。やあトーマス、何時間も雨の寒さの中で列に並んだ甲斐あって、君のチケットをなんとか手に入れたよ。実際のところ、天気は快晴で並んだ時間は90分だったんだがね。私はもっとチケットを買えるか聞いたんだが、スタッフには一人一枚だけと言われた。試合の日を楽しんで。私は決勝戦のチケットも君に買うことを願っているよ。愛をこめて。婆さんと爺さんより」

 これを受けてマクゴワンさんは16日、自身のツイッターに手紙の写真を掲載し、「僕の爺ちゃん。僕のヒーロー。ウェンブリー、早く来い!」と、喜びをツイートした。

 アストン・ヴィラからは32000人のファンがウェンブリーに足を運ぶことが見込まれているが、チームがリヴァプールを破ってアーセナルが待つ決勝戦進出を果たせば、それは15年ぶりとなり、優勝すれば58年ぶり8度目の快挙となる。

 同試合は契約が必要なBTスポーツで放映されるため、加入していないマクゴワンさんの祖父の自宅ではTV観戦ができない。祖父が孫に想いを託し、声援となって選手たちに届くだろうか。世界最古のトーナメントの魔法はこんなところにも潜んでいるのかもしれない。

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